明治の町家の灯りを守りたい——温泉津シェア文庫「本と舍」屋根修繕プロジェクト

島根県温泉津(ゆのつ)のシェア文庫「本と舍」は、令和7年6月の開業から1年が経ちました。無料で誰でも利用できるこの場所を、これからも守り続けるために、今回は屋根の修繕費用のご支援をお願いしたいと思います。本と人がめぐりあう場所を、どうかもう少し、続けさせてください。

現在の支援総額

1,674,500

83%

目標金額は2,000,000円

支援者数

145

24時間以内に11人からの支援がありました

募集終了まで残り

8

明治の町家の灯りを守りたい——温泉津シェア文庫「本と舍」屋根修繕プロジェクト

現在の支援総額

1,674,500

83%達成

あと 8

目標金額2,000,000

支援者数145

島根県温泉津(ゆのつ)のシェア文庫「本と舍」は、令和7年6月の開業から1年が経ちました。無料で誰でも利用できるこの場所を、これからも守り続けるために、今回は屋根の修繕費用のご支援をお願いしたいと思います。本と人がめぐりあう場所を、どうかもう少し、続けさせてください。

今回のお願いについて

本と舍の屋根の修繕費用を、クラウドファンディングでご支援いただきたいと思っています。

本と舍は入場料も利用料も不要な、無料のシェア文庫です。日常の維持管理は皆さんからいただく募金で賄っていますが、屋根の修繕のような大きな費用は、それだけでは賄いきれません。建物を守るためのこの工事に、どうかお力を貸してください。

詳しくは、以下をお読みいただけますと幸いです。

はじめまして、こんにちは。あるいはまたお会いできて嬉しい、こんにちは。

島根県温泉津にて、シェア文庫「本と舍(ほんとあらか)」を営む、西田優花です。

令和8年2月 本と舍にて(撮影:戸倉幹雄)

このページを訪ねてくださったみなさまに、まず心からお礼を申し上げます。

令和7年6月。本と舍は、無事にひらきました。あの日のことを、今でも鮮明に覚えています。

静かな縁側に、初めての来訪者が腰を下ろして本を開いた瞬間のこと。遠く東京から旅をしてきた若い人が、棚の本を一冊手に取って「これ、宿に持ち帰っていいですか」と聞いてくれたこと。

縁側に腰掛け本を片手に語らうふたり(撮影:戸倉幹雄)そして、近所に暮らす一人暮らしのおばあちゃんが、ある日そっと教えてくれた言葉のこと。

「ここにあかりがついて、人が来てくれるのが、すごく嬉しいんよ」

長くこの町に暮らしてきたおばあちゃんの目には、少しずつ明かりが消えていく景色が映り続けてきたはずです。
夜になれば灯りのともらない家が増え、かつてにぎわいのあった場所が静かに暗くなっていく——それは日常の中でじわじわと積み重なってきた、さみしさのようなものだったのかもしれません。

だから本と舍の窓から漏れる光が、その方にとって特別な意味を持つようになったと聞きました。

朝、外に出たときにあかりがついていれば、今日も一日が始まった、という合図。
夕方、自宅へ戻るときに誰かの気配を感じれば、ひとりではないという安心感。

本と舍が「本を借りる場所」である以前に、誰かの日常の灯りになっていたのだと知ったとき、この場所をつくってよかったと、心の底から思いました。

台帳をめくると、温泉津の住民の方、大田市・出雲市・浜田市から足を運んでくださった方、そして日本全国から温泉津へやってきた旅人の方々のお名前が並んでいます。

全国から来た色んな方が楽しんで下っています

本と人がめぐりあう家をつくりたい、という最初の願いは、着実に、温泉津の日常の一部になりはじめています。

それが何より嬉しく、そして、今回また皆さんにお声がけするための勇気になっています。

本と舍の建物は、明治時代に建てられたものです。 

北前船の寄港地として賑わったこの時代、温泉津には廻船問屋や商家が軒を連ね、港町として大きな繁栄を誇っていました。重要伝統的建造物群保存地区の対象物件として、歴史の風雪を受け止めながら、人々の暮らしを見守り続けてきた建物です。

柱の傷に、壁の染みに、板張りの床の軋みに。ここに住んできた人たちの暮らしの気配が、静かに滲み出ているような建物です。

昨年の改修では、そうした情緒の部分をできる限り残しながら、本と舍として蘇らせることができました。しかし、ひとつ、手が届かなかった箇所がありました。

屋根、です。

よく見ると棟の部分が波打っています(撮影:戸倉幹雄)

雨漏りは、開業したころから、じわじわと始まっていました。
最初は「染みができているな」という程度のことでした。しかし月日が経つにつれ、雨のたびに気になる箇所が増え、今ではもう、補修が必要な段階にきています。

雨漏りは、家にとって最も深刻な老朽化現象のひとつです。

マグカップでなんとかカバーできぬかと試みた様子

最初はほんの小さな染み。しかし水は、知らないうちに壁の内部へ、梁へ、柱へと浸透していきます。木材が水を含み続けると腐朽菌が繁殖し、構造材そのものが内側から朽ちていく。

それは外からは見えない、静かな崩壊です。

時間をおいて様子を見に来たら別のところが雨漏りしていた時の衝撃たるや…

さらに、湿気はシロアリを呼び込みます。シロアリは木造建築にとって致命的な存在で、一度棲みつかれると柱や土台を短期間で食い荒らし、建物全体の耐震性を著しく低下させます。古い建物ほど、その影響は甚大です。

放置すれば、補修の費用は今の何倍にも膨らむ。最悪の場合、建物の存続そのものが危ぶまれる。雨漏りとはそういうものです。

「形あるもの、いずれ滅びる」——これは私の祖父が口癖のように言っていた言葉です。

それは真実だと思います。でも、皆さんのお力を借りて生まれたこの場所を、なるだけ長く、なるだけ多くの人の「めぐりあいの場所」として守り続けたい。

そのために、今動けるうちに動かなければと思っています。

本と舍は、無料で誰でも利用できる施設です。

温泉津在住の選書家や棚主さまの本が並ぶ(撮影:戸倉幹雄)

入場料も、利用料も、ありません。本をこの場で読み、借りるだけなら、お金はかかりません。

それは意図的な選択でした。人口1000人に満たないこの温泉津という町で、誰もが気兼ねなく立ち寄れる場所であること。
住民の方が日常のなかでふらっと寄れること。
旅人がこの町に少し長く留まるきっかけになること。
そういう「開かれた場」であることに、この施設の意味があると思っているからです。

一方で、場所がある限り、維持管理の費用は出ていきます。電気代、水道代、清掃、細かな修繕。
本と舍はこれを、皆さんからいただく日々の募金によって賄っています。

来てくださった方々が、帰り際に小箱へそっと入れてくださるお気持ちが、この場所の日常を支えてくれています。

しかし今回のような、屋根の修繕という大きな費用は、話が別です。収益事業のない本と舍が自前で捻出するには、募金だけではどうしても限界があります。かといって、利用料を設ければ、この場所が「開かれた場」でなくなってしまう。

だから、クラウドファンディングという形でお願いすることにしました。

皆さんが自由に使えるこの場所を、これからも皆さんのものとして続けていくために。

テーブルのところにまで雨漏りが生じ、おいていた本が濡れ破損してしまった

本と舍は重要伝統的建造物群保存地区の対象物件であるため、修繕に関わる費用の8割については文化財保存に関連する補助金を活用することができます。残る2割の自己負担分に加え、リターンの仕入れやチラシ制作、プラットフォームの手数料を合わせた金額を、今回のクラウドファンディングで調達させていただきたいと考えています。

今回のクラウドファンディングの目標金額は2,000,000円です。

資金の使い道は以下の通りです。

  • 屋根修繕費(補助金対象外の自己負担分)

  • リターン準備費用

  • チラシデザイン・印刷費用

  • 諸経費

  • プラットフォーム利用手数料(17%+税)

工事は雨季には着工できないため、梅雨明け後に着工し、8月から約1ヵ月半をかけて修繕を行う予定です。

前回のクラウドファンディングでは、239名の方々からご支援をいただきました。目標の200万円を大きく超え、325万円ものご支援をいただいたこと、今でも信じられない気持ちがあります。

あのとき、皆さんが届けてくださった言葉や想いが、本と舍というこの場所に確かに宿っています。

今回は「建てる」ではなく「守る」ためのお願いです。 華やかな船出ではなく、地道で、でも欠かせない、建物の命をつなぐための一歩です。

本と舍に足を運んでくださった方も、まだ訪れたことのない方も。温泉津という場所に少しでも関心を持ってくださっている方であれば、ぜひともこのページをご覧いただけたら嬉しいです。

本は、人は、すべてはめぐりめぐる。そしてめぐりあう。

この場所が、これからも誰かの「めぐりあいの場所」でありつづけられるよう。 皆さまの温かいご支援を、どうかよろしくお願い申し上げます。

  • 梅雨明け後(7月下旬〜8月上旬):着工

  • 8月〜9月中旬:屋根修繕工事(約1ヵ月半)

  • 工事完了次第:本と舍 通常営業再開

温泉津の初夏は、静かです。

タオルを肩にかけた人々が、石州瓦の埋め込まれた道をゆっくりと歩いていく。
下駄の音が、古い家並みにやわらかく響く。
長い湯治の歴史が今もなお、この町の日常の風景として生きています。

そんな町の一角に、本と舍はあります。 縁側から見える、変わらない屋根並み。
その屋根の下に、本がある。本がめぐる。人がめぐりあう。

そんな光景を、もうしばらく続けさせてください。

西田優花

支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 設備費

  • 広報/宣伝費

  • リターン仕入れ費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

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  • 本と舍 西田優花です。おかげさまで、支援総額は着実に積み重なり、たくさんの方に見守っていただいています。ご支援くださった方、SNSでシェアしてくださった方、本当にありがとうございます。そして——残り、あと11日となりました。先日、工務店さんとの打ち合わせも終え、7月後半から周囲の養生に入り、いよいよ着工の準備が本格的に進んでいます。修繕へ向けて、確かに一歩ずつ動き出しています。今日は、その屋根修繕を託す工務店さんのことを、お話しさせてください。はじまりは、龍御前神社の隣の空き家私が温泉津への移住を決めて物件を探していたとき、大田市の空き家バンクで、龍御前神社の隣に空き家があることを見つけました。当時Youtubeチャンネルで改修の様子もお届けしてましたその頃すでに、私は石見神楽のことを知っていました。毎週土曜の夜、その神社では夜神楽の定期公演があります。その隣の家なら、大好きなお囃子が週に一度聞こえてくる。神社の隣という、これ以上ないほど恵まれた場所に住める。そのことがとても貴重に感じられて、すぐに購入を決めました。それが今、スパイスカレーのお店「ゲンショウシャ」になっています。そのときの物件の管理と改修で力を貸してくださったのが、中島工務店さんでした。中島浩司さんに書いていただいた当時の図面中島浩司さんのこと当時の社長は、今は亡き中島浩司さんでした。私はきっと、得体の知れない移住者だったと思います。何を考えているのか、どんな人物なのかもわからない。それでも浩司さんは、いつも親切にサポートしてくださいました。私にとっても、初めてお金をかけて工事をするわけですから、わからないことばかりで。本当にたくさんのやりとりをさせていただきました。今思えばしょうもないような質問にも、いつも優しく、丁寧に答えてくださいました。対話を重ねるなかで、忘れられない言葉があります。浩司さんがお父様から教わったという、「土のものと風のものは、仲良くしないといけない」という話です。土のものと、風のもの土のものとは、その土地に根を張って暮らす、地元の人のこと。彼らは、どこからともなくやってくるよそ者に対して、「どこの誰かもわからん。風みたいにふわふわして地に足がつかず、すぐどこかへ行ってしまう、信頼のおけないやつ」と身構えることがある。風のものとは、いつも自由で、制限がない人のこと。だからこそ、その土地にどっしり構える土のものを見て、「あいつらは動かない、頑固で、未来がない」と思ってしまう。でも、この関係のままでは、良くない。土は風を受け入れることで、新しい空気を取り込み、少しずつ柔らかくなっていく。そして風は、土という根を下ろす場所を得ることで、ただ通り過ぎるだけの存在ではなくなり、新しい種をその土地に残していける。風と土が交じり合って、はじめて「風土」になる。浩司さんは、そういうことをお父様から教わったのだと、話してくださいました。その話を聞いて、新参者の私は、この土地でどんなふうに振る舞おうか——と、深く考えるきっかけをいただきました。よそ者としてやってきた私が、この温泉津という土地とどう関わっていくのか。その原点のような言葉です。ゲンショウシャの建物はかつてパン屋さんだったそうです受け継がれていく思い浩司さんは、数年前に亡くなられました。今はその弟の中島祐司さんが、思いを引き継いでいらっしゃいます。以来、私はいろいろな場面で、祐司さんにお世話になってきました。そして今回の屋根修繕も、中島工務店さんにお願いしています。本と舍という「風のもの」が持ち込んだ場所を、温泉津という「土」にしっかりと根づかせていく。その屋根を託せる相手が中島工務店さんであることを、私はとても心強く思っています。残り11日、どうかお力を貸してください7月後半の養生から、着工へ。修繕はいよいよ現実のものとして動き出します。残された時間は、あと11日です。もしよろしければ、もう一度だけ、周りの方へのお声がけやSNSでのシェアなど、ご協力いただけるととても嬉しいです。この屋根の下で続いてきた、本と人のめぐりあい。そして、風と土が交じり合ってできていく、温泉津のこれから。最後まで、どうかよろしくお願いいたします。西田優花 もっと見る
  • おかげさまで、支援率が59%に達しました。みなさま一人ひとりの支援と言葉が、背中を押し続けてくれています。本当にありがとうございます。皆さんからいただいた言葉応援コメントを読むたびに、胸があたたかくなります。少しご紹介させてください。「素敵な縁側に人が集まりますように。」「町家の古民家の私設の本屋さんが、当たり前のようにそこにある ふらりと立ち寄れる場所 応援しています」「本が近くにあるという豊かさ。これからも大切に守り続けてほしいです。」「温泉津の灯りを守ってください!」「また温泉津に行ける日を楽しみにしています。1日も早く屋根が修繕して、雨漏りを気にせず、本との時間をより楽しめる空間になりますように◎」どの言葉も、温泉津のことを自分のこととして思ってくださっている方々からのものです。久しぶりの御縁が、ここでつながりました今日は、今回の支援の中で特に「ああ、御縁というのはこういうことだな」と感じた3つのことをご紹介したいと思います。しずかさんしずかさんとはじめてお会いしたのは、わたしが温泉津に移住するよりも前のことです。5年以上前、しずかさんが温泉津にお泊まりに来られた際に、宿でご縁をいただきました。小生活 KONAMAIKIの野草茶も楽しんでくださっており、こうして本と舍の活動にもご支援いただけたこと、本当に嬉しく思っています。温泉津での出会いが、こんなふうにまた続いていく。それがとても、この町らしいなと感じています。PKさんPKさんは、わたしが20代の頃に入社した会社の元同僚です。スパイスカレーのお店「ゲンショウシャ」を開業するにあたって、店に置く本を一緒に選んでくれた人物でもあります。彼女のおかげで、わたし一人では出会えなかった本や出版社をたくさん知ることができました。今、真鶴出版さんと協働の機会をいただいていますが、そのきっかけのひとつも、PKさんがあの頃「この本、いいよ」と教えてくれたことにあると思っています。そんな彼女がまたここで支援してくれることが、素直に嬉しい。上念司さん上念司さんとは、コロナ禍にわたしがドイツに滞在していた頃にご縁をいただきました。当時、ドイツでのコロナ対応の様子を毎日YouTubeでレポートしていたのですが、その頃に一度コラボをしていただいたことがあります。当時のコラボ動画はこちら今見返すと、素人丸出しの自分が恥ずかしくもあるのですが……あの頃のご縁が、こうして本と舍への支援という形でまたつながるとは、思ってもいませんでした。上念さん、ありがとうございます。あらためましてありがとうございますしずかさん、PKさん、上念さん——それぞれ出会った場所も時代も違いますが、こうしてまた同じ場所に集まってくださっていることが、不思議で、ありがたいです。人の縁というのは、ちゃんと続いているものだなと、改めて感じています。引き続き、どうぞよろしくお願いします。残りの日数も、一歩ずつ進んでいきます。西田 優花 もっと見る
  • 本と舍 西田優花です。おかげさまで、支援者の方が79名、お気に入り登録も80名に達しました。そしてもうすぐ、支援総額が800,000円に届こうとしています。ここまで来られたのは、ご支援くださった方々、SNSで広めてくださった方々、そしてこのページをそっと見守ってくださっている方々のおかげです。本当にありがとうございます。利用くださったみなさまからの、手紙クラウドファンディングのご報告をしながら、今日はもうひとつ、皆さんにお伝えしたいことがあります。本と舍には、ご来館いただいたお客様から、お手紙をいただくことがあります。その中からいくつか、ご紹介させてください。「良い本と出会いました。ありがとうございます」「今日は温泉街の朝、夕暮れ、湯治の旅でした。縁側に座り、うめの木に1つ梅実があるのを眺め、季節を感じていました。この本、“誰か”——久しぶりにゆっくりと宿で読ませて頂きました。ありがとうございます」そしてもう一通。本を持って旅をされている方から、こんな言葉をいただきました。「いつも本を持って旅しています。読み終えたものを置いておきます。この場所があると知ったので、次に来るときは長逗留したいです」読むたびに、この場所が旅の記憶の一部になっているのだということを感じます。縁側に腰を下ろして、梅の木を眺めながら本を開いた時間。宿に持ち帰って、夜ゆっくりと読み続けた時間。次の旅の口実になっている、この場所のこと。本と人のめぐりあいは、こんな形でも続いているのだと、手紙を手にするたびに思います。屋根の修繕は、そのためにあります雨漏りが続くこの建物の屋根を直すことは、こうした時間を守ることでもあります。旅人が縁側に腰を下ろせる場所を、次の旅を心待ちにする場所を、これからも続けていくための工事です。残り38日。引き続き、どうかよろしくお願いします。西田優花 もっと見る

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