「シャトル織機って、ゆっくり織るんですよね?」今回の三河帯芯シャツについてお話ししていると、よくそんな質問をいただきます。「今の織機と比べて10分の1くらいのスピードです」そう説明することもあるのですが、正直、10分の1と言われても、あまりイメージが湧かないですよね。UZUiRO代表あっちが、もっと分かりやすく今日はお伝えしたいと思います。【15分で、約1メートル。】三河帯芯を織っている昔ながらの織機では、「シャトル」と呼ばれる部品の中に糸を入れ、その糸を行ったり来たりさせながら布を織っていきます。実際に、昭和前期の機械が、現役で生産のメインで動いているのは本当に貴重なんです!ちなみに、シャトルに入れた糸がなくなるまで、およそ15分。その間に織れる布は、約1メートル。糸がなくなれば、また新しい糸に交換します。そしてまた15分。また交換。それを繰り返して、少しずつ布になっていきます。-交換のために準備されたシャトルに入れる糸--交換していく糸を軸に巻きつけている様子-【8時間動いても、約20メートル。】機械だから、スイッチを押したら一日中勝手に織り続けてくれる。そんなイメージとは、少し違います。工場には何十台もの織機が並んでいて、「あっちの糸がなくなった」「今度はこっちだ」と、職人さんが織機の間を動き回りながら、糸を交換していきます。-職人さんの様子-【60台もの織機の中から糸がなくなった一台をすぐに見つける職人技。】しかも、それが約15分ごとに起こります。そうやって8時間動かしても、1台で織れるのは1日約20メートルです。今回の三河帯芯ベーシックシャツには、1着あたり約8メートルの生地を使います。1日20メートル織れてもシャツにすると、たったの2着分。週5日動かして約100メートル。それでも、シャツにすると約12着分です。もし100着つくろうと思ったら、必要な生地は約800メートル。1台の織機だけで織るなら、約40稼働日。ほぼ2か月。「ゆっくり織る」という言葉の意味が、少し伝わったでしょうか。【速くつくれないことは、弱点なのか。】今の時代なら、もっと速く、もっと大量につくれる織機があります。だから、「効率が悪い」と言ってしまえば、確かにそうなのかもしれません。でも、この速度だからこそ生まれる風合いや、長く受け継がれてきた布でもあります。100年以上、着物の帯の中で人知れず使われてきた三河帯芯。今回UZUiROでは、その布をシャツに仕立てていますが大量につくれる服ではありません。もし今回のクラウドファンディングで想像以上にたくさんの方に選んでいただけたら、「すぐにはつくれません」という、嬉しい悲鳴が出るかもしれません。でも、それも含めて、この布の背景なのだと思っています。機械が速くなった時代に、15分かけて、約1メートル。一日かけて、約20メートル。そんな速度で、西尾市内の工場では今日も布が織られています。




