
霞ヶ浦サンライズフェスティバルでは、音楽や国際交流だけでなく、この地に刻まれた歴史を新しい形で伝える試みにも取り組んでいます。
歩崎公園から湖上を眺めると、私は時折、一つの情景を思い描きます。
牛渡の湖岸を船が離れ、常陸や国分寺へ向かう水路。その船上には、ソグド人の僧安如宝や孝謙天皇・重祚して称徳天皇の寵愛を受けて天皇になりそこねた僧道鏡が静かに霞ヶ浦を見つめている──そんな時空を超えた光景です。シルクロードによって日本にもたらされた仏教文化の頂点と没落を象徴する二人です。
史実をそのまま再現することではありません。歴史への想像力を通して、古代から続く霞ヶ浦の水運と文化交流を、現代に生きる私たちが感じ直すための物語です。
サンセットクルーズも、単なる遊覧船ではなく、千年以上にわたり人々を運び、多様な文化を結んできた霞ヶ浦の時間の流れを体感する場となることを願っています。
霞ヶ浦から世界へ。古代と現代、人と人、文化と文化を結ぶ新しい物語を、これからも育ててまいります。



