はじめに―サモアと私について
タロファラバ!!(サモア語で「こんにちは」)
サモア算数教育プロジェクトメンバーの野沢有加です。プロジェクトページをご覧いただきありがとうございます。松川梓沙さんに続き、私が本プロジェクトへの参加を決めた背景や思い、そしてこれから実現していきたいことについてお話しさせていただきます。
私は2017年から2019年まで、JICA海外協力隊としてサモアの小学校で算数と理科を教えていました。当時、教科書や実験用具などが不足しており、こうした課題をデジタル技術で解消できるのではないかと考えました。その思いから、帰国後はIT業界に転身し現在はエンジニアとして働いています。
サモアを離れて数年が経ちましたが、そこで出会った人たちや、家族・地域とのつながりを大切にする暮らしは、今もずっと私の心の中にあります。サモアのためにできることがあれば力になりたい。そんな思いからこのプロジェクトに参加しました。

協力隊活動時に感じた課題
私が活動した小学校では、一人の担任教員が全教科の指導を行い、授業の進め方はそれぞれの先生に委ねられていました。また、先生同士で授業を見合ったり、子どものつまずきや教え方について話し合ったりする機会もありませんでした。先生たちが日々の授業で感じたことを持ち寄り、互いの工夫から学べる場が学校に根づけば、教え方の改善や、日々の授業への意欲にもつながるのではないかと考えています。
もう1点活動中に感じたのが、前述した教材や教具の不足です。このプロジェクトでは、デジタルも活用しながら、こうした課題にもアプローチしたいと思っています。
例えば、分数や図形の仕組みを目で見て理解できるデジタル教材を作成し、繰り返し使い、必要に応じて更新できるようにすることを考えています。教材の共有には、Moodle(ムードル)という学習支援プラットフォームの活用を検討していて、アプリで教材をあらかじめ端末にダウンロードし、インターネットに接続していないときでも利用できるようにするなど、通信環境に合わせた使い方を提案していきたいです。

サモアと関わるうえで大切にしたいこと
私が特に大切にしたいのは、サモアの先生たちが主体となって、この取り組みを進めていくことです。先生同士が授業について話し合い、実践し、振り返る場を、現地の先生方と一緒につくりたいと考えています。
プロジェクトの期間が終わった後も、先生たち自身が「続けたい」と思い、自分たちの意思で学び合いを続けられること。そして、この取り組みの良さを実感した先生たちが、自ら他の学校にも広げていくようになったら理想だと感じています。
その先で、子どもたちの「わかった!」「算数って楽しい!」という声が増えることを願っています。先生たちが子どもの反応を見て、「次はこんなふうに教えてみよう」と話し合う。その工夫が子どもたちに届き、また次の授業につながっていく。そんな小さな積み重ねを、現地の先生方と一緒に大切にしていきたいです。

このプロジェクトで実現したいこと
このプロジェクトでは、デジタル教材も活用していきたいと思っています。教材を充実させることや、それらを活用するためのプラットフォームの基盤を整えることに、エンジニアとしての経験を生かして貢献できたら嬉しいです。
サモアで過ごした2年間に、私自身もたくさんのことを教わりました。微力ながら、デジタル教材の充実と、先生たち自身が学び合いを続けられる環境づくりに力を尽くしていきたいと思います。この活動が先生たちの手で長く続いていくようみなさんにも一緒に見守っていただけたら嬉しいです!




