こんにちは。シリアスゲームミュージアム設立準備室の石神です。
今回は、ミュージアムの研究で取り組みたいことに関わるお話です。
シリアスゲームの開発では、先行して発展しているエンタメボードゲームから、ゲームメカニクス(ゲームの仕組み)を援用することが、すでに当たり前に行われています。
ただ、援用されているメカニクスは古いものが多い、というのが正直な実感です。昔遊んだゲームの知識やイメージのまま作られているものを、よく見かけます。たとえば、
・すごろくのマスを進めていく
・設備投資をしながら、商品の仕入れ・加工・販売というサプライチェーンの流れを示す
・別々の立場に分かれ、それぞれの資料をもとに相談する
といったものです。
ボードゲームは、海外でも日本でも、毎年たくさんの作品が生まれ、新しい仕組みが発明され続けています。これらの技術をもっと取り入れれば、シリアスゲームはより良い表現力を手に入れられるはずです。
◆ゲーム体験が少ないまま作られている
私の見識の範囲内ではありますが、シリアスゲームを作る人には、ゲーム体験が少ない人が多いと感じています。
学生や、初めてゲームを作る人が、自分のよく知る身近なゲーム(大富豪でも、UNOでも)から作り始めるのは、理にかなっていると思います。
けれど、ゲーム開発を続けていく企業や組織、そしてそれを教える先生方には、ぜひもっとゲームを体験していてほしいと思います。
私自身も、忙しくなるとなかなか新しい体験を増やせないことがあります。それでも、できるだけ月に10作品くらいは新しいゲームを体験するようにしています。知り合いが開いているゲーム会に月2回ほど参加し、それとは別に、研究のためのゲーム会を月に2?3回開いています。
◆『ゲームメカニクス大全』は、遊んでから読む本
メカニクスを学ぶために、『ゲームメカニクス大全 第2版 ボードゲームに学ぶ「おもしろさ」の仕掛け』(Geoffrey Engelstein、Isaac Shalev 著/小野卓也 訳、翔泳社、2023年)を参考にしている人も多いと思います。
https://www.amazon.co.jp/dp/4798176745/
ただ、私の経験上、この本は読めば分かる、というものではありません。実際にゲームを体験したうえで読むと、その整理が役に立つ本だと思います。
ゲームを遊び、その体験をメカニクスの整理と突き合わせていく。そのことが大事だと感じています。
◆ミュージアムでやりたいこと
シリアスゲームミュージアムでは、収蔵したゲームの分析・整理を進め、どんな仕組みがどんな効果を生んでいるのかを研究していきます。
その中で、エンタメボードゲームのメカニクスとつなげて理解することが必要になると考えています。
そのため、データベースでは、収蔵したゲームにメカニクスのタグ付けを行います。シリアスゲームの仕組みを、エンタメボードゲームで培われてきたメカニクスの整理と照らし合わせながら分析できるようにしていきます。
(参照用に、代表的なエンタメボードゲームをいくつか置くこともあるかもしれません。)
◆一緒にゲームを遊び、研究しませんか
こうした分析・研究に、一緒に参加していただけるのが「リサーチ・アソシエイツ・プログラム」です。
メンバーは、収蔵されたすべてのゲームを体験できるほか、プレイ記録の入力などを通じて分析・研究に参加できます(オンラインからでも参加できます)。
ゲームをもっと遊びたい方、遊んだ体験をシリアスゲームの研究につなげたい方は、ぜひご参加ください。




