10月に入り、NHK「ダーウィンが来た!」の公式ウェブサイトで、今回の放送タイトルと詳しい内容が公表されました。https://www.nhk.jp/g/ts/8M52YNKXZ4/blog/bl/pDoZ8oR54n/bp/pgoajLD58J/僕にとって、今回の放送はとても大きな出来事です。ブラジルの都市で、野生のカピバラと人々がどのように同じ空間で暮らしているのか。何度も現地へ足を運び、現地の人たちと関係を築きながら見てきた世界が、いよいよ日本の皆さんに届きます。でも、僕にとってこれは「答え」ではありません。むしろ、ここからが始まりです。今回番組で描かれるカピバラと人々の暮らしは、広大なブラジルの中にある「一つの都市の、一つの側面」です。だからこそ今度は、自分自身の足でブラジル各地を巡り、カピバラだけではなく、そこで暮らしてきた「人」に会いたいと思っています。その思いを強くしたきっかけの一つが、ブラジルの日系移民を描いた映画『ニホンジン』を観たことでした。https://nihonjin.2-meter.net/ブラジルには、120年近くにわたる日本人移民の歴史があります。言葉も文化も自然環境も違う土地へ渡り、そこで生活を築いてきた一世の方々。しかし、その時代を実際に生きた一世の方々から直接話を聞ける時間は、確実に少なくなっています。だからこそ今、僕が会いたいのは、その一世の背中を見て育った二世の方々です。親たちはブラジルの自然をどう見ていたのか。見たことのない野生動物と出会ったとき、どう接していたのか。農地を開拓し、生活を築いていく中で、自然や動物とどのような距離を取ってきたのか。そして、その姿を子どもだった二世の方々は、どのように記憶しているのか。これは単に「昔のカピバラの話を聞く」ということではありません。一世から二世へ。二世から三世、四世へ。人と自然との関わり方がどのように受け継がれ、あるいは変化してきたのか。その言葉を今聞き、記録し、次の世代へ伝えていくことには、大きな意味があると思っています。そして今を生きる三世、四世、さらに小学生くらいの子どもたちにも聞いてみたい。「野生動物って、あなたにとってどんな存在ですか?」「カピバラって、どんな動物ですか?」同じブラジルで、同じカピバラを見ていても、世代が違えば答えは変わるかもしれません。開拓の時代を生きた人。その背中を見て育った人。都市化したブラジルで暮らす若者。そして、これからのブラジルを生きていく子どもたち。その一つひとつの言葉をつないでみたい。僕がカピバラを追いかけて知りたいのは、カピバラという動物だけではないからです。カピバラを入口に、その土地の自然を知る。生物多様性を知る。人と野生動物との距離を考える。そして、その土地で生きてきた人々の歴史や文化、価値観を知る。僕にとってカピバラは、世界を見るための「入口」です。一頭の動物を追いかけ続けた先に、自然科学だけでは収まりきらない、人間の歴史や文化まで広がっていました。今回のブラジル縦断では、その世界を僕一人で見るのではなく、支援してくださった皆さんと一緒に持ち帰りたいと思っています。NHK「ダーウィンが来た!」で描かれる、都市とカピバラの共生。そして放送の、その先へ。ブラジル各地を歩き、一世から受け継がれた記憶を持つ二世の方々、三世、四世、そして今を生きる子どもたちの言葉を聞く。僕自身の目で見て、耳で聞いて、記録してきます。皆さんからいただいた支援を、ただ「旅をするためのお金」にはしません。今聞かなければ残らないかもしれない言葉を記録する。現地でしか拾えない声を拾う。そして、日本へ持ち帰り、次の世代へ伝える。それも今回の旅の大切な役割だと思っています。カピバラには、人の視野を世界へ広げる力がある。僕は本気でそう思っています。NHK「ダーウィンが来た!」の放送は、大きな節目です。でも、僕の探検はその先へ続きます。皆さんと一緒に、この「好き」の先にどんな世界が広がっているのかを確かめに行きたい。改めて、僕の挑戦を支えてくださっている皆さん、本当にありがとうございます。皆さんの支援を背負って、ブラジルへ行ってきます。



