
ガイドヘルパーを育てる費用を、みんなで支える仕組みに
9月14日の「風雷トーク」で、理事長の庭野拓人と、「ガイドヘルパーは誰が育てる?」という話をしました。
ガイドヘルパーが足りない。これは、このクラウドファンディングでも繰り返しお伝えしてきたことです。
でも、「足りないなら増やそう」と考えたとき、もう一つの問題が出てきます。
その人を、誰が育てるのか。そして、育てるためのお金を、誰が負担するのか。
今回は、その話です。
◯ 養成研修は、無料ではできない
風雷社中では、ガイドヘルパー養成研修を1回実施するために、会場費、講師謝礼、事務人件費、広報費などを合わせて、おおよそ30万円ほどかかると考えています。
では、その30万円を受講者から集めればいいのか。
単純に考えれば、そういう方法もあります。
実際、民間で実施されている養成研修には、1万5,000円から2万5,000円程度の受講料のものもあります。
でも、風雷社中はそこに少し違和感を持ってきました。
ガイドヘルパーは、それ一本で生活する人だけで成り立つ仕事ではありません。
週に数回だけ送迎をする人。
月に何回か、休日の外出に同行する人。
本業を持ちながら、副業として関わる人。
そんな人たちがたくさんいることで、同じ時間帯に重なる外出や送迎を支えることができます。
だから、「少しやってみようかな」
と思った人が入ってこられる入口を、できるだけ狭くしたくない。
2026年度の受講料を7,500円とし、学生や非課税世帯についてはさらに負担を軽くしているのも、そのためです。
◯ 受講者だけでも、事業所だけでもない
では、受講料だけでは足りない分をどうするのか。
事業所が全部負担するのか。
それも簡単ではありません。
移動支援の報酬は、実際に利用者さんの外出を支えることで支払われます。
そこから求人、研修、講師、会場、事務といった人材育成の費用まで十分に捻出できるかといえば、現実には厳しい。
僕自身は、地域の移動支援を成り立たせるための人材育成なのだから、もっと公的に支えられる仕組みがあってもいいと思っています。
でも、今はそれだけで養成研修を続けられる状況にはなっていません。
だから風雷社中は、2020年からクラウドファンディングという方法を使ってきました。
これまで6回。支援総額は183万5,000円。
支援してくださった方は、延べ266名です。
この数字を改めて見たとき、少し見え方が変わりました。
風雷社中だけで養成研修をやってきたのではない。
「266人で、ガイドヘルパーを育てる仕組みを支えてきた。」
そう考えることもできると思うのです。
◯ 「クラウドファンディングは、お祭りみたいなもの」
配信の中で、庭野さんが面白いことを言いました。
クラウドファンディングは、「お祭りみたいなもの」なんじゃないか、と。
地域のお祭りに行くと、提灯に商店や会社の名前が並んでいることがあります。
いろいろな人や店が少しずつ協賛して、一つのお祭りを支えている。
普段はそれぞれ別の場所にいる人たちが、その時だけ一緒に集まる。
クラウドファンディングにも、少し似たところがあります。
寄付をする人。
投稿をシェアする人。
活動報告を読む人。
誰かに話す人。
直接ガイドヘルパーとして働くことができなくても、この課題に関わる方法はいくつもあります。
そう考えると、クラウドファンディングは単にお金を集める仕組みではありません。
「この課題を一緒に解決する人を増やしていく場所でもある。」
僕はそう思っています。
◯ 今回は、大田区の外にも開いていく
2026年度は、大田区でガイドヘルパー養成研修を3回実施します。
そして今回は、それだけではありません。
これまで風雷社中が研修を実施する中で使ってきたものがあります。
・研修運営のための書類
・講師への依頼文書
・受講者を集めるための広報
・クラウドファンディングなどの資金調達
一つひとつは地味なものです。
でも、初めて研修をやろうとする人にとっては、その一つひとつをゼロから作ることがハードルになります。
だったら、僕らが実際に使ってきたものを整理して、外で使える形にしてみよう。
それが今回制作する、
「ガイドヘルパーから始めよう」スターターキットです。
さらに、ガイドヘルプがどんなものなのかを地域で知ってもらうための写真パネルも制作する予定です。
僕ら自身、いろいろな人に支えてもらいながら、ここまで研修を続けてきました。
だったら、そこで蓄積してきたものも、自分たちの中だけに閉じておかない。
大田区でやってきたことを、次の地域へ渡していく。
今回のクラウドファンディングは、そのための挑戦でもあります。
◯ みんなで支える仕組みに
ガイドヘルパーが足りない。
だから養成研修をする。
でも、研修をするためにはお金がかかる。
その費用を、研修を受ける人だけに負担してもらうのでもない。
実施する事業所だけが抱え込むのでもない。
いろいろな人が、それぞれできる形で関わる。
風雷社中がクラウドファンディングを続けている理由の一つは、そこにあります。
今回の「風雷トーク」では、この話を庭野拓人と中村和利でじっくり話しました。
▼動画 https://youtube.com/live/z9Kh6joReBw
また、風雷社中ホームページには、今回の配信を読みやすく整えた全文文字起こしを掲載しました。
動画ではなく文章で読みたい方や、発言全体を確認したい方はこちらをご覧ください。
▼全文文字起こし
https://fuu-rai.org/guide-helper-training-cost-transcript-2026-09-14-2/
ガイドヘルパーを、誰が育てるのか。
そして、その仕組みを誰が支えるのか。
今回のクラウドファンディングを通じて、一緒に考えていただけたらと思います。
文責 中村和利



