
ブッチー武者です。前回の「時系列が消える」という話の続きです。
認知症の方の「徘徊」も、実は時系列と深く関係しています。特に女性の場合、お嫁に行く前の実家と、結婚してから住んでいる家がありますよね。認知症の症状が出ると、今住んでいる家を見て「ここは私の家じゃない」と感じることがある。頭の中には、昔の実家のイメージが鮮明にあるからです。「なぜ私はここにいるのだろう」。そして自分の家を探しに、外へ出てしまう。
つまり、ただウロウロしているわけではないのです。自分がいたはずの場所に帰ろうとしている。ところが足腰はまだ元気ですから、何十キロも歩いてしまうことがある。
警察庁の発表によると、認知症またはその疑いで警察に届け出があった行方不明者は、2025年の一年間で1万7345人にのぼりました。前の年からは減ったものの、高い水準が続いています。保護されても、ご本人が住所をうまく言えず、家に帰れないケースもあります。
探す家族、警察、受け入れる施設。認知症のご本人の大変さと同時に、それを支える周りの人たちの大変さがあります。これは一つの家庭の問題ではなく、社会全体の問題だと私は思っています。
『あ・い・で・すアンソニー』では、こうした「きれいごとでは済まない場面」も、隠さずに子どもたちに見せるつもりです。知ることが、助け合う心の第一歩だからです。
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