【M7.1 熊本地震】緊急支援を開始。被災地へご支援を

キャンプファイヤー 寄付型のバッヂ

熊本地震発生を受け、緊急支援活動を実施します。2026年7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする地震があり、熊本県の宇城市と氷川町で震度7の揺れを観測しました。ピースウィンズは、緊急支援を開始します。皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

現在の支援総額

3,080,312

102%

目標金額は3,000,000円

支援者数

473

募集終了まで残り

18

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3,080,312

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あと 18

目標金額3,000,000

支援者数473

熊本地震発生を受け、緊急支援活動を実施します。2026年7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする地震があり、熊本県の宇城市と氷川町で震度7の揺れを観測しました。ピースウィンズは、緊急支援を開始します。皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。

令和8年熊本地震の発災から約1ヵ月が経過しました。被災地では、日常生活に欠かせない電気や水道の復旧などのインフラ復旧が進む一方、現地では新たな課題が浮かび上がっています。様々な事情を抱える方々のために、安心して過ごせる避難所へと改善を進める今回の災害で現場を悩ませた大きな要因の一つが「連日の猛暑」です。ときには40度近くに達する酷暑の中で被災地では大規模な停電が発生していました。そのため発災直後は、熱中症対策の重要な命綱ともいえるエアコンが避難所でも使えない状況だったため、被災された方の中には「避難所に移動しても過酷さが変わらないなら、自宅で過ごす」という方が多くいました。そんななか電力会社や行政の迅速な対応により、発災から3日後の7月31日には電気は概ね復旧。氷川町内の一部の避難所は、エアコンが完備された小学校の「教室」が避難スペースとして運用されてきました。酷暑の中の避難生活に必要不可欠な「エアコン」がある環境の確保が進められた一方で、夏休みが開ける9月1日の学校再開までには、教室としての本来の目的である「児童の学習空間」としての機能に戻す必要がありました。そのため、町内の2つの中学校の体育館を避難所として整備し、2つの小学校と1つの中学校の教室に避難していた方々に移動していただくことになりました。移動先となった体育館内では、エアコンの増設工事やパーテーション、段ボールベッドの設置といった、避難所の移動の準備が進められてきました。避難場所移動の当日、避難者の方々の受け入れ先である中学校の体育館にて。体調不良者を早期に発見できるよう、全国から駆け付けた医療従事者の全体の動きなどをコーディネーションするARROWS坂本看護師ARROWSは熊本県とともにその移動準備を行い、体育館内の一人ひとりのプライベートに配慮した空間のレイアウト整備をはじめ、避難者数に対して大幅に不足していたトイレの増設調整のサポートなど全体的な調整を実施。そして迎えた移動開始日の当日である8月26日には、避難者の方々の体調不良や困りごとなどにいち早く対応するため、朝から移動を始める方々の健康チェック実施。そして、移動先の体育館には、全国各地から避難所支援活動に入っている他団体の医療支援チームの皆さんを体育館内全体に配置し、移動してきた避難者の方々のサポートを実施しました。教室から移動してきた避難者の方のプライベートスペースの配置を一人ひとりに併せて調整する、ARROWS山﨑看護師これまでプライバシーの確保が難しかった避難所を懸念し車中泊をしていた方からも、「ここなら避難したい」と避難所へ移動する動きも出始めています。本管通水による断水解消宣言。被災地の状況は?また、猛暑での被災で一層重要視されたのが、「水」です。国土交通省によると、今回の災害によって熊本県八代市・宇城市・甲佐町・氷川町で最大約108,000戸の断水が発生し、8月28日にすべての断水が解消されたと発表されました。今後も不具合の対応など、本復旧に向けて取り組みは続けられるといいます。しかし、この断水解消は本管通水完了を指しています。つまり、各家庭の宅内配管の手前までの水道本管までの対応であり、すべての各家庭の蛇口から水が出るようになるまでには、各家庭ごとの復旧工事が必要になるため、「水」の支援は引き続き必要不可欠な状況です。お風呂利用開始前に清掃作業を行う田邊レスキュー隊員。「僕ができることなら、何でもやる」氷川町に私たちが設置したお風呂を利用してくれている被災者の方にお話しを聞くと、水道の本格復旧を心待ちにされている切実な声が聞かれました。「自宅の水道からは濁った水が出てくるから、まだ自宅での料理も何も難しいです。工事業者に予約の電話を入れたら、予約がいっぱいでいつ来れるか分からないとのことでした。この暑さもあって疲れがたまってきているけれど、お風呂を利用して、少しでも快適に過ごしていきたい。」ライフラインの本格的な復旧には長期化が見込まれ、体調の悪化が懸念されています。ARROWSは引き続き、被災された方々のそれぞれの生活に寄り添い、命を守るために、お風呂の支援を含め、氷川町内にある避難所も運営していきます。重要な課題 「声を上げられない人びと」への支援発災直後、行政や企業、私たち民間支援団体などあらゆる機関の連携により、支援物資の供給や避難所のTKB(トイレ・キッチン・ベッド)の整備など、初期対応における避難環境の質の向上が図られました。それでもなお、根強く課題として残るのが「声を上げられない人びと」へのアプローチだと、現地で活動を続けている橋本ピースウィンズ・ジャパン国内事業部次長は話します。例えば、高齢者、障害を持つ方や病気療養中の方など、物理的に移動が困難な人びとへの支援。そして、認知症の独居高齢者や子育て世代など、周囲への遠慮から避難所に入らず車中泊や在宅避難を選ぶ方々がいます。また、日中は働いているため、昼間に行われる物資配布や炊き出し支援に、アクセスできない人もいます。被災された方にお話を聞くと「日中働いて夜帰宅すると、すでにお店が閉まっていたり売り切れている状況です。そのため、子どもに満足な食事を与えられていません。」という切実な声も上がっており、住民一人ひとりの生活に合わせた、きめ細やかな支援が急務となっています。また、今後の避難生活の流れでは、順次、避難所から仮設住宅への移動が予定されています。仮設住宅での生活には、災害救助法での対象外となっている「生活家電(冷蔵庫、洗濯機)」の確保も大きな壁となります。私たちはそこへの生活家電の支援をはじめ、住まいを失った人たちが次のステップへ踏み出すために、罹災証明の手続き・義援金の申請など、生活再建に必要な複雑な手続きにも寄り添う「伴走型支援(災害ケースマネジメントなど)」にも取り組んでいきます。現地の課題や私たちの今後の取り組みを踏まえ、橋本は、全国の皆さんへ次のようなメッセージを寄せました。「全国の皆さんには、どうか風化させないでほしいと願っています。時間が経ちニュースが減っても、今を懸命に耐える”被災地”があることをどうか覚えていてほしいのです。また、物資の直接輸送は混乱を招くため控え、生活再建に向けた義援金・支援金の寄付や、適切なタイミングでのボランティア参加など、ご自身ができるかたちでの応援をぜひご検討いただきたいと思っています。」


避難生活を送る95歳の女性の健康状態を確認する新谷看護師(2026年8月9日、熊本県八代市にて、写真=千葉康由)熊本県は、地震の被害状況について、人的被害は393名(39名が死亡)、住家被害は20,894棟にのぼり、そのうち全壊は1,283棟、大規模半壊と半壊は合わせて1,172棟、一部破損は11,074棟が確認され、まだ17,365棟は分類未確定と発表(8月14日時点)。11市町の80ヵ所で開設されている避難所には3,205人が避難生活を続けており、発災から2週間以上が経っても約26,450戸が未だ断水状態だと報告しています。一方、全体の被災者の数に対して避難所にいる避難者が圧倒的に少ないことからも推測できるように、在宅避難者が多いことが明らかになっています。こうした状況で懸念されるのが、在宅避難者への支援です。これまで空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の支援チームは、7月29日に現地入りして以降、誰ひとり取りこぼしがない支援を目指し、特に要配慮者の在宅避難者に支援物資を届ける仕組みづくりに取り組んできました。在宅避難者への支援の課題かつて球磨川氾濫時、ARROWSに助けられたという男性と話す新谷看護師とロスターの山口診療看護師、木下看護師(2026年8月9日、熊本県八代市にて、写真=千葉康由)国や行政が管轄する支援物資の多くは、基本的に市町村が指定した避難所に配付されます。届けられた物資は避難所内の避難者が優先され、トイレやシャワーなども避難所の敷地内に設置されるのが一般的です。こうした大きな支援のなかで、取りこぼしが起きやすいのが在宅避難者への支援です。在宅避難者も、倒壊は免れ家の中で暮らせる空間は確保できたとしても、断水で飲料水も生活用水がなく、避難所で避難している方々と同じように支援を必要としています。周辺のスーパーは閉店していたり、営業していたとしても特に食料品などは品薄状態が続き、電気やガスが使えても水が出ないため料理もできないことから、市にはある家族の母親から「子どもの食事をちゃんと用意できず、悩んでいる」という切実な声も寄せられたといいます。避難所によっては分け隔てなく、在宅避難者にも支援物資を提供しているところもあります。避難所や給水場まで行ける方は配付された支援物資を確保できますが、なかには避難所まで行けない在宅避難者も多く存在します。こうした“見えない在宅避難者”に、どのように支援を届ければいいのか。その中でも今回の支援で特にARROWSがケアしたのが要配慮者への支援です。「特に高齢者の多い地方の市町村では、もともと地域の要配慮者へのサポートやケアを行なっているさまざまな事業所があります。しかし、災害が起きると、その事業を運営するスタッフも被災し、自分たちのことで手一杯にもかかわらず、援助が必要な方々をケアしなければなりません。スタッフのなかには、避難所で生活したり、車中泊をしながら通勤されている方もいて、事業所を訪問したときにお話をお伺いしたところ、人手不足で逼迫している状況は明らかでした。もしも各事業所が機能しなくなったら、その先にいる在宅避難者の方々へ支援は届かなくなります。そこで私たちが考えたのが、こうした地域の要配慮者の方々の健康を守っている訪問看護や訪問介護、居宅介護支援事業所が機能不全に陥らないように、支援者を支援する仕組みづくりです」(空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”新谷看護師)在宅避難者に継続的に支援を届ける“支援者支援”のカタチ避難生活を送る男性の健康状態をエコーで確認する山口診療看護師と木下看護師(2026年8月9日、熊本県八代市にて、写真=千葉康由)要配慮者の多くは避難所まで物資を取りに行くことは難しく、その配付は訪問看護や介護、居宅介護支援事業所の方々が担うしかありません。命を預かる事業所としては、自分たちが被災したからといって放置するわけにはいかず、訪問看護師らは通常のケア業務に加え、支援物資が集まる避難所や給水場に出向いて食料や水、生活に必要な物資を集め、利用者宅へ届けるという二重、三重の労力が発生している状況でした。西濃運輸の協力のもと、熊本支店の倉庫の一画に支援物資を集約。配送も連携し、ここから各事業所に支援物資が配送されていく(2026年8月9日、熊本県熊本市にて、写真=千葉康由)ARROWSは、医療だけでなく、避難所支援や物資支援、さらに物資配送のロジスティクスまでの機能を有し、被災者への支援を、“点”ではなく、さまざまな支援を複合的に組み合わせて“面”で支える体制が構築できます。熊本地震の支援では、必要な物資の注文を各事業者から受け、ARROWSが管理している倉庫から物資を各事業所に配送する仕組みを構築。連絡ひとつで翌日には物資が届くため、事業所のスタッフや訪問看護師らは避難所や給水所に赴き物資を集める必要はなくなり、支援者側の負担を軽減すると同時に、在宅避難する要配慮者にとっても必要なときに必要な物資が継続的に届けられるようなスキームを確立しました。在宅避難者へのサポートは、行政だけでなく、ほかの支援団体とも情報共有を行いながら支援体制は構築されていく。こうした細かな調整会議は、取りこぼしをなくし、より効率的な支援へとつながっていくARROWSが、常々大切にしているのは、誰ひとり取りこぼしがない支援。今回は、真夏に断水という厳しい状況下で、在宅避難者、その中でも喫緊の問題として要配慮者へのサポートが滞ってしまっているという課題があがりました。この問題の根本には、支援者も被災者で、公益を担う事業所が逼迫してしまうという社会的構造の問題があります。行政がカバーしなければいけない避難所などへの大きな支援の一方で、こうしたなかなか行政の手がまわらない事業所に手を差し伸べることは民間の私たちだからこそできる支援だと、今回の仕組みづくりを主導した新谷看護師はいいます。「今回の支援のカタチはARROWSにとっても初めての試みでしたが、支援者を支援することが結果的により多くの在宅避難者へ支援を届けられることにもつながり、大きな意義を持つ支援のカタチができたのではないかと思っています」(ARROWS新谷看護師)平時の地域医療が災害支援に活かされる支援団体とのミーティングに参加する空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”スタッフ(2026年8月7日、熊本県宇城市小川防災拠点センターにて、写真=千葉康由)これまで在宅避難者への支援は、保健師と連携し、地道に戸別訪問での聞き取りで現状やニーズを把握、物資を届けたり必要な支援につなげたりすることで健康を守る支援を行ってきました。今回のスキームは、これまで積み重ねてきた支援の経験と、ARROWSの平時の活動で得た知見をも活かした支援のカタチだといいます。「私たちは、普段、広島県神石高原町で地域診療の活動を通して、地域の人びとの健康を守る一翼を担っています。地域医療でどのようなサービスがあり、どこに・どのような情報があるのか、また地域医療に携わる医療従事者の活動や、どのような人たちを支援しているのかを普段から知っていることから今回の支援の発想は生まれ、この熊本の被災地でも効率的な支援を迅速に実現できたと思っています」在宅要配慮者のサポートを行う事業所への支援を始めてから、有料老人ホーム(※災害時は在宅避難者扱い)などでも同じ問題を抱えていることが判明。当初は、訪問看護・訪問介護・居宅介護支援事業所など訪問型のサービスを提供している事業所を対象としていましたが、同じ課題や悩みを抱えている特別老後老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、小規模多機能グループホーム、デイサービスなど通所型・入所型の施設にまで支援を拡大しました。熊本県の職員と丁寧な聞き取りと情報共有を繰り返し、迅速な支援へとつなげていく(2026年8月7日、熊本県宇城市小川防災拠点センターにて、写真=千葉康由)空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、民間の支援団体としての機動力や初動の速さを強みに、行政と連携しつつ、行政がカバーできない支援のカタチを模索し続けています。私たちが目指すのは、誰ひとり取りこぼしのない支援。引き続きさまざまな課題と向き合いながら、現地にて被災者の支援活動を続けていきます。


8月3日、県内では観測史上初めての酷暑日となる最高気温40.3℃を記録。その後も日中は35℃を超す猛暑日が続き、地震による住宅の損傷や倒壊に断水と熱波の災害が複合的に重なり、避難生活をより厳しいものにしています。災害対策本部によると、発災した7月28日以降、熱中症による搬送件数は一時的に急増し、特に発災直後の7月29日は50名、酷暑日を記録した8月3日は39名が搬送されたと報告されています。この数値は、発災前の7月21日~27日の1日平均19.4名を大きく上まわる数値です。この暑さのなか、一部地域では断水で飲料水だけでなく、炊事、洗濯、トイレ、入浴などで使用する生活用水も確保できない状況で、避難者の生活に大きなストレスとなっているのです。今回導入されたアクアデザインシステム様の災害用シャワー浄水ユニット。循環式でろ過され、お湯の温度も自動的に35~36℃に少しぬるめに設定・維持されている。右は同社代表の武田良輔氏こうした事態を受け、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、すぐに高知県に本拠を置く災害用浄水装置を開発するアクアデザインシステム株式会社に連絡。行政とも迅速に連携し、発災後3日目の7月31日には被害の大きかった氷川町内に入浴施設を完成させ、運用を開始しました。「我慢させない」1日でも早く届ける入浴支援の意義ARROWSとアクアデザインシステムが協働して用意したのは、シャワーだけでなく湯舟がある入浴施設。令和6年能登半島地震同様、今回の熊本地震の支援でも避難所支援を中心に現地で尽力する橋本笙子は、被災地における入浴支援の意義について次のように説明します。一日でも早い入浴支援を目指し、迅速に行政とも連携。発災後4日目に開設する素早い支援が実現した「災害地における入浴支援には、大きくふたつの目的があります。ひとつは、体を洗い清潔に保つことから皮膚疾患などの予防にもつながり、衛生面から健康を守るという目的。もうひとつは、心の、精神的な支えです。被災者の方々は、厳しい避難生活を続けながら家の片づけをはじめ、生活再建に向けたさまざまな準備をしなければなりません。この暑さのなか、シャワーも浴びることができず疲労と苛立ちが募るばかりですが、そのなかで体の汗を流すだけでなく、時には湯舟につかって、疲れた脚を伸ばして、ほんの少しでもほっとする時間をつくり、明日を迎える元気を提供できればと考えています」テント内には、脱衣所、個室テントと10人が同時に入れる湯舟が用意されている『氷川の湯』と名付けられた入浴施設には、毎日通う人、3日一度お風呂に入りに来る人、1週間ぶりに汗を流しに来たという人、ご家族みんなでお風呂に入りに来た人、また「おばあちゃんが湯舟につかりたい」といってそのささやかな希望を叶えるために来た人、それぞれに悩みや不安を抱える被災者の方々がやってきます。この場で久しぶりに会えたという被災者も多く、氷川の湯はひと時の談笑を楽しむ、憩いの場にもなっているようです。多くの方は疲れた表情でやってきますが、シャワーをあびて湯舟につかり、お風呂から出てくると、明らかに表情は変わっています。そのどこかほっとした、すっきりした顔をみることが、なにより嬉しいと橋本はいいます。「災害があったから何でもかんでも我慢しなければいけないのではなく、人としての尊厳が守られた生活を、どんな状況であっても、一日でも早く取り戻すことが支援では大切だと思います。そういう意味では、今回発災から3日目で入浴の運用を開始できたことは、ARROWSにとっても意義のある支援ができたと思います」洗濯もままならないなか、すっきりした後に新しい下着を提供するために、株式会社ファーストリテイリング様と連携。お風呂施設の横に支援物資としてユニクロの衣類も用意したARROWSのこれまでの災害支援のなかでも、入浴支援は初めての試みになります。アクアデザインシステムとは、訓練等で連携を強化し、能登半島地震でも協働して給水支援を実現してきた実績が今回の支援につながりました。より多くのすべての被災者を受け入れ、細かな要望にも応える入浴施設へ8月8日に入浴施設を増設。9日からの運用では男湯、女湯が別々になり、より多くの方が時間を気にせず入浴できるようになった入浴施設は地区を限定せず、また在宅避難の方も含めてすべての被災者を受け入れていることもあり、開設当初は、特に夕方から夜にかけた時間帯はお断りしなければならないほど多くの方が訪れました。ひとつのお風呂場しかなく、2時間おきに男性風呂・女性風呂と交代制で運営していましたが、ひとりでも多くの方に入浴してもらうために、8月8日には入浴設備を増設。9日からは男湯、女湯が別々となり、時間で区切られることなく、より多くの方を同時に迎えられるようになりました。「小学校の男の子と一緒に入ることはできないか」というある母親の切実な要望をきっかけに、要介護者や親子で入れる個室の多目的シャワーブースも設置さらに、要介護者も安心してシャワーを浴びたり、小学生のお子様と一緒にシャワーを浴びたいという親子のために、個室の多目的シャワーブースも用意するなど、細かな要望にもできるだけ応えられるように工夫を重ね、少しずつ設備を拡充・改善しています。猛暑のなか支援者側にとっても過酷な入浴支援の現場には、日本体育大学との民学連携で同大学の学生や教員も支援に協力してもらい運用している15の自治体の調査によると、発災後、最大約108,100 戸が断水。復旧工事は急ピッチで進められ、少しずつ解消されてはいますが、被害の大きい宇城市、八代市、氷川町では、2週間以上が経った現在も多くの家で断水状態であることが確認されています。県の発表では、8月末を目途に全域での通水が見込まれているとされています。しかしこの通水は、あくまで上水道の復旧で、そこからはじめて各住宅への宅内配管が損傷されているかがわかるようになります。もしも破損などがあった場合、蛇口をひねっても水が出ることはなく修理が必要となり、各家庭での断水はさらに続くことが予想されています。在宅避難者に支援は届いているのか写真=千葉康由また、入浴支援を通して浮き彫りになってきたのが、訪問者の多くは避難所ではなく、在宅避難者であることです。発災後の7月30日には28の市町で開設された406ヵ所の避難所に9,450人の方が避難。その数は少しずつ減少し、発災後1週間経った8月4日には146ヵ所に7,646人、さらに1週間後の11日には89の避難所に3,714人が避難生活を続けています。しかし、熊本県は3市1町に対し103,922世帯219,027人に避難指示を発令していることからも、多くの方が在宅避難されていることがわかっています。在宅避難者に支援は届いているのか。物資や情報等も含め、公的な大きな支援は避難所に集約される一方、在宅避難者への支援はこれまでの災害支援においても課題のひとつとされています。誰ひとり取りこぼさない支援を実現するためには、どうすればいいのか。次回のレポートでは、今回、ARROWSが取り組んでいる、在宅避難者に物資を届ける新しい支援の仕組みづくりをご紹介します。


熊本県八代市の八代城跡に鎮座する神社、八代宮。禰宜の竹原正崇さんは、7月28日発災時のことについて、崩壊した拝殿を見つめながら静かに語ってくれました。「一瞬頭がくらっとして、最初は熱中症にかかったのかと思いましたが、でもすぐに地震だとわかり、拝殿を見たらゆっくりと、左右に大きく揺れていました。そしてまるでスローモーションを見ているかのように、ゆっくり崩れていった。ただただ、ぼう然と見守るしかありませんでした。その光景は今でも鮮明によみがえってきます。起きてしまったことは仕方がないと、少しずつ、時間をかけて再建していこうと思っています」八代宮に向かう橋を渡ると石碑が散乱し、門を通ると崩壊した拝殿が目に飛び込んできます。「みなさんに記録として、記憶として覚えていてほしい」その思いから、安全を確保しながら境内を開放し、参拝者も訪れるといいます。こうした所々で震災の爪痕が残る熊本では、猛暑のなか広い範囲にわたって未だに断水が続き、被災者は過酷な避難生活を強いられています。すばやく、迅速に避難者に支援を届ける八代宮から歩いて数分のところに、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”が支援する避難所「代養コミュニケーションセンター」があり、7日時点でおよそ100名の被災者が避難生活を続けています。ARROWSは、発災後1日目の29日から同避難所にて臨時診療所を開設。同時に、避難者の健康を守るために、避難所の環境改善に取り組みました。ひとつは、居住スペースの改善。当初、避難所には敷居やベッドはなく、床の上に段ボールや毛布を敷いて寝ていました。また、入口に特に受付などは設けられず、不特定多数の人が出入できるため、管内に誰がいて、どこに寝ているのかもわからない状態でした。ARROWSは、協力企業と連携し、至急、パーテーション(テント)や段ボールベッドとマットレスを手配。8月1日には段ボールベッドを届け、同時に市の職員や避難所の運営者とともに、各避難者が最低限のプライバシーを確保でき、また誰が・どこにいるのかがすぐ分かるように部屋のレイアウトと管理を提案するなど、運営者が避難所の健康と安全を守れるような仕組み作りをサポートしました。家族以外の他人同士が同じ空間で共同生活する以上、人によっては他人の話し声や生活習慣が気になり、なによりプライバシーがないことは、大きなストレスになります。避難所のなかでもパーテーションで区切られた空間は、人目から生活を隠す、ささやかな安心につながります。また、受付で出入の管理を行い、避難者を正確に把握することは避難所の安全を守る施策にもなります。精神的な安心は、長引く避難生活では大切な要素です。一人ひとりの避難者の目線にたち、不安やストレスを少しでも早くなくすために素早く必要な物資を調達し、環境改善は一気に進めていきました。被災者の“自立”を支える支援住居スペースの改善とともに、ARROWSが避難所の環境改善で特に力を入れているのが、トイレの衛生問題です。能登半島地震同様、広い範囲で断水が発生し、10日が経った現在も修復される目途が経っていないと言われています。そのため多くの避難所ではトイレカーが開設されるほか、施設内のトイレは凝固剤を使う非常用トイレが用意されています。問題なのはその使用方法がわからず、トイレが不衛生になっていくことです。断水でトイレで汚物を流せないため、非常用トイレが使用されています。凝固剤を使って固めてから捨てないといけないのですが、どう使っていいのかわからないという方がほとんどで、時には汚物がそのまま残されていたこともあったといいます。まずは、トイレを徹底的に掃除。そして継続的にきれいに使ってもらえるように使い方がわかる案内を作成し設置しました。こうした地道な衛生環境の改善は、感染予防対策でもあり、避難者の健康を守ることにもつながります。その上でARROWSがこれまでの災害支援を通して大切にしているのが、避難者、利用者の方々が自立して運営できる体制づくりです。「水が流せないので自分たちで処理をしなければならず、清潔な状態を保つには利用者のみなさんの意識も大切です。私たちもいつかは離れなければなりません。そのためお手伝いできる方を募ったら『私手伝うわよ』という方が集まってきてくれて、自然と避難者の方がトイレを清潔に保とうと、朝掃除をしてくれたりする動きが避難所内で生まれてきています。これからは当番制にするのか、調整中ですが、避難所が自立し、自発的に運営したり改善したりできるような仕組みを、少しずつ整えていきたいと思います」(ARROWSロスター:藤村泰史)避難者の健康と生活を支える。緊急のフェーズから少しずつ支援は中長期に向けた支援へと切り替わっていきます。7日の時点で避難者数は6,651人。座っているだけで汗が吹き出てくるような猛暑にもかかわらず、約36,730戸が断水しています。被災者にとって何が健康と尊厳を守る支援となるのか。ARROWSはこれまで培ってきた経験と知識だけでなく、産官学民のネットワークも最大限に活用し、一秒でも早く支援を届ける活動に従事していきます。


2026年7月28日に発生した熊本県での地震を受け、空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"の緊急支援チームは直ちに現地へ入り、現在も被災された方々の支援を続けています。 連日の酷暑の中で一部地域では断水が続いており、洗濯もできず着替えすらままならない厳しい状況が続いています。こうした状況を受け、株式会社ファーストリテイリング様からの物資のご提供のもと、有事の際の輸送体制を構築している輸送会社と連携し、エアリズム商品などを被災者の方々へお届けしました。 「家族全員分が揃って本当に助かった」——新しい服を受け取った方々からは、安堵の表情と感謝の声が寄せられています。 ▼YouTube動画はこちら


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