モスクワで舞台「古事記」を上演してきました。ロシアでモスクワ芸術座のプロデューサーを務めていた方が奔走して下さっての自主公演でしたが、なんと満員御礼!
ロシア人にとっては全く未知の「古事記」という作品に何百人もの観客が押し寄せることに、プロデューサーの方も驚いてらっしゃいました。
公演前に、今回ご同行頂いた古事記研究家の鎌田先生に、「ロシアで古事記を上演することで起きうるインパクトは?」とお聞きしたところ、「生命感。次々に神々が産まれ、そして死んでは産まれる、その躍動する生命感が伝わるはずです」とおっしゃってました。
そんな話を聞いたわけでもない演出家のアニシモフ氏が、今日の舞台の休憩になって「後半は、何度死んでも産まれ変わる、その生命力を伝えてきなさい」と俳優陣に指示。何か大いなるものに突き動かされているのを感じました。
舞台古事記は、天岩戸が開いて天照大御神が現れ世界に光が戻り、歓びの歌と共に終幕、観客からは「ブラヴォー!」の声と共に拍手喝采で終わりました。
日本人観客にとってもかなり特異的な舞台である我々の「古事記」がロシア人の目にどう映るのか、正直不安もありましたが、蓋を開けてみればものすごいインパクトが起きていたのを肌身で感じた夜でした。
今回の公演の実現の為に東奔西走して下さったロシアのプロデューサーの方、日本語の上演にも関わらず足を運んでくれた数百人の観客の皆様、劇場のスタッフの皆様、クラウドファンディングでご支援頂いた皆様、そして八百万の神々に、心からの感謝を送ります。