ブッチー武者です。前回の続きを書きます。
先輩のお母様に会うまで、私は認知症のことを「ボケ」だと思っていました。お笑いには「ボケとツッコミ」がありますよね。ボケという言葉には、どこか柔らかくて、愛くるしくて、少し楽しい響きがある。「うちの親がボケちゃって」と聞いても、それなりに穏やかで、いい感じの状態なのかなと、正直そう思っていたのです。
ところが、目の前にいたのは、車椅子に乗ってぼんやりとし、目の前の息子を息子だと認識できないお母様でした。柔らかいものでも、楽しいものでもない。これは大変なことだと、その時初めて思い知らされました。
そして妹さんが、お子さんを抱えながら、たった一人でこのお母様を見ている。「お兄ちゃん、テレビでもう一度売れることはないんだから、戻ってきて一緒に面倒を見てよ」。世間体があるからもう少し違う言い方をするのかと思ったら、そうではなかった。それだけ追い詰められていたのだと思います。修羅場の中に、私は座っていました。
東京に戻って、お笑い仲間にこの話をしました。「先輩は、しばらく帰ってこられないかもしれない」。すると後輩の一人が、こう言ったのです。「認知症って、相当大変らしいですよ。特に介護する方が。京都で、事件があったじゃないですか」。それが、私と「京都伏見の事件」との出会いでした。
▶ ご支援・シェアはこちら:https://camp-fire.jp/projects/979623/view



