
「アラスカの原野には、たくさんの原油が眠っていて、それを掘り出せば、あと数十年は人類は今と同じ水準の生活ができる」
星野道夫さんの本によれば、アラスカの原油を掘り出したい人達はそう言ったそうです。
アラスカには、湿地帯が広がり人が立ち入るのが難しい広大な原野がある。
そこに行こうとすれば、セスナでも使わないと行くことはできない。
人が立ち入れず、ほとんどの人が見ることも行くこともできない土地なんて、勿体無いじゃないか。
原油を掘り当てて使ってあげた方がよっぽど利用価値がある。
そんな風に、原油推進派の人達は言うのです。
だけど、ここで考えてみなければならないのは
「本当に全ての土地を人が利用しなければならないのか?」
「人が利用しない自然があっても良いじゃないか」
「人が立ち入れず、見ることも行くこともできない土地がある、そのことが自然に奥行きを与え、そのことが人の心を豊かにする」
まさしく自然とはそういうものかもしれない。
星野道夫さんの本にはそんなエピソードが書かれています。
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北極海の原油を運ぶ、アラスカパイプラインを見て来ました。
今回の旅のメインの目的でもあります。
アラスカパイプラインは、北極海から南のバルディーズ港まで原油を運ぶ、世界で二番目に長い人工建造物と言われます。
大陸を縦断し、山脈を三つこえて、長いパイプがどこまでも続いています。
この巨大な人工建造物のおかげで、アメリカの原油の使用量の約3.7パーセント近くをアラスカが補っています。
アラスカは、野生動物最後の聖地と言われているのに、そのアラスカが守られるためには、原油が必要なのです。
そして、原油を掘り出し使うことによって、野生動物最後の聖地は、温暖化にどんどん脅かされている。
「野生動物最後の聖地を守るために、原油が必要なんだ」
ここに、人間社会の明確なおかしさがある。




