
本と舍の入口には、暖簾があります。藍の地に淡く浮かぶ「本と舍」の文字。
あの暖簾を作ってくださっているのが、出雲市の長田染工場です。
今回、クラウドファンディングのリターンとして、長田染工場・5代目の長田匡央(ながた まさお)さんに、本と舍のロゴ入り手ぬぐいを制作していただくことになりました。
これを機に、その技法と、匡央さんのことを少しご紹介させてください。
※この記事の上部の画像は、昨年の開業時に長田さんに直接 暖簾をお持ちいただいた、記念すべき日のお写真です
筒描藍染(つつがきあいぞめ)とは
江戸時代、出雲では木綿の栽培と藍染が庶民の暮らしに深く根づいていました。
市内を流れる高瀬川の沿岸には紺屋(こうや)が建ち並び、婚礼のたびに嫁入り道具として筒描の風呂敷や蒲団包みが誂えられたといいます。
筒描藍染は、下絵となる型紙をもとに、渋紙で作った筒袋に防染糊を入れ、手で絞り出しながら生地の上に模様を描いていく染め方です。型染めのように型紙で染料を置くのではなく、糊を「描く」ことで模様を生み出します。
糊が乾いたら米ぬかを振って固め、藍甕に十数回繰り返し浸して染め上げる。
最後に流水で糊を洗い落とすと——それまで糊の下に隠れていた模様が、静かに浮かび上がります。
大きなものは完成まで3週間以上。
気の遠くなるような手仕事のすえに、一枚の布ができます。
長田染工場、5代目のこと
化学染料の普及によって、かつて何十軒もあった紺屋は次々と姿を消しました。筒描藍染を今も続けているのは、全国でわずか2〜3軒とされています。
長田染工場は、高瀬川のほとりに残るその一軒です。
染め上がった生地を川につけて糊を落とす糊落としの様子
5代目の匡央さんは20歳で染色の学校を卒業し、この工房を継ぎました。
「伝統の継承はデザインの継承ではなく、技法の継承だと思っている」と語る匡央さんは、昔ながらの嫁入り風呂敷を作り続けながら、テーブルランナーやコースターなどモダンなデザインの品も生み出しています。
筒描の線と余白を生かしたコラボレーションにも積極的で、「色々な人に筒描藍染をやってもらいたい」という言葉が印象的です。
本と舍の暖簾も、そんな匡央さんとの対話の中から生まれました。
手ぬぐい、届けます
画像のてぬぐいはイメージです
今回のリターンには、本と舍のロゴを筒描藍染で染めた手ぬぐいをご用意しました。
温泉津の小道の町家に掲げられてきた暖簾と同じ技、同じ手から生まれた一枚です。
日々の暮らしの中で使っていただけたら、と思います。
本と舍への支援が、出雲の職人仕事とも繋がっていること——そのことを、手のひらの上で感じていただけますように。




