● はじめまして。
このたびは当プロジェクトにご興味を持っていただき、誠にありがとうございます。プロジェクトについての説明のまえに、まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。
私の名前は、牛田 光則(うしだ みつのり)と申します。昭和58年生まれの33歳。二年前に、妻の詩歩(しほ)とともに新潟県上越市にやってきました。
もともと私、東京の大学を出てからの数年間は、長野の山小屋と新潟・妙高高原のスキー場をいったりきたり。その後、縁あって妙高高原のホテルを一軒まかされて支配人をしたりと、職歴はずっと宿泊・サービス業。一方の妻は、大学在学中から「農家になりたい」という夢を持っており、全国各地での農業アルバイトや農業系出版社での勤務を経て、やはり夢を捨てきれずに農業研修に飛びこんだ、いわゆる農業女子。
「地方の自然が豊かな土地で、自然に寄りそった暮らしがしたい」という共通の想いをもっていた私たちは、お互いの夢を「コメ農家+農家民宿」で実現しようと意気投合し、米づくりの研修を受けていた 上越市の山沿いの地域 の周辺で、その舞台となる 「家」 を探しておりました。
そんな中、縁あって地元の方からご紹介をいただいたのが、上越市大島区 田麦集落の屋号「コミナミ」の家。清水が湧き出る田んぼを目の前に、背後には小さな山を背負った、築百年以上の伝統的農家住宅でした。私たちは、ちょうど一年前の2016年3月にこの家を購入し、農家民宿開業のための準備を進めてまいりました。
● 想い描く「宿」のかたち
私たちが想い描く 農家民宿「うしだ屋」のコンセプト。それは、
・水も風景も(そして穫れる米の味も!)素晴らしいこの土地で、環境に優しい米づくりをしながら、
・自分たち自身が「自然が刻むリズムや、この土地が育んだ歴史と伝統」を大切にした生活をし、
・且つそれを、来訪者の方にも 気軽に味わい/体験を していただける場所にする
の三点です。
実際に私たちは、昨年の春ここに越してきてから今までの一年間、この地域の四季折々の風景や生活を楽しんでもらおうと 田植えや稲刈りといった農作業体験、ホタル観賞、棚田の写真撮影などのイベントを企画し、延80泊以上の友人知人をはじめとした来訪者の皆さまに滞在を楽しんでもらうことが出来ました。
日中は緑あふれる(もしくは深々と降り積もる雪の)山里の空気を胸いっぱいに満喫してもらい、
夜は美味しい地酒に舌鼓を打ちながら、囲炉裏で爆ぜる火を囲みお喋りをして、
就寝前にちょっと外に出てみれば、頭上には満天の星空が。
そんな 田舎ではあたりまえの体験 を、まるで自分の友人宅に遊びにきたかのような気軽さ で、国籍、性別、年齢を問わず どなたでも味わっていただきたいと思います。
● 荒れる山林が、資源になる
しかし私たちが移住した、この田麦集落。世帯数はおよそ50軒。周辺地域のなかでは比較的大きな集落ですが、それでも高齢化の波はすぐ背後に迫っています。住む人がいなくなって取り壊される家屋。耕作されなくなった田畑。もう何年もまえに廃校になった小学校。残り数名になったマタギ(猟師)。昔は収穫後の稲を天日干しするのに使われたものの、現在は手入れもされずに大きくなった杉並木……
山に人が入らなくなると、イノシシなどの野生動物に田畑を荒らされます。でもそれよりもなによりも、沢や川が荒れます。山からしみ出る一滴が集まって沢をなし、沢が集まって川となり、川が平野や都市に水を運びます。特に豪雪地帯で名高いこの地方では、源流となる里山の手入れ具合が、流域全体の「水の安全」に大きく影響を与えるのです。
そこで当地域では数年前から、荒れた山林を再整備し さらには薪をつくって販売することによって、山里に新しい仕事を生み出そうという活動を、近隣集落の有志が集まっておこなっています。
「私たちの宿に 薪ボイラーを」という発想も、まさにここから生まれました。地元で生産された薪を購入し、宿を経営する(=お金の地域内循環)。地元で育った木を燃料に、宿で必要な 熱エネルギー を得る(=エネルギーの地産地消)。
こんなふうに今は荒れてしまっている山林を資源に変えることが出来たなら、これはきっとこれからの 地域再生や地方移住のモデルケースの一つ となることでしょう。
● 薪ボイラーの導入費用
「薪ボイラー」の特徴は、空気を暖める「薪ストーブ」と違い、タンクの中の水を温めて "貯熱" することにあります。空気ではなくお湯なので、台所やお風呂場の給湯、さらには不凍液を温めて床下にまわすことで床暖房にも使えます。このため冬だけでなく、一年を通じて薪をつかった暮らしをすることができ、生活全体での化石燃料(灯油など)の使用量を抑えることにもつながります。
すなわち、経済的かつエコな生活 が送れるというわけです!
さて、肝心の「薪ボイラー」ですが、現在私たちが導入予定のものは
・ エーテーオー株式会社のウッドボイラー N-220NSB
(商品ホームページ ⇒ http://www.ato-nagoya.com/boiler/index.html )
こちらの見積りを販売店に依頼したところ、本体と給湯+床暖房のための周辺部材まで含めて 約145万円。工務店に依頼する設置代まで含めると、総額およそ160万円の予算となることが判りました。
今回のこのプロジェクトでは、薪ボイラー(及び周辺部材)の購入費用を目標金額とし、もし可能であれば設置代金も……と考えております。期限までに目標金額に到達しなくても 薪ボイラーの導入は実行する予定 ではありますが、農家民宿開業のための自己資金が潤沢ではないこともあり、多くの皆さまのご理解とご協賛をいただければと思います。
● リターンについて
私たちの事業は まだようやくスタートラインに立っただけであり、宿として開業し、皆さまにお越しいただけるようになるには まだ半年以上待っていただかなくてはなりません。それでもと 私たちのことを信頼し お金を託していただける方に対して、私たちは特にそのご恩を忘れることなく、「うしだ屋」が存続するかぎりその謝意をサービスという形で表していきたいと思います。
具体的には、クラウドファンディングにご支援をいただいた方 “だけ” を対象に「うしだ屋ファンクラブ」として登録し、支援金額に応じた うしだ屋ある限りずっと有効 の ファンクラブ会員様限定割引 をプレゼントさせていただきます!
その他にも、この地域でつくられた 低農薬コシヒカリ や、妻デザインのオリジナル手拭いなども組み合わせております。詳しくは、どうぞ右の「リターンを選ぶ」欄からチェックしてみてください。
● 最後に
地方への移住がそれほど珍しくなくなったとはいえ、やはり集落のなかには 私たちが「なぜこんな過疎・高齢化の進む山あいの集落に来たのか」気になって、実際にそう訊いてくる方が多くいらっしゃいます。資本主義の社会となってからというもの、私たちはだれもが “都会が一番。田舎は遅れている場所” という価値観を植え付けられました。しかしそれが、東日本大震災や、度重なる都市災害を経て「もしかしたら、いままでの価値観は少し見直したほうが良いのではないか」という時代に変わりつつあります。
ひょっとして、“心が癒される日本の原風景“ や “食糧自給や集落協働の底力“ を未だ失わずにいる日本の里山集落は、いまに時代の最先端に返り咲くかもしれません。そのような未来を見据えて、これからの自分たちの将来を賭けた「コメ農家+農家民宿 うしだ屋」という事業を開始した私たちを 応援していただけたなら 本当に嬉しく思います。
宿の開業後、緑の大地と青い空のあいだで、皆さまの笑顔とふれあえる日を楽しみにしております。
長文となりましたが、最後までお付き合いいただき 誠にありがとうございました!! 多くの皆様のご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。
(新潟県上越市大島区田麦 「うしだ屋」代表 牛田 光則)
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