
本と舍 西田優花です。
おかげさまで、支援総額は着実に積み重なり、たくさんの方に見守っていただいています。ご支援くださった方、SNSでシェアしてくださった方、本当にありがとうございます。
そして——残り、あと11日となりました。
先日、工務店さんとの打ち合わせも終え、7月後半から周囲の養生に入り、いよいよ着工の準備が本格的に進んでいます。修繕へ向けて、確かに一歩ずつ動き出しています。
今日は、その屋根修繕を託す工務店さんのことを、お話しさせてください。
はじまりは、龍御前神社の隣の空き家
私が温泉津への移住を決めて物件を探していたとき、大田市の空き家バンクで、龍御前神社の隣に空き家があることを見つけました。
当時Youtubeチャンネルで改修の様子もお届けしてました
その頃すでに、私は石見神楽のことを知っていました。毎週土曜の夜、その神社では夜神楽の定期公演があります。その隣の家なら、大好きなお囃子が週に一度聞こえてくる。神社の隣という、これ以上ないほど恵まれた場所に住める。そのことがとても貴重に感じられて、すぐに購入を決めました。それが今、スパイスカレーのお店「ゲンショウシャ」になっています。
そのときの物件の管理と改修で力を貸してくださったのが、中島工務店さんでした。
中島浩司さんに書いていただいた当時の図面
中島浩司さんのこと
当時の社長は、今は亡き中島浩司さんでした。
私はきっと、得体の知れない移住者だったと思います。何を考えているのか、どんな人物なのかもわからない。それでも浩司さんは、いつも親切にサポートしてくださいました。
私にとっても、初めてお金をかけて工事をするわけですから、わからないことばかりで。本当にたくさんのやりとりをさせていただきました。今思えばしょうもないような質問にも、いつも優しく、丁寧に答えてくださいました。
対話を重ねるなかで、忘れられない言葉があります。
浩司さんがお父様から教わったという、「土のものと風のものは、仲良くしないといけない」という話です。
土のものと、風のもの
土のものとは、その土地に根を張って暮らす、地元の人のこと。彼らは、どこからともなくやってくるよそ者に対して、「どこの誰かもわからん。風みたいにふわふわして地に足がつかず、すぐどこかへ行ってしまう、信頼のおけないやつ」と身構えることがある。
風のものとは、いつも自由で、制限がない人のこと。だからこそ、その土地にどっしり構える土のものを見て、「あいつらは動かない、頑固で、未来がない」と思ってしまう。
でも、この関係のままでは、良くない。
土は風を受け入れることで、新しい空気を取り込み、少しずつ柔らかくなっていく。そして風は、土という根を下ろす場所を得ることで、ただ通り過ぎるだけの存在ではなくなり、新しい種をその土地に残していける。
風と土が交じり合って、はじめて「風土」になる。
浩司さんは、そういうことをお父様から教わったのだと、話してくださいました。
その話を聞いて、新参者の私は、この土地でどんなふうに振る舞おうか——と、深く考えるきっかけをいただきました。よそ者としてやってきた私が、この温泉津という土地とどう関わっていくのか。その原点のような言葉です。
ゲンショウシャの建物はかつてパン屋さんだったそうです
受け継がれていく思い
浩司さんは、数年前に亡くなられました。
今はその弟の中島祐司さんが、思いを引き継いでいらっしゃいます。以来、私はいろいろな場面で、祐司さんにお世話になってきました。
そして今回の屋根修繕も、中島工務店さんにお願いしています。
本と舍という「風のもの」が持ち込んだ場所を、温泉津という「土」にしっかりと根づかせていく。その屋根を託せる相手が中島工務店さんであることを、私はとても心強く思っています。
残り11日、どうかお力を貸してください
7月後半の養生から、着工へ。修繕はいよいよ現実のものとして動き出します。
残された時間は、あと11日です。もしよろしければ、もう一度だけ、周りの方へのお声がけやSNSでのシェアなど、ご協力いただけるととても嬉しいです。
この屋根の下で続いてきた、本と人のめぐりあい。そして、風と土が交じり合ってできていく、温泉津のこれから。
最後まで、どうかよろしくお願いいたします。
西田優花



