
8月8日、「伝える、伝わるエンディングノートの日」。
広島県福山市にて、「エンディングノートサミット2026」を開催いたしました。
会場へ足を運んでくださった皆さま、オンラインでご参加くださった皆さま、登壇者、実行委員、スタッフ、そしてクラウドファンディングを通して応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
今回のクラウドファンディングには、116名の方から1,235,600円のご支援をいただきました。
私たちがこのクラウドファンディングに挑戦した一番の目的は、開催資金を集めることだけではありませんでした。
8月8日の「伝える、伝わるエンディングノートの日」を知っていただくこと。
そして、エンディングノートを個人の備えにとどめず、誰もが安心して暮らすための「社会インフラ」にしていく仲間を増やすことでした。
皆さまからいただいたご支援によって会場を整え、全国の皆さまと、これからのエンディングノートについて考える時間をつくることができました。

広島の「伝承」から学ぶ
基調講演では、被爆体験伝承者の加藤様にお話しいただきました。

被爆者ご本人だけではなく、血縁関係のない人が体験と思いを聞き取り、次の世代へ伝えていく「被爆体験伝承者」という仕組み。
そこには、これからのエンディングノートを考えるうえで、大きな学びがありました。
家族だけで思いを受け継ぐことが難しくなっている今、本人の言葉や生きてきた証を、誰が受け取り、どのように未来へつないでいくのか。
これは、エンディングノートが向き合うべき課題でもあります。
白書の中間報告で見えてきたこと
当日は、現在作成を進めている「エンディングノート白書2026」の中間報告も行いました。
調査を通して見えてきたこと。
それは、医療や介護などの支援現場が本当に必要としているのは、
通帳番号などの事務的な情報だけではない
ということです。
その人がどのような人生を歩み、何を大切にし、どのように暮らしてきたのか。
「人となり」「生育歴」「価値観」を知ることが、最後までその人らしさと尊厳を守る支援につながります。
一方で、エンディングノートを書いていても、その存在や保管場所が伝わっていなければ、必要なときに届きません。
「書くこと」で終わらせず、誰かに話すこと、共有すること、対話を重ねること。
その大切さも、あらためて確認することができました。
白書は、2027年3月の完成を目指し、引き続き調査と分析を進めてまいります。

「これでよかった」と思うために何が必要か
パネルディスカッションでは、医療、法律、葬送、介護、デジタル終活など、異なる分野で活動する専門家が登壇しました。
テーマは、
「これからの人生を、誰と、どう生きるか――自分も、支える人も『これでよかった』と思うために」
です。

それぞれの専門的な立場から語られた内容は異なりましたが、議論を通して浮かび上がったのは、「書類を完成させること」だけでは、その人らしい選択や納得にはつながらないということでした。
在宅医療の現場からは、人生の最終段階において大切なのは、単に希望どおりの医療や療養場所が実現することだけではなく、本人と家族が、その選択に「納得」できることではないか、というお話がありました。
法律とデジタル終活の視点からは、亡くなったあとに相続をはじめとする多くの手続きが避けられないことが示されました。
遺言書を作成することは重要ですが、すべての人がすぐに取り組めるわけではありません。
だからこそ、遺族が困らないための最低限の情報を整理し、共有しておく入口として、エンディングノートを活用できます。

葬送の立場からは、家族から伝えられていた本人の希望が、その後の人生や仕事を変えるほど大きな意味を持った経験が語られました。
「お墓には入りたくない。海へ散骨してほしい」
その希望を生前に聞いていたことで、家族は本人の望む形で見送ることができました。
書かれた情報だけではなく、なぜそれを望むのかという背景や思いを聞いておくこと。
これから必要なのは、「書かせるためのエンディングノート」ではなく、「知り、考え、話し、選ぶためのエンディングノート」ではないでしょうか。
今日がゴールではなく、スタート
サミットの最後には、次の10年に向けた宣言を行いました。
一、私たちは、エンディングノートを個人の備えから、社会全体で機能する社会インフラへと転換します。
一、私たちは、書くことの先にある対話を大切にし、意思決定のプロセスをコミュニティで支えます。
一、私たちは、明日を豊かに生きるための、ポジティブな対話の文化を育みます。
このサミットを開催できたことで、クラウドファンディングが終わったのではありません。
ここからが、本当のスタートです。
皆さまから託していただいたご支援と期待を、白書の完成、エンディングノートの新たな活用、そして「エンディングノートを社会インフラに」という次の一歩へ、確実につなげてまいります。
116名の皆さまが集まってくださったことは、私たちにとって何より大きな力です。
一緒に、この挑戦を始めてくださって、本当にありがとうございました。
引き続き、活動の進捗をご報告してまいります。

EN日実行委員会一同



