1|はじめまして マイウェルツリープロジェクト です
福井県で活動する3つの団体でボードゲームを製作中です。
創る人、届ける人、場をひらく人。
立場も普段いる現場も違います。
そんな3つの団体が出会いました。
幸福度日本一の福井県発で「ウェルビーイングの実感を高める」をミッションに掲げ、3者の特性を組み合わせた、ウェルビーイング・問いと対話・ボードゲームをテーマに、どうすれば実現できるか?
何度も話し合い進めてきました。
働く中でのウェルビーイングを考えた時に、心理的安全性・チームビルディング・ハラスメント対策・女性活躍推進、と時流を表す言葉が、日々の中でよく聞かれるものの…
言いたいことがあるのに飲み込んでしまう人がいる。
その言葉たちを、誰も拾わない/拾えないまま時間が過ぎていく。
「それってどういうこと?」と問いかけてもらえる場も、足りない。
研修の場でも、地域の集まりでも、福祉の現場でも。
私たちそれぞれの活動の中で感じてきました。
そして、コミュニケーションギャップが生まれていく。
このプロジェクトは、対話型のボードゲームを使い、世界一やさしいウェルビーイングの入り口を日本中に作っていくためのチャレンジです。

2|実現したいこと ─ 育てたいのは、2つの力
私たちが創っているのは、対話型ボードゲーム『マイウェルツリー』です。

・プレイ人数:3〜6人
・プレイ時間:15〜30分
・対象年齢 :10歳以上
このゲームには、勝ち負けがありません。正解もありません。
上手に話せた人が評価されることも、ありません。
このゲームで練習するのは、次の2つの力です。
① 聴く力
・評価もアドバイスもせず、最後まで受け取る。
・沈黙しても、うまく言えなくてもいい。
・相手の言葉にならない思いを、急がず、決めつけず、待つ。
② 問いを立てる力
・相手が答えたくなる問いを、自分でつくる。
・このゲームでは、プレイヤー自身が問いを投げる側になります。
「どんな問いなら、この人は話しやすいだろうか。」
「どんな問いなら、まだ言葉になっていないものが出てくるだろうか。」
その試行錯誤そのものが、問いを立てる練習になります。
そして、今回のクラウドファンディングで実現したいことは、次の3つです。
⒈ つくる:『マイウェルツリー』を初回分の製造
⒉ 場をひらく:開発者のファシリテーション付きプレイ会を実施し、実際に聴き合う時間をつくる
⒊ きっかけをつくる:プレイ会をきっかけに、さらに聴く力と問いを立てる力を深めるサポート
これは、商品の先行予約ではありません。
「聴く力」と「問いを立てる力」を育むプロジェクトの推進に一緒にご参加いただきたいお誘いです。

3|社会課題 ─ いま、現場で起きていること
3-1.職場で起きていること
・言葉を選びすぎて、本音が届かない。
・正解を探しすぎて、本音が言えない。
・ハラスメントにならないよう、言葉を選びすぎる。
・上司と部下の1対1の面談をやっても、本音が出ない/出せない。
・つい、相手の期待する言葉を探してしまう。
心理的安全性(=失敗や本音を言っても大丈夫だと思える状態)が大切だと分かっていても、実際には評価やアドバイスが先に立ってしまう。そんな職場は珍しくありません。
左の資料の中で、私たちが注目しているのは、
3位の「対人関係」です。
仕事の失敗も、仕事の量も、制度や仕組みで減らせるかもしれません。
人員を増やす、業務を分ける、責任の所在を明確にする。
でも、対人関係のストレスは、制度では減りません。
減らせるとしたら、それは「この人になら話せる」と思える相手が、身近に一人いることです。
そして、この対人関係のストレスは、令和元年から増加傾向です。
放っておいて自然に良くなる課題ではない、ということです。
『マイウェルツリー』は、ハラスメント対策・心理的安全性・1on1・離職予防といったテーマに、「話を聴く力」と「問いを立てる力」をボードゲームを使って職場のメンタルヘルスケアに取り組む1歩となるよう設計をしています。
3-2.学校・地域・福祉の現場で起きていること
メンタルヘルスの不調、孤立、学校での生きづらさ、地域のつながりの希薄化。
さまざまな社会課題の背景には、共通して次のようなことがあるのではないか、と私たちは考えています。
・「困っている」と言えない
・「助けてほしい」と言えない
・「本当は違う」と言えない
・こんなこと言ったら嫌われるかも。
そして、それを受け止める場が少ない
私たちの現場経験から、小学校、地域のコミュニティ、子どもや若者の居場所、福祉の現場、孤立しがちな人たちが集まる場所で体感してきたことです。
「本当は話したいことがあるのに、聴いてもらえる経験が少ない」
「本当は話したいのに、安心して話せない」
そんな風に感じる人のいる現場にこそ、このゲームを届けたいと考えています。

4|なぜ、このゲームが生まれたのか
─ 「これが正解」と配りたくなかった
このゲームの発端は、ウェルビーイング(心身が満たされ よく生きている状態)を考える取り組みでした。けれど、作り始めてすぐに、私たちはいったん立ち止まりました。
「これがウェルビーイングだ」と私たちが定義して配ることは、押しつけになってしまわないか。
健康はこうあるべき。
幸せはこういう状態。
良い職場や過ごしやすい地域とはこういうもの。
そうやって外から与えられた「正解」を前にしたとき、人はどうなるでしょうか。
恐らく、出された正解にうなずきます。
そして、自分が本当はどう感じているかを言わなく/言えなくなっていくのではないでしょうか。
その状態では、私たちが減らしたかったはずのもの「本音を言えない状況」を自分たちで増やしてしまいます。
だから、順番を変えることにしました。

答えを配るのではなく、問いから始める。
「自分にとって、よく生きるとはどういうことだろう」
「自分は、どんなときに満たされていると感じるだろう」
この問いは、他人が代わりに答えることができません。
自分で問いを立てて、自分で言葉にしていくしかない。
そして、その言葉が出てくるためには、急かさず聴いてくれる誰かが必要です。
問いを立てること。
そして、聴き合うこと。
この2つが揃ってはじめて、その人なりの答えが育ちはじめる。
私たちが『マイウェルツリー』で作りたかったのは、答えを教える場ではなく、問いが生まれる場でした。

5|AIが答えをくれる時代に、
なぜ「問いを立てる力」なのか
いま、大抵の答えは、AIに聞けば返ってきます。
調べ方も、まとめ方も、進め方も。
数秒で、それらしい答えが出てきます。
だからこそ、これから価値が上がるのは「答えを出す力ではなく、問いを立てる力」だと、私たちは考えています。
自分の中で育む良い問いを持っている人だけが、AIからも良い答えを引き出せる。
そして、自分の人生については、そもそも誰も問いを立ててくれません。
この力は、学校教育でもすでに重視されています。
探究学習(自分で問いを立て、調べ、考えをまとめていく学び)は、まさに「問いを立てる力」を育てる時間です。
ところが、現場ではこんな声をよく聞きます。
・「テーマを決めなさいと言われても、何を問いにすればいいか分からない」
・「先生が用意した問いに答えるだけになってしまう」
・「調べてまとめるのは得意だけれど、そもそも何を知りたいのかが出てこない」

問いの立て方だけを、座学で教えるのは難しい。
けれど、誰かに問いを投げて、その人の表情が動く瞬間を体験すれば感覚として、自分の考えへの反応が分かります。
「この聞き方だと、一言で終わってしまった。」
「こう聞いたら、思ってもみなかった話が出てきた。」
「もっと知りたいと言われた。」
『マイウェルツリー』は、その試行錯誤を15〜30分間のゲームの中で、何度も繰り返せるツールです。
対象年齢は10歳以上。
小学校高学年から大人まで、同じルールで遊ぶことができます。
つまり、探究学習の入り口としても、職場の1on1研修としても、同じ1セットで使えます。
6|体験 ─ 問いを投げ、聴いて、気持ちが「木の実」になる
遊び方についてお話します。
プレイヤーが順番に「主役」になります。
ほかのプレイヤーは、主役に「問い」を投げかけます。

話すことができる時間は、1分間。
けれど、話せないことに強制はありません。
・沈黙してもいい
・うまく言えなくてもいい
・答えをすぐにまとめなくてもいい
そして、主役の話を聴いた人は、「あなたの話を聴いて、こんな気持ちになった」という気持ちを、木の実にします。
主役は、小鳥のタイルを、自分の心の動いた木の実の場所に置きついばみながら、その理由を伝えます。
「聴いてもらえた」
「自分の話が相手に届いた」
ひとつの問いが終わったあと。
そのうれしい気持ち、やわらかな感情、なんだかあたたかい感覚が、ここで生まれます。
そして最後に、木を見返すと、その時間にどんな話が生まれ、どんな気持ちが生まれたのかを、たどることができます。
問いを投げる側にも、学びがあります。
このゲームでは、全員が「問いを投げる側」を経験します。
同じ問いでも、投げ方ひとつで返ってくる言葉はまったく変わります。
相手が黙ってしまうこともあれば、思いがけない話が出てくることもあります。
どんな問いなら、この人は話しやすいのか。
それを何度も試せることが、このゲームのもうひとつの価値です。
聴く練習と、問いを立てる練習が、同じ1回のプレイの中で起きています。

そして、このゲームの、いちばん大切な設計
話したくないことは、話さなくていい。
その場で話せないことは、別の機会に話していい。
話せないことに、ペナルティはありません。
話したくない問いは、お守りタイルでパスができます。
しかも、ただ「話せない」で終わりません。
そのときの気持ちを、お守りタイルが代わりに表現してくれます。
問いを向けられた人を、ゲームのルールが守ってくれる。
そんな仕掛けです。
「話すこと」だけでなく、「話さないこと」も大切にする。
それが、このゲームの安心設計です。

7|人 ─ このゲームをプレイした感想
プレイした人から生まれた言葉たち
「相手がそんなふうに思っていたなんて、知らなかった」
「自分のことはわかっているつもりだったけど、全然言葉にできていなかった」
「相手のことをわかっていたつもりだったけど、思っていることと全然違っていたことに気づいた」
「こんな話をしてもいいんだ、と思えた」
「聴いてもらえるだけで、こんなに安心するんだと感じた」
「普段の会話では出てこない話が、自然に出てきた」
テストプレイの様子:福井市や武蔵野大学など様々な場所で行えました
最終テストプレイ&ミーティング
【製作裏話】
つくる私たち自身も、健やかさを大切にしました。
制作の途中で、こんな話になりました。
「健やかさをテーマにしたゲームなのに、つくっている私たちが疲れ切っていたら、違うんじゃないか」
そこで、スケジュールも工程も見直しました。また、制作チームの中でも「聴く、話す」という土壌が少しずつできあがり、その過程からゲームのルールを何度も練り直すことができました。
話して、待って、考えて、また作る。でも、無理はしない。
制作はゲームの中で大切にしたかったことを、ゲームをつくる過程でも大切にする経験でした。
そして、アイデアを出す人、遊んでくれる人、デザインをする人、パーツを作製する人など。たくさんの人との対話や、たくさんの人の手、たくさんの関わりを経て、マイウェルツリーは生まれました。

「就労継続支援 前進主義」のみなさんがコンポーネントを1つずつ丁寧に作製してくださっています
8|なぜ、クラウドファンディングなのか
企業研修として、このゲームを届けることはできます。
組織開発やコミュニケーション研修、チームビルディングの場では、大きな可能性を感じています。
でも、私たちが対話型ボードゲーム『マイウェルツリー』を使って、世界一やさしいウェルビーイングの入り口を作りたいのは、お金を払って研修を受けられる場所だけではありません。
小学校・中学校・高校・大学・地域のコミュニティ・子どもや若者の居場所・福祉の現場・孤立しがちな人たちが集まる場所など。
「本当は話したい」「でも、どう話せばいいかわからない」
「どうせ話しても、わかってもらえない」
「そもそも、聴いてもらえる経験や場が少ない」
「発言するのは、いつも決まった誰か」
「意見が通るのは、声の大きい人」
そんな人たちのいる現場にこそ、このゲームを届けたいと思っています。
今回集まった資金は、ゲームの製造だけでなく、こうした現場にゲームとファシリテーションを届けるためにも使わせていただきます。
これは、単なるボードゲームの購入ではありません。
本音を言えない社会に、安心して話せる時間と、自分なりの問いを立てられる場を増やすための参加です。
私たちは、このゲームで本音を無理に引き出したいわけではありません。
むしろ、増やしたいのはこんな場です。
・話したくなるまで、待てる場
・言葉にならない気持ちを、そのまま置いておける場
・評価されずに、聴いてもらえる経験
・「正解」を配られるのではなく、自分の問いから考えはじめられる時間
聴いてもらえた。
些細なことを認めてもらえた。
そんな経験から、少しずつ「話していいんだ」「ここにいていいんだ」という安心が生まれます。
そして今度は、その人が誰かの話を聴けるようになる。問いかけてみたくなる。
やわらかな対話の場の土台が、そうやってできていきます。

そんなやさしい循環を、学校に、家庭に、地域に、職場に、広げていきたいと考えています。
9|ご支援いただいた資金の使い道
今回、私たちは100万円の目標に挑戦します。
皆様からいただいたご支援は、対話の場を地域に広げていくために大切に使わせていただきます。
主に以下の用途に活用します。

⚫︎つくる:『マイウェルツリー』を初回分の製造
⚫︎場をひらく:開発者のファシリテーション付きプレイ会を実施し、実際に聴き合う時間をつくる
⚫︎きっかけをつくる:プレイ会をきっかけに、さらに聴く力と問いを立てる力を深めるサポート
プロジェクトの進捗や資金の活用状況については、活動報告を通じて丁寧にお伝えしていきます。
10|リターンについて
今回のクラウドファンディングでは、ただ「商品をお渡しする」だけではありません。
支援してくださった皆さまには「聴き合い、問いを立て合う場づくり」を広げる設計を準備しています。

● お礼のメッセージ + クラウドファンディング限定品
● ゲームを楽しむ基本セット
● 企業や教育機関での開催
● 開発者によるファシリテーションを行う特別プラン
職場に、学校に、地域に、家庭に、私たちと一緒に、聴き合い、問い合える文化を育てるパートナーとして、この挑戦に参加していただきたいと考えています。
どんなリターンがあるか是非ご確認ください。

11|スケジュール

・2026年9月23日 :クラウドファンディング公開
・2026年9月30日 :完成お披露目会(PLAYCE@福井県)
・2026年11月15日 :クラウドファンディング終了
・2026年11月16日〜:リターン対応開始、プレイ会・出張ファシリテーションを順次実施
・2027年3月末 :リターン対応終了予定
12|結び
うまく話せる人の声だけが届く社会ではなく、まだ言葉にならない本音にも、誰かがそっと耳を傾けられる社会へ。
いま、大抵の答えは、AIが返してくれる時代になってきています。
けれど、「何をどう問うか」は、自分で決めるしかありません。
そして、「聴いてもらえた」という感覚だけは、人との対話からしか受け取れません。
話す力より先に、聴く力を。
答えを急ぐ前に、自分なりの問いを。
このゲームは、人と人との関係を、もう一度やわらかく耕すためのツールです。
どうか、私たちと一緒に、聴き合い、問いを立て、人との対話がもっと楽しくなる文化を育ててください。
家庭に、学校に、職場に、地域に。

マイウェルツリーを、福井から。
皆さまのご支援を、心よりお願いいたします。
最新の活動報告
もっと見るはじめから、ゲームを作りたかったわけではなくて
2026/10/28 11:41約1年半かけてつくってきたものを、ようやく皆さんにお披露目することができ、クラウドファンディングの応援やあたたかい言葉もいただいています。本当にありがとうございます!ゲームがこうして形になった今、あらためて振り返っていることがあり今日はそれを綴っておこうと思います。実は振り返ってみると、はじめからゲームを作りたかったわけではありませんでした。作りたかったのは、研修や対話へ向かうための、少しやさしい入口。そのためには何ができるだろう、どんなものがいいのかな、と模索を続けていたと言いますか。そもそも勉強や学ぶことが好きでなくても、難しい言葉を知らなくても、うまく話せなくても。話したり、聞いたり、笑ったりしながら、自分や誰かのことを少し知っていく。新しい知識が身につく。そんな時間をつくれたらと思っていたのです。養生デザインに来ていただくまでに、少し時間と距離がありました私はこれまで「ほどほど養生」というテーマで健康や養生のセミナー、企業研修、カウンセリングセッションなどを行ってきました。参加してくださった方からは「もっと早く来ればよかったです」「ずっと来たいと思っていたけれど、参加するまでに勇気がいりました」「こんなにちょっとしたことで変われるんですね」と言っていただくことも、たくさんありました。もちろん、そう言っていただけることはとても嬉しいです。でも同時に私たちのところに来ていただくまでに、ずいぶん時間がかかっているんだなぁとも感じていました。もちろんお客様、それぞれのタイミングがありますし、それをいますぐ来てほしい!とか、先を急がせる気持ちはありません。ただ、どれだけ私たちが「ほどほどでいいですよ」「難しいことではないですよ」と伝えても、セミナーや研修という言葉を聞くだけで、身構えてしまう方もいらっしゃる、ということ。特に企業研修の場合は、参加する皆さんがすべて「自分から学びたい!研修を受けたい!」と思って来てくださるとは限りません。「仕事が忙しいのに、行かなくちゃいけない」「義務だから参加する」「研修かぁ。ちょっと面倒くさいな」そんな気持ちを持って参加する方も、きっといらっしゃると思うのです。そして、それが決して悪いわけではないのです。私もサラリーマン時代は「研修です」と言われたら、抱えている業務と時間や優先順位のバランスを考えたり、ちょっと身構えたりしていました。だからこそ、研修の内容をよくするだけではなく、その場に入るまでの気持ちを少し柔らかくするような、何かが必要なのではないかとずっと思っていたのでした。「研修なのに、自然と笑ってしまう」「勉強するつもりではなかったのに、終わったら何かに気づいている」「職場のための研修だけど、自分のための時間にもなってた」「研修のことを、帰ってから家族にシェアしたくなる」そんな、やさしい入口を作ることはできないだろうか。ずっとそんなことを考えていました。言葉にすると、遠くなってしまう気がしてもう一つ私の中にあったのが、「ウェルビーイング」という言葉に対する印象やイメージ、理解のされ方への違和感でした。私が暮らしている福井県は、「幸福実感日本一」を掲げています。県庁の方と、ウェルビーイングをどのように広げていくかについてお話しする機会もありました。実際「ウェルビーイング」という言葉を聞くと、「意識の高い人たちの話でしょう?」「自分には関係ないかも」「なんだか難しそう」と感じる人も、まだまだ多いのではないかと思います。ウェルビーイングは、本当は特別なことではありません。自分の気持ちに気づくこと。誰かの話を聞くこと。一緒に笑うこと。ほっとできる時間を持つこと。そうした日々の暮らしの中に、すでにあるものだとも思っています。それなのに、「ウェルビーイング」という言葉になった途端に、なんだか難しいものに見えてしまう。言葉を伝えようとすることで、かえって人が遠ざかってしまうような気がする。それが、私は少し嫌だったのと、それ自体に違和感を感じていたのでした。少し話は変わりますが、私はもともとカタカナ用語があまり得意ではありません。英語ならまだわかるのですが、日本語で説明できることを、あえてカタカナで表現しているものに、ちょっとした苦手意識があります。(・・と言いながら、「ボードゲーム」もカタカナなのですが。)なので、ウェルビーイングという言葉を覚えてもらうことよりも、まずは体験してもらう。知ってもらう。遊んで、話して、誰かの言葉を聞いたあとに「ああ、こういう時間もウェルビーイングなのかもしれない」と感じてもらう。そんな入口も作りたいと思っていました。作りたかったのは、ゲームではなく私の中にはじめからあったのは「研修や対話への入口を、もっとやさしくしたい」「ウェルビーイングを、難しい言葉を使わずに感じてもらいたい」という思いでした。つまり、作りたかったのはゲームそのものではなく、人が身構えずにその場へ入っていける「入口」だったのだと思います。そんなときに出会ったのが、このプロジェクトメンバーでもあるボードゲームクリエイター ちゃがちゃがゲームズの川口さんです。私が考えていることをお話ししたとき、川口さんが「それ、ゲームでやってみましょうか」と提案してくれました。その言葉を聞いたとき、私の中にあったものと、「ボードゲーム」という形が、バチッと重なったような感覚がありました。「それなら、やってみたい!」瞬間でそう思えたのです。最初からボードゲームを作ることが夢だったわけでも、明確な完成形が見えていたわけでもありません。でもずっと考えていたからこそ思いを話せる人と出会い、「こんな方法がありますよ」と提案してもらえたようにも思います。こうしてご縁とタイミングが重なって、ゲームづくりが始まりました。同じ場所で、リアルに会って手を動かして話す実際にゲームづくりが始まってから、川口さんとは約1年半にわたって何度も打ち合わせを重ねました。2週間に1回以上のペースで実際に会ったり、その合間にはオンラインで話したり。ファミレスに夜ごはんの時間から集まり何時間も「こうでもない」「ああでもない」「これはおもしろいかも」「いや、なんだか違う」と話し続けたこともありました。そういえば打ち合わせの後はドリンクバーでコーヒーを何杯も飲みすぎて、興奮も冷めやらずで眠れなかったなぁ、と思い出しています。AIやデジタル化が進み、スマートフォン一つで、たくさんのことができるようになりました。オンラインで会議ができることも、離れた場所にいる人とつながれることも、本当にありがたいことです。でも一方で、誰かと実際に会って、同じものに触れながら話す機会は、少しずつ減っているようにも感じます。チームで膝を突き合わせ、実際に手を動かしながらゲームを作る中で私はあらためて、アナログな時間のよさを感じることもできました。相手の声を聞くこと。表情を見ること。同じものに触れること。その場の空気を肌で感じること。デジタルの時代だからこそ、あえて同じテーブルを囲み、食事の間はお互いの近況報告からはじめ食事が終わったら、実際に手を動かしながら話す。きっと今ではタイパとしてはよくないと判断されることなのかも知れません。打ち合わせのためにスイッチを入れ、すぐに本題に入り、話すことが終われば終了。効率は良いのかも知れないけれどなんだか味気ない。時間のムダ、と思われることは話すことができない。そんな風潮にも疑問を感じることが少しずつ増えてきたのも、オンラインの会議が当たり前になってきた頃からでした。そんな私の内情からボードゲームは、私が作りたかった「やさしい入口」と、とても相性のよいものでした。「正しく学ぶ」より、遊びながら気づくマイウェルツリーは、ウェルビーイングについて正しく学ぶためのゲームではありません。講師が答えを教えるものでも、上手に話せた人が評価されるものでもありません。問いをきっかけに、自分のことを少し話してみる。誰かの話を聞いて、「そんなことを考えていたんだ」と、初めて知る。同じ場所で過ごしている人でも、それぞれ違う景色を見ていたことに気づく。そうした小さなやり取りを、遊びながら体験するゲームです。講師と受講者。上司と部下。教える人と、教わる人。そうした肩書きや役割を、少しだけわきに置いて、同じテーブルを囲む。説明されて理解するのではなく、遊んでいるうちに自分で何かに気づいていく。主役の人の面白さを知る。私は、ウェルビーイングを説明する教材ではなく、ウェルビーイングを感じられるゲームを作りたかったのでした。そうして、思いがゲームになっていきましたこうして、時間をかけてルールや内容も遊んでは考え修正し、修正しては遊んで、また考える。それを繰り返して少しずつ頭の中にあったことがボードゲームという形になっていきました。はじめから、完成した姿が見えていたわけではありません。ただ、思いがあって、それを聞いて受け入れてくれる人と出会い、手を動かしながら一緒につくってきた。その繰り返しが「マイウェルツリー」という形になりました。約1年半。楽しいことばかりではなく、「これだと、あんまり楽しくない。おもしろいゲームになっていないな」と、みんなで黙り込んだ日もありました。楽しいゲームを生み出す場なのに、その場の雰囲気が悪くなってしまったことも多々ありました。今だから話せる、そんな出来事もあります。また、そんなお話もこちらの活動報告でお付き合いいただけたら嬉しいです。引き続き、どうぞよろしくお願いします! もっと見るFBCニュース番組"おじゃまっテレ"の「カケル未来」のコーナーで特集していただきました。『ボードゲームと幸福実感』
2026/10/27 20:2610月14日、対話型ボードゲーム「マイウェルツリー」をFBC福井放送の番組「カケル未来」で紹介していただきました。取材をしてくださったのは、アナウンサーの川島さんです。私たちの活動を約2年にわたって追いかけてくださいました。ウェルビーイングについて一緒に話したり、福井大学での授業やテストプレイを見に来てくださったり、敦賀まで足を運んでくださったり。長い時間をかけて、私たちの取り組みを見つめてくださいました。放送の枠は6分間。その短い時間に、ゲームのことや、参加してくださった方の様子、私が込めた思いをぎゅっと詰め込んでくださいました。6分の放送に込められた、たくさんの時間放送後、川島さんとお話しする機会がありました。6分という時間の中で、何を伝えるかをとても悩まれたこと。そして、「ゲームをするとどうなるのか」まで放送に入れられなかったことが心残りだったと聞きました。その言葉を聞いて、ありがたい気持ちとともに、私自身も改めて考えました。マイウェルツリーを体験すると、何が起こるのだろう。このゲームを通して、どんな幸福実感が生まれるのかな。幸せを教えるのではなく、自分の幸せに気づく入口に。マイウェルツリーのパッケージには、「世界一優しいウェルビーイングの入り口」と書いてあります。このゲームは、「これが幸せです」と答えを教えるものではありません。遊びながら、自分にとってうれしいことや心地よいこと、大切にしたいものに気づいていく。そのきっかけになれたらと思ってつくりました。ゲームをした方からは「自分のことをそうやって褒めてもらうのが心地よかった」「相手の話を初めて聞いた」といった感想をいただくことがあります。何を幸せと感じるかは、人によって違います。だからこそ、ゲームを通して見つかるものも一人ひとり違います。最初から「このゲームをすると幸せになれます」と伝えてしまうと、かえってウェルビーイングを難しく感じさせてしまうかもしれません。まずは遊んでみて、自分の中に生まれた感覚や疑問を大切にしてもらえたらと思っています。「どうしてこれが幸せなの?」という疑問も、入口のひとつ「これってうれしい」と素直に感じることも、「どうしてこれが幸せなんだろう」と考えることも、どちらも自分の幸せを見つめる入口です。テレビを見て、「結局、このゲームのどこで幸福を感じるんだろう」と思った方がいたとしたら、その疑問も大切な始まりなのだと思います。誰かに答えを決めてもらうのではなく、自分の感覚に目を向ける。そこから、その人なりの幸福実感が見えてくることがあります。ゲームを体験してくださる方と過ごす中で、私は、人と人との対話が深まっていく瞬間を何度も見てきました。ゲームがあることで共通の言葉が生まれ、「この人ともっと話してみたい」と思うきっかけになることもあります。放送をきっかけに、また広がる対話放送後、出かけた先で「見ましたよ」と声をかけていただくことが増えました。番組を通してマイウェルツリーを知ってくださった方がいることを、とてもうれしく感じています。6分の放送のために、川島さんをはじめ、関わってくださった方々が重ねてくださった時間と力。その一つひとつに、心から感謝しています。今回の放送は、マイウェルツリーを知っていただく機会であると同時に、私自身が「このゲームを通して何を届けたいのか」を考え直すきっかけにもなりました。マイウェルツリーが、一人ひとりの幸せに気づく入口となり、人と人が新しい対話を始めるきっかけになっていく。そんな場を、これからも各地でつくっていきたいと思います。 もっと見る
製作順調 問いカード
2026/10/21 15:47みなさんこんにちわ。マイウェルツリープロジェクト ゲーム製作担当 川口です。私からはゲームの制作状況をおしらせしていきます。このゲームの「メイン」となる問いカード。テストをかさねて厳選された問いがあつまりました。それをデザイン担当のAiMikiさんに依頼し、印刷用データにしていただきます。このゲームの特徴として、これが紙のカードになるのではなく「厚みのある木のコンポーネント」として製作されます。できあがりましたら写真を共有させていただきますおたのしみに。 もっと見る








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