『なぎのえき』癒しと郷愁の物語

孤独に戦い、感情を麻痺させている人へ。 「立派な大人」を演じ続けるのはもう終わりにしませんか。 そこは夕暮れの無人駅。佐賀県唐津市を舞台にした写真とオーディオドラマによる没入型アートです。都会のスピードに疲弊した大人が、いつでも日常から「途中下車」できる癒しのツールをお届けします。

現在の支援総額

48,000

1%

目標金額は2,500,000円

支援者数

8

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2026/06/23に募集を開始し、 8人の支援により 48,000円の資金を集め、 2026/07/31に募集を終了しました

『なぎのえき』癒しと郷愁の物語

現在の支援総額

48,000

1%達成

終了

目標金額2,500,000

支援者数8

このプロジェクトは、2026/06/23に募集を開始し、 8人の支援により 48,000円の資金を集め、 2026/07/31に募集を終了しました

孤独に戦い、感情を麻痺させている人へ。 「立派な大人」を演じ続けるのはもう終わりにしませんか。 そこは夕暮れの無人駅。佐賀県唐津市を舞台にした写真とオーディオドラマによる没入型アートです。都会のスピードに疲弊した大人が、いつでも日常から「途中下車」できる癒しのツールをお届けします。

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亡くした恋 の付いた活動報告

スマートフォンの画面を眺めていると、時折、「どなたかが亡くなりました」という言葉を目にすることがありますよね。それが本当のお別れであるなら、ただ静かに手を合わせたい気持ちになるのですが、人の目を引くための嘘であったり、数字を集めるためだけに使われていたりすると、どうしても心が痛んでしまいます。たとえ本当のことであっても、誰かの逝去を消費するような見せ方には、少しばかり寂しさを感じてしまうのです。私が書かせていただいている『なぎのえき』という作品も、事故で亡くなってしまった恋人の幻と再会するという物語です。もしかすると、これも一種の「悲しいお話」として消費されてしまうのではないかと思われるかもしれません。でも、私が本当にお伝えしたいのは、「亡くなってしまうこと」そのものではなく、その先に続く「残された者たちの物語」なのです。実を申しますと、私自身、深すぎる悲しみの中で、何年もの間、とても荒れた生活を送ってしまった時期がございました。現実を直視するのが怖くて、仕事や他の何かにすがりつくように依存してしまったのです。前に進む気力も失い、ただ自分を傷つけるように過ごした日々のツケは、今、糖尿病や肝臓の疾患といった形で、自分の身体で払うことになってしまいました。そうした自分自身の不器用な経験があるからこそ、どうか皆様には、深い悲しみを抱えた人たちがどのように生きていき、そしてその遥か先に、どんなふうに「癒やし」が待っているのかを描きたいと願って、このお話を構想いたしました。ただの暇つぶしとして消費されて、すぐに忘れ去られてしまうような作品には、絶対にしたくありませんでした。それは、かつて私のかけがえのない人であった彼女に対する、心からの愛情ゆえなのです。それが、この『なぎのえき』という物語のすべてだと思っています。物語はこの先、とても壮絶な場面へと入ってまいります。私自身、言葉をひとつ紡ぐたびに全身が引き裂かれるような痛みを感じており、執筆の手を止めたくなるほど辛い時もございます。それでも、この痛みをきちんと形にして皆様へお届けする日まで、どうか少しだけ、彼らの歩む道を静かに見守っていただけましたら幸いです。


すべての始まりは、ある古い駅舎を目にしたことだった。色褪せた木造の改札と、どこまでも広がる海。その景色を見た瞬間、僕の奥底に分厚く沈殿していた過去の記憶が、唐突に、そして暴力的に揺り起こされた。 思い返せば、その記憶の大部分はひどく悲しい色をしている。かつて僕は、亡くなった恋人の面影から逃れられず、その幻影に引きずられるようにして、二年以上ものあいだ強い酒の底に溺れていた時期がある。 現実は残酷で、人生のツケは必ず後になって請求書が届くようにできている。当時の泥酔と逃避の代償は、現在の定期的な通院と、決して安くはない高額医療費という形で、僕の日常に重くのしかかり続けている。それは過去から逃げた自分への、現在進行形の罰のようなものだ。しかし、あの古い駅舎で感じたインスピレーションを、どうしても一つの「物語」として形にしなければならないという衝動が、僕を突き動かした。東京で仕事をしていた時期のことだ。 僕は池袋にある大型書店へ向かい、棚にあるラブストーリーの小説を手当たり次第に買い占めた。そして、無機質なビジネスホテルの部屋に戻り、ベッドの上に本の山を築き上げた。空調の低いモーター音だけが響く殺風景な密室で、過去の記憶と目の前の活字を照らし合わせるように、狂ったように他人のラブストーリーを読み漁った。その後、僕は結婚という契約を結び、そして離婚を経験することになる。 誰かと生活を共にし、やがて決定的にすれ違い、離れていく。その一連の過程は、僕の思考の根底に深く、二度と消えない傷跡のような影響を刻み込んだ。永遠などなく、どんなに美しい時間にも必ず終わりが来る。 その冷たい真理を肌で理解したからこそ、書ける言葉があった。喪失、アルコール、病院の領収書、池袋の書店、ビジネスホテルのベッド、そして結婚と離婚。 一見すると無軌道で破綻したそれらのピースのどれか一つが欠けていても、『なぎのえき』という作品は絶対に生まれなかった。この物語は、僕がこれまでの人生で支払ってきた、重くて苦いツケの結晶そのものなのだ。誰もいないアンバーの無人駅で、主人公たちが交わす言葉の端々に、僕が置いてきた過去の残骸が落ちている。 この不器用で傷だらけのラブストーリーが、都会のノイズに疲れ、同じように何かの痛みを抱えて生きる大人たちの心に、少しでも触れることを願っている。


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