避難生活を送る95歳の女性の健康状態を確認する新谷看護師(2026年8月9日、熊本県八代市にて、写真=千葉康由)熊本県は、地震の被害状況について、人的被害は393名(39名が死亡)、住家被害は20,894棟にのぼり、そのうち全壊は1,283棟、大規模半壊と半壊は合わせて1,172棟、一部破損は11,074棟が確認され、まだ17,365棟は分類未確定と発表(8月14日時点)。11市町の80ヵ所で開設されている避難所には3,205人が避難生活を続けており、発災から2週間以上が経っても約26,450戸が未だ断水状態だと報告しています。一方、全体の被災者の数に対して避難所にいる避難者が圧倒的に少ないことからも推測できるように、在宅避難者が多いことが明らかになっています。こうした状況で懸念されるのが、在宅避難者への支援です。これまで空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の支援チームは、7月29日に現地入りして以降、誰ひとり取りこぼしがない支援を目指し、特に要配慮者の在宅避難者に支援物資を届ける仕組みづくりに取り組んできました。在宅避難者への支援の課題かつて球磨川氾濫時、ARROWSに助けられたという男性と話す新谷看護師とロスターの山口診療看護師、木下看護師(2026年8月9日、熊本県八代市にて、写真=千葉康由)国や行政が管轄する支援物資の多くは、基本的に市町村が指定した避難所に配付されます。届けられた物資は避難所内の避難者が優先され、トイレやシャワーなども避難所の敷地内に設置されるのが一般的です。こうした大きな支援のなかで、取りこぼしが起きやすいのが在宅避難者への支援です。在宅避難者も、倒壊は免れ家の中で暮らせる空間は確保できたとしても、断水で飲料水も生活用水がなく、避難所で避難している方々と同じように支援を必要としています。周辺のスーパーは閉店していたり、営業していたとしても特に食料品などは品薄状態が続き、電気やガスが使えても水が出ないため料理もできないことから、市にはある家族の母親から「子どもの食事をちゃんと用意できず、悩んでいる」という切実な声も寄せられたといいます。避難所によっては分け隔てなく、在宅避難者にも支援物資を提供しているところもあります。避難所や給水場まで行ける方は配付された支援物資を確保できますが、なかには避難所まで行けない在宅避難者も多く存在します。こうした“見えない在宅避難者”に、どのように支援を届ければいいのか。その中でも今回の支援で特にARROWSがケアしたのが要配慮者への支援です。「特に高齢者の多い地方の市町村では、もともと地域の要配慮者へのサポートやケアを行なっているさまざまな事業所があります。しかし、災害が起きると、その事業を運営するスタッフも被災し、自分たちのことで手一杯にもかかわらず、援助が必要な方々をケアしなければなりません。スタッフのなかには、避難所で生活したり、車中泊をしながら通勤されている方もいて、事業所を訪問したときにお話をお伺いしたところ、人手不足で逼迫している状況は明らかでした。もしも各事業所が機能しなくなったら、その先にいる在宅避難者の方々へ支援は届かなくなります。そこで私たちが考えたのが、こうした地域の要配慮者の方々の健康を守っている訪問看護や訪問介護、居宅介護支援事業所が機能不全に陥らないように、支援者を支援する仕組みづくりです」(空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”新谷看護師)在宅避難者に継続的に支援を届ける“支援者支援”のカタチ避難生活を送る男性の健康状態をエコーで確認する山口診療看護師と木下看護師(2026年8月9日、熊本県八代市にて、写真=千葉康由)要配慮者の多くは避難所まで物資を取りに行くことは難しく、その配付は訪問看護や介護、居宅介護支援事業所の方々が担うしかありません。命を預かる事業所としては、自分たちが被災したからといって放置するわけにはいかず、訪問看護師らは通常のケア業務に加え、支援物資が集まる避難所や給水場に出向いて食料や水、生活に必要な物資を集め、利用者宅へ届けるという二重、三重の労力が発生している状況でした。西濃運輸の協力のもと、熊本支店の倉庫の一画に支援物資を集約。配送も連携し、ここから各事業所に支援物資が配送されていく(2026年8月9日、熊本県熊本市にて、写真=千葉康由)ARROWSは、医療だけでなく、避難所支援や物資支援、さらに物資配送のロジスティクスまでの機能を有し、被災者への支援を、“点”ではなく、さまざまな支援を複合的に組み合わせて“面”で支える体制が構築できます。熊本地震の支援では、必要な物資の注文を各事業者から受け、ARROWSが管理している倉庫から物資を各事業所に配送する仕組みを構築。連絡ひとつで翌日には物資が届くため、事業所のスタッフや訪問看護師らは避難所や給水所に赴き物資を集める必要はなくなり、支援者側の負担を軽減すると同時に、在宅避難する要配慮者にとっても必要なときに必要な物資が継続的に届けられるようなスキームを確立しました。在宅避難者へのサポートは、行政だけでなく、ほかの支援団体とも情報共有を行いながら支援体制は構築されていく。こうした細かな調整会議は、取りこぼしをなくし、より効率的な支援へとつながっていくARROWSが、常々大切にしているのは、誰ひとり取りこぼしがない支援。今回は、真夏に断水という厳しい状況下で、在宅避難者、その中でも喫緊の問題として要配慮者へのサポートが滞ってしまっているという課題があがりました。この問題の根本には、支援者も被災者で、公益を担う事業所が逼迫してしまうという社会的構造の問題があります。行政がカバーしなければいけない避難所などへの大きな支援の一方で、こうしたなかなか行政の手がまわらない事業所に手を差し伸べることは民間の私たちだからこそできる支援だと、今回の仕組みづくりを主導した新谷看護師はいいます。「今回の支援のカタチはARROWSにとっても初めての試みでしたが、支援者を支援することが結果的により多くの在宅避難者へ支援を届けられることにもつながり、大きな意義を持つ支援のカタチができたのではないかと思っています」(ARROWS新谷看護師)平時の地域医療が災害支援に活かされる支援団体とのミーティングに参加する空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”スタッフ(2026年8月7日、熊本県宇城市小川防災拠点センターにて、写真=千葉康由)これまで在宅避難者への支援は、保健師と連携し、地道に戸別訪問での聞き取りで現状やニーズを把握、物資を届けたり必要な支援につなげたりすることで健康を守る支援を行ってきました。今回のスキームは、これまで積み重ねてきた支援の経験と、ARROWSの平時の活動で得た知見をも活かした支援のカタチだといいます。「私たちは、普段、広島県神石高原町で地域診療の活動を通して、地域の人びとの健康を守る一翼を担っています。地域医療でどのようなサービスがあり、どこに・どのような情報があるのか、また地域医療に携わる医療従事者の活動や、どのような人たちを支援しているのかを普段から知っていることから今回の支援の発想は生まれ、この熊本の被災地でも効率的な支援を迅速に実現できたと思っています」在宅要配慮者のサポートを行う事業所への支援を始めてから、有料老人ホーム(※災害時は在宅避難者扱い)などでも同じ問題を抱えていることが判明。当初は、訪問看護・訪問介護・居宅介護支援事業所など訪問型のサービスを提供している事業所を対象としていましたが、同じ課題や悩みを抱えている特別老後老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、小規模多機能グループホーム、デイサービスなど通所型・入所型の施設にまで支援を拡大しました。熊本県の職員と丁寧な聞き取りと情報共有を繰り返し、迅速な支援へとつなげていく(2026年8月7日、熊本県宇城市小川防災拠点センターにて、写真=千葉康由)空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、民間の支援団体としての機動力や初動の速さを強みに、行政と連携しつつ、行政がカバーできない支援のカタチを模索し続けています。私たちが目指すのは、誰ひとり取りこぼしのない支援。引き続きさまざまな課題と向き合いながら、現地にて被災者の支援活動を続けていきます。
空飛ぶ捜索医療団"ARROWS" の付いた活動報告
8月3日、県内では観測史上初めての酷暑日となる最高気温40.3℃を記録。その後も日中は35℃を超す猛暑日が続き、地震による住宅の損傷や倒壊に断水と熱波の災害が複合的に重なり、避難生活をより厳しいものにしています。災害対策本部によると、発災した7月28日以降、熱中症による搬送件数は一時的に急増し、特に発災直後の7月29日は50名、酷暑日を記録した8月3日は39名が搬送されたと報告されています。この数値は、発災前の7月21日~27日の1日平均19.4名を大きく上まわる数値です。この暑さのなか、一部地域では断水で飲料水だけでなく、炊事、洗濯、トイレ、入浴などで使用する生活用水も確保できない状況で、避難者の生活に大きなストレスとなっているのです。今回導入されたアクアデザインシステム様の災害用シャワー浄水ユニット。循環式でろ過され、お湯の温度も自動的に35~36℃に少しぬるめに設定・維持されている。右は同社代表の武田良輔氏こうした事態を受け、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、すぐに高知県に本拠を置く災害用浄水装置を開発するアクアデザインシステム株式会社に連絡。行政とも迅速に連携し、発災後3日目の7月31日には被害の大きかった氷川町内に入浴施設を完成させ、運用を開始しました。「我慢させない」1日でも早く届ける入浴支援の意義ARROWSとアクアデザインシステムが協働して用意したのは、シャワーだけでなく湯舟がある入浴施設。令和6年能登半島地震同様、今回の熊本地震の支援でも避難所支援を中心に現地で尽力する橋本笙子は、被災地における入浴支援の意義について次のように説明します。一日でも早い入浴支援を目指し、迅速に行政とも連携。発災後4日目に開設する素早い支援が実現した「災害地における入浴支援には、大きくふたつの目的があります。ひとつは、体を洗い清潔に保つことから皮膚疾患などの予防にもつながり、衛生面から健康を守るという目的。もうひとつは、心の、精神的な支えです。被災者の方々は、厳しい避難生活を続けながら家の片づけをはじめ、生活再建に向けたさまざまな準備をしなければなりません。この暑さのなか、シャワーも浴びることができず疲労と苛立ちが募るばかりですが、そのなかで体の汗を流すだけでなく、時には湯舟につかって、疲れた脚を伸ばして、ほんの少しでもほっとする時間をつくり、明日を迎える元気を提供できればと考えています」テント内には、脱衣所、個室テントと10人が同時に入れる湯舟が用意されている『氷川の湯』と名付けられた入浴施設には、毎日通う人、3日一度お風呂に入りに来る人、1週間ぶりに汗を流しに来たという人、ご家族みんなでお風呂に入りに来た人、また「おばあちゃんが湯舟につかりたい」といってそのささやかな希望を叶えるために来た人、それぞれに悩みや不安を抱える被災者の方々がやってきます。この場で久しぶりに会えたという被災者も多く、氷川の湯はひと時の談笑を楽しむ、憩いの場にもなっているようです。多くの方は疲れた表情でやってきますが、シャワーをあびて湯舟につかり、お風呂から出てくると、明らかに表情は変わっています。そのどこかほっとした、すっきりした顔をみることが、なにより嬉しいと橋本はいいます。「災害があったから何でもかんでも我慢しなければいけないのではなく、人としての尊厳が守られた生活を、どんな状況であっても、一日でも早く取り戻すことが支援では大切だと思います。そういう意味では、今回発災から3日目で入浴の運用を開始できたことは、ARROWSにとっても意義のある支援ができたと思います」洗濯もままならないなか、すっきりした後に新しい下着を提供するために、株式会社ファーストリテイリング様と連携。お風呂施設の横に支援物資としてユニクロの衣類も用意したARROWSのこれまでの災害支援のなかでも、入浴支援は初めての試みになります。アクアデザインシステムとは、訓練等で連携を強化し、能登半島地震でも協働して給水支援を実現してきた実績が今回の支援につながりました。より多くのすべての被災者を受け入れ、細かな要望にも応える入浴施設へ8月8日に入浴施設を増設。9日からの運用では男湯、女湯が別々になり、より多くの方が時間を気にせず入浴できるようになった入浴施設は地区を限定せず、また在宅避難の方も含めてすべての被災者を受け入れていることもあり、開設当初は、特に夕方から夜にかけた時間帯はお断りしなければならないほど多くの方が訪れました。ひとつのお風呂場しかなく、2時間おきに男性風呂・女性風呂と交代制で運営していましたが、ひとりでも多くの方に入浴してもらうために、8月8日には入浴設備を増設。9日からは男湯、女湯が別々となり、時間で区切られることなく、より多くの方を同時に迎えられるようになりました。「小学校の男の子と一緒に入ることはできないか」というある母親の切実な要望をきっかけに、要介護者や親子で入れる個室の多目的シャワーブースも設置さらに、要介護者も安心してシャワーを浴びたり、小学生のお子様と一緒にシャワーを浴びたいという親子のために、個室の多目的シャワーブースも用意するなど、細かな要望にもできるだけ応えられるように工夫を重ね、少しずつ設備を拡充・改善しています。猛暑のなか支援者側にとっても過酷な入浴支援の現場には、日本体育大学との民学連携で同大学の学生や教員も支援に協力してもらい運用している15の自治体の調査によると、発災後、最大約108,100 戸が断水。復旧工事は急ピッチで進められ、少しずつ解消されてはいますが、被害の大きい宇城市、八代市、氷川町では、2週間以上が経った現在も多くの家で断水状態であることが確認されています。県の発表では、8月末を目途に全域での通水が見込まれているとされています。しかしこの通水は、あくまで上水道の復旧で、そこからはじめて各住宅への宅内配管が損傷されているかがわかるようになります。もしも破損などがあった場合、蛇口をひねっても水が出ることはなく修理が必要となり、各家庭での断水はさらに続くことが予想されています。在宅避難者に支援は届いているのか写真=千葉康由また、入浴支援を通して浮き彫りになってきたのが、訪問者の多くは避難所ではなく、在宅避難者であることです。発災後の7月30日には28の市町で開設された406ヵ所の避難所に9,450人の方が避難。その数は少しずつ減少し、発災後1週間経った8月4日には146ヵ所に7,646人、さらに1週間後の11日には89の避難所に3,714人が避難生活を続けています。しかし、熊本県は3市1町に対し103,922世帯219,027人に避難指示を発令していることからも、多くの方が在宅避難されていることがわかっています。在宅避難者に支援は届いているのか。物資や情報等も含め、公的な大きな支援は避難所に集約される一方、在宅避難者への支援はこれまでの災害支援においても課題のひとつとされています。誰ひとり取りこぼさない支援を実現するためには、どうすればいいのか。次回のレポートでは、今回、ARROWSが取り組んでいる、在宅避難者に物資を届ける新しい支援の仕組みづくりをご紹介します。
2026年7月28日に発生した熊本県での地震を受け、空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"の緊急支援チームは直ちに現地へ入り、現在も被災された方々の支援を続けています。 連日の酷暑の中で一部地域では断水が続いており、洗濯もできず着替えすらままならない厳しい状況が続いています。こうした状況を受け、株式会社ファーストリテイリング様からの物資のご提供のもと、有事の際の輸送体制を構築している輸送会社と連携し、エアリズム商品などを被災者の方々へお届けしました。 「家族全員分が揃って本当に助かった」——新しい服を受け取った方々からは、安堵の表情と感謝の声が寄せられています。 ▼YouTube動画はこちら
「これまで日本の災害の歴史で、“真夏の地震”の事例はほとんどありません。能登地震のときの寒さとはまた異なる、今だからこそ必要な支援と難しさがあります」令和6年能登半島地震で発災直後から現地入りし、2年半以上が経った現在も被災地、珠洲で支援活動を続けている橋本笙子は、熊本地震の状況についてこう表現しました。震度7の揺れによって一部地区ではインフラが破壊され、停電や断水が発生。復旧に時間がかかることも予想され、“暑さ”対策が被災者にも支援者にとっても大きな課題となっています。「水不足による熱中症や、避難所内での感染症、猛暑下での食中毒リスクなど、この夏の時期だからこそ起こりうる、あらゆることを想定して、支援の取りこぼしがないよう丁寧に、スピーディに支援を考えていくことが大切です」7月30日、支援活動開始から2日目。現場の混乱は続き、避難生活の長期化も予想されるなか、猛暑とも闘いながら命をつなぐ支援活動が続けられています。“見えない被災者”に支援を届ける課題今、現地で大きな課題となっているのが“見えない被災者”の存在です。初日の支援活動後、八代市災害対策本部会議に出席し帰路についていたとき、市の職員から連絡が入りました。「ご自宅で具合が悪くなった方から連絡が入ったが、家族の事情でそのまま家の中で暮らしている方が居るので、一緒に訪問してくれないか」市からの緊急の要請に急遽、市職員と保健師に同行しその方の家に向かい診察。断水の上に停電で部屋のクーラーが効かず、比較的涼しい玄関先で過ごしている状況だったといいます。幸い会話することもでき緊急搬送することはなく、「今は病院も少しだけ落ち着き、救急車も呼べる状況に戻っているので、何かあったら我慢せずに些細なことでもすぐに連絡してくださいね」と伝え、家を離れたといいます(翌日から市職員と保健師がケアを継続)。稲葉医師が話を聞いたなかで問題視したのは、「避難所へ避難することを躊躇している」ことだといいます。今回、地震の影響でいくつかの避難所では室内の空調が効かず、また断水でトイレが使えない等、避難所の環境も悪いことから、潜在的に在宅避難されている方が多いことが予想されています。周辺の方に聞いても、エアコンや水のない避難所には行く気になれず、家も同じ状態なので敷地内で車中泊をしているという方がいました。避難所内で医療支援を行っている森田医師はこう話します。「今日から避難所の一画をお借りして診療を始めましたが、地震発生から一度も医療機関を受診されていない打撲やケガされた方が多かったです。 特に高齢の方が多く、病気のお薬が足りない…というご相談をたくさん受けました。しかし、水だったり食事だったり、ベッドだったり、足りないものがたくさんあります。診療もしながら、まずは何が足りないのか、どういったものが必要なのかを確認して、それに必要なものを支援させていただくようにしていきたいと思っています。一方で、ご自宅で避難されている方もたくさんいらっしゃるようなので、今後はそういった外にいらっしゃる方の診察もできたらと思っています」災害関連死を防ぐ――そのためには、迅速に避難所に来てもらう環境を整備し、同時に避難所での臨時診療所だけでなく、出向く医療支援が求められています。「寝ずに目の前の命を守った方々」を支援する2026年7月28日の発災から2日目。患者対応が逼迫しているので助けてほしいとの応援要請を受け、急ぎ熊本総合病院へ。看護師や医師のお話によると、地震の影響で院内のエレベーターは止まり、人手不足などの影響から患者搬送が難航しているとのこと。ピースウィンズのヘリコプターの活用の提案や人員構成の説明をしたのち、帰りがけに病院の副院長から「救急の人手が足りないので、看護師さんに手伝ってもらうことはできませんか」との相談がありました。空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の戸田看護師は、その足で院内の救急救命センターへ。これまでの状況報告を受け、発災直後から現在までの病院が逼迫した状況が伝えられました。救急外来は、発災後も助けが必要な方はすべて受け入れる基本方針のもと、次々と搬送されてくる患者の対応に追われ、文字通り不眠不休で従事。用意したトリアージタグ400枚が一晩明けると無くなっていたほど、外来患者の対応に追われていたといいます。戸田看護師が訪れたときは、まさに束の間の休息のようなタイミングで、待機中の看護師らと少しだけ談笑。疲弊した医師や看護師たちの顔には、わずかばかりの笑みがこぼれました。戸田看護師は、逼迫した状況のなかでも地元の住民の命を必死で守ってきた医療重視者に対する、支援者としての自身の姿勢をこう話しました。「寝ずに目の前の命を守った方々。そこに支援に入った私たちが疲れている姿を見せたくない。むしろ皆さんに何かクスッと笑ってもらえるような、気分が少しでも明るくなれるような話題を話して、空気を変えられたらと思っていました」その数分後、ふたたび次々と患者が搬送されてきました。救急外来は一気に慌ただしくなり、戸田看護師は救急車から降ろされた患者にやさしく声をかけながら、救急隊員らと共にセンター内に運び入れ、症状別にレントゲンなど必要な検査や処置へ引き継ぐと、次々に新たな患者を受け入れるためのサポートを行いました。市の職員も、病院ではたらく医療従事者も、被災した地域の人びとは、みな被災者です。病院は、命を救う地域の必要不可欠な機関。その機能を止めることがないようにサポートすることも、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の大切な支援です。必要な支援を、本当に必要な人に届ける。稲葉医師は、「医療・物資の両面で、できる支援はすべて考えていきたい」といいます。何ができるか、何が必要とされるのか。今後もニーズ調査に基づき、医療支援と並行して避難所等への支援も進めてまいります。
2026年7月28日に発生した熊本県での地震を受け、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の緊急支援チームは直ちに現地へ入り、被災された方々の支援を続けています。連日の酷暑の中で一部地域では断水が続いており、地震発生から一度もお風呂に入れていない被災者の方も。「さっぱりして体を休めたい」という衛生面・精神面でのニーズが高まっています。こうした状況を受け、高知県に本拠を置く「アクアデザインシステム株式会社」と発災直後から連携を取り合い、給水支援の一環として被災地にお風呂を展開いたしました!「一人でも多くの方に笑顔を届けたい」という想いから迅速な決断により実現した今回の取り組み。被災地での設置の様子や被災された方の声などを動画でお伝えしています。ぜひご覧ください!▼YouTube動画はこちら引き続き迅速かつ被災者に寄り添った支援を届けてまいります。皆さまの温かいご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。




