はじめに・ご挨拶

はじめまして。全国森林組合連合会と申します。 

 森林組合は、森林所有者が互いに協同して林業の発展をめざす協同組合です。森林組合は、地域の森林管理主体として、全国各地で地域の森林を協同の力で育て守り続け、豊かな森林を未来に引き継ぐことで、地域、環境、暮らしを支えております。

 具体的には森林造成を通じて、木材供給のほか国土保全、水資源涵養、環境保全、文化・教育・レクリエーションの場の提供等に取り組むなど、SDGsにおける目標15「陸の豊かさを守ろう」をはじめ、多くの目標達成に取り組みながら、森林を通じた人間の生活環境を、より良く、発展させていくことに貢献しております。また、政府は脱炭素社会の実現に向けて2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする政府方針(2050年カーボンニュートラル)を表明しましたが、森林組合の活動は地球温暖化防止についても貢献しております。

 全国森林組合連合会は森林組合系統の全国組織です。私たちJForest森林組合は脱炭素社会の実現に向けてその取り組みを更に発展させて参ります。今回のプロジェクトでは国産木材の用途を増やし、需要を拡大することを目的とします。


 今回は、単純に「国産材」を使えば良いというものではなく、日本の森林を後世に残していく、持続的な森林維持という大きな目標のもと、品質の良い杉の産地であり、自然エネルギーを利用した地熱乾燥というエコな木材乾燥を行っている熊本県の阿蘇小国杉と、その杉の美しい木目を最大限に活かすことで、あなたの服をより美しく保管してくれるハンガーを、国内唯一の木製ハンガー専門メーカーである中田工芸とコラボレーションして製作します。

 最高の材料を、最高の職人が加工し、最高のハンガーを作ろうと言う取り組みです。そこには妥協がありません。材料の適性な含水率から、加工方法までこだわり抜いた一品をあなたのクローゼットにお届けしたいと、チーム一同、考えています。


プロダクトのご紹介

今回、こだわり抜いた国産木材(熊本県の阿蘇小国杉)を使って、ハンガー職人が手作りで1本1本、丁寧に美しいハンガーを作ります。


服を掛けたときに、あなたのお気に入りの服が美しく見えるように。

服を掛けていなくても、お気に入りの服を掛けたくなる美しいハンガーであること。

地球にも優しいハンガーであること。


チーム一同、素材・加工ともに最高品質の商品を提供する強い志を持っています。


①原材料について

 原材料は、SDGs未来都市に選定されている熊本県小国町の【阿蘇小国杉】を採用。小国町はSDGsという考え方が今のように普及する以前より、林業活性化によるCO2の吸収促進や、環境に配慮したトレーサビリティの徹底、木材を多様に使うことでの循環型社会の実現に向けた啓蒙など、次世代につなぐチャレンジを長年にわたり重ねてきた地域です。南国九州の中でも冬にはマイナス10度の世界が広がる特異な気候条件を持つため、寒暖差が大きく、美味しい農産物が育つことでも知られています。阿蘇小国杉もその寒暖差の中でじっくりと少しずつ育つことで、木目がぎゅっと詰まった高密度な木材となり、厳選された良材が必要な大型施設などでも多く採用されるなど、実績ある素材です。

 また、木材の加工で重要なポイントである乾燥は、阿蘇小国杉の価値を高め、持続可能かつ低炭素なライフスタイルを発信する最たる技術である【地熱乾燥】を採用。従来のように大量の重油などを使わず、大地から湧き上がる自然エネルギーを活用した、非常にエコな技術で乾燥します。小国町森林組合ではこの蒸気熱を利用して、木材の乾燥施設を設置。大量の電気や化石燃料を使わないため、「CO2排出ゼロ、地球に優しい地熱を利用した木材乾燥施設」として注目されています。


②ハンガー製造について

 ハンガー製造は1946年創業で、国内唯一の木製ハンガー専門メーカーである中田工芸とコラボレーションしました。同社が展開する木製ハンガーブランド「NAKATA HANGER」は、日本のアパレル企業の非常に高い要求レベルに応え続けてきた実績を活かしたデザインが特徴で、高い品質に定評があります。同社が今まで蓄えてきた技術と知識と経験を最大限に発揮してこだわり抜いた Made in Japan の木製ハンガーは「無駄のないデザイン」と「洋服のシルエットを保つための機能」を併せ持ち、そこには、時代を経ても変わることのない普遍性が存在します。また職人の技によって1本1本丁寧に手作業で作っているためぬくもりのあるハンガーとなっています。普段は広葉樹のブナを中心に製造されていますが、今回は無理を聞いてもらい慣れない針葉樹のスギを利用して中田工芸品質で作成してもらうこととなりました。


③今回のハンガーについて

今回、仕上げの異なる2種類のハンガーを作製しました。


1.クリア塗装ハンガー

クリア塗装で表面処理を行ったハンガーです。木目の美しさを最大限に引き出せるほか、無塗装品と比較して傷や汚れにも強くなります。


2.無垢ハンガー

表面処理を行わない、いわゆる無垢での仕上げとなります。

しっかりと研磨しておりますので、すべすべの触感と、阿蘇小国杉の清涼な香りをお楽しみ頂けます。

杉の抗菌効果、調湿効果等が期待できますが、塗装品と比較して傷や汚れには少し弱くなってしまいます。



こだわり・特徴

<原材料へのこだわり> 

 小国町でみられる杉は、【ヤブクグリ】と【アヤスギ(ヤクノシマ)】の2品種がほとんどを占めており、品質が揃った木材を安定して揃えやすいという、工業生産的にも適した特徴があります。今回は淡いピンク色と油ツヤが美しく、しっかりとした強度と粘りがある【ヤブクグリ】を選定しました。ハンガー材に最適な、害虫や湿気に強い成分が多く含まれると言われる木の赤身部分を使用してのサンプル作成を行い、仕上がりの美しさと加工結果の良さから、ヤブクグリが適しているとの結論に達しました。

 小国町森林組合では、大学などとの研究調査や独自の実験などを行うことで阿蘇小国杉が持つ成分的な効能を検証しています。例えば「食パンと小国杉板を入れた保存容器」と、「食パンのみを入れた保存容器」を梅雨時期に常温で約2ヵ月放置し、カビと結露の発生状況を比較した結果、杉板が入っていた食パンは見た目には2か月前とほぼ変化がなく、明らかにカビの発生が抑えられ、湿度も調整されたという目に見える実験結果が得られています。さらに、木材の乾燥方法として主流な「高温乾燥」は、高熱で一気に木材の中の水分を飛ばすため短時間で乾きますが木材への負荷が高く、木が持つ色味や成分が失われやすくなります。対して、時間をかけて天日や風雨にさらし、自然に水分が抜けるのを待つことで負荷を少なくし、成分や色味など木が持つ力そのものを残すことができる「自然乾燥」という方法がありますが、今回採用する「地熱乾燥」は自然乾燥に近く、人にも良い成分が木材の中に多く残るという調査結果も報告されています。この小国杉は、地熱乾燥技術は地域に「林業(丸太)、製材工場、蒸気の噴出」の3つがバランス良く揃わないと実現できないため、全国的にも非常に珍しく、国や企業、研究機関などからの視察やメディア取材も絶えません。


プロダクト誕生までのお話

 我々は、まず海外のレッドシダー(米杉)などは抗菌作用があることから、シューツリーやハンガーに使用されており、日本にも輸入品が多数入ってきていることに注目しました。そこで、国産のスギも抗菌作用があり、軟らかく粘りのあるためハンガーと相性がいいのではと考えました。実際に調べてみると日本に出回っているハンガーの多くには、外国産の木材が使われており、国産の木材がほとんど使われていないことが分かりました。

 森林は、植える⇒育てる⇒間伐⇒伐採⇒植えるというサイクルを回すように、適切に管理することで、国土・環境保全(地すべりや土砂崩れの防止)、水資源の育成(土壌保水力の維持)、文化・教育・レクリエーションの場の提供など、森林にとっても、人間にとっても良い環境を実現していくことができるものです。

 国産木材は様々なところで使われていますが、建築用の製品などは、最後は壁の中に収まってしまうことが多く、国産木材はなかなか見える形で一般消費者の手に渡ることが少なく、国産材の良さをPRする場が少なかったところです。

 そのような中、今回、実際に生活する皆様が手に取って、日々使ってもらえる国産木材を使った商品としてハンガーを考えました。これを機会に国産スギの良さを知ってもらうと同時に、日本の森林の現状に興味を持って頂けることを期待しています。国産材を使うことは国内林業の活性に繋がるため、森林の公益的機能を発揮させ土砂災害や河川の氾濫等の防止や山村等の地域活力の底上げや、二酸化炭素吸収という面では地球温暖化にも貢献します。

 しかし、無理やり国産材を使うような商品は、誰も幸せにしません。国産木材でハンガーをつくるにしても、消費者の皆様に求められる本当にいいものを提供したい、と我々は考えました。そこで、「NAKATA HANGER」ブランドで知られる、1946年創業で国内唯一の木製ハンガー専門メーカーである中田工芸社に相談しました。中田工芸社には我々の想いに共感いただき、今回コラボレーションすることができました。中田工芸社とのコラボレーションによって、「木のある生活」のよさを体感してもらうことができる素材・加工ともに最高品質の木目の美しいハンガーの製作の目途が立ちました。


リターンのご紹介

今回、クリア塗装したハンガーと、無垢のハンガーの2種類をリターンとして準備しています。

一般的にスーツハンガーやジャケットハンガーと呼ばれるスラックス等を掛けるバーが付いたタイプで、男性・女性ともにお使いいただけるサイズです。

バーはフェルト仕上げとなっており、掛けるものがズレない工夫がされています。

 ↑クリア塗装のハンガー

↑無垢のハンガー


今回、裏面の首側に中田工芸と阿蘇小国杉、全国森林組合連合会のJ-FORESTのコラボレーションロゴが入ります。


背面 ロゴ背面 ロゴ(拡大)


1本1本、手作りで作成するため、なかなか大量生産が難しいことから、今回は各15本の準備となります。

ただし、多くのお申込みがいただけそうな場合、追加で作製することも検討したいと思います(その場合も本数は凄く絞られると思います)。



製品情報・仕様

【阿蘇小国杉製スーツハンガー/クリア塗装】

材 料:ヤブクグリ

サイズ:肩幅:430㎜ 肩厚:57㎜

金 具:径5㎜台座付きフック(クロームメッキ)、フェルトバー

梱 包:化粧箱入り


【阿蘇小国杉製スーツハンガー/無塗装】

材 料:ヤブクグリ

サイズ:肩幅:430㎜ 肩厚:57㎜

金 具:径5㎜台座付きフック(クロームメッキ)、フェルトバー  

梱 包:化粧箱入り


※初めて作成する国産の杉材を使ったハンガーですので、商品の生産・検品には万全を期しているものの、材が柔らかいことによる金具のがたつき等が出る可能性(試作品での耐久試験では問題なし)がゼロではありません。ご了承を頂けますと幸いです。

※木材は天然素材のため木目が1本1本異なり、色にもバラツキがございます。また、木目の中に極小の節である葉節(ハブシ)という斑点があることがあります。これは、杉が成長していく中で、葉をつけるための休眠芽が局部的に発達した小さな生節で、斑点となってあらわれるものであり、病気や虫害ではありません。木材の味として、ご理解いただけますと幸いです。

※国産の杉は木材としては柔らかい素材であるため、ハンガーを固いものにぶつけたり、乱暴に扱うと傷や凹みの原因となります。この点ご理解のうえ、注意して取り扱って頂けますようお願い申し上げます。 



Q&A

Q. 名入れなどは可能でしょうか?

A. 今回は、初めての取り組みの先行販売ということで、個別の名入れには対応することができません。このプロジェクトが成功し、一般販売するタイミングで対応できるように検討したいと思います。


Q. どのような服を掛けるのに適しているのでしょうか?

A. 厚みのある形状となっておりますので、スーツやジャケットといった肩の形状をキープしたい服にマッチするハンガーとなっていますが、カジュアルな服にもお使い頂けます。ぜひ、お気に入りの服を掛けてみて頂きたいと思います。


Q. 写真によってハンガーの色味が違いますが。

A. 全てヤブクグリという品種ですが、色の薄いものから濃いものまで、色味にはかなり個体差があります。使用している写真は白っぽいものが多いですが、トップ画像でジャケットのかかった写真のように濃い色のハンガーも出てくると思います。自然素材ならでは木材の味として、ご理解いただけますと幸いです。 


Q. 使用上の注意を教えてください。

A. 御使用上の注意は以下の通りです。

・ 高温多湿な環境下でのご使用は避けて下さい。湿度により、塗装の剥離や金属部に錆が発生する恐れがあります。

・ クリーニング直後の衣料は、クリーニング溶剤を十分に揮発させてからご使用下さい。

・ 洗濯物の乾燥や、乾燥不十分な衣類のご使用はお避け下さい。

・ 直射日光に長時間さらすことや屋外での使用はお避け下さい。変色・劣化する場合があります。

・ 突起部があります。思わぬ事故の原因になりますので、小さなお子様に与えたり、手の届くところに置かないで下さい。

・ 火気や高温物の近く、水のかかる場所での使用や保管はしないで下さい。

・ 重い衣料品をかけると変形する場合がありますのでご注意下さい。

・ 地震等、予期せぬ事態でハンガーが落下することがあります。設置場所の下には大切な家具や割れ物等を置かないで下さい。

・ 破損・変形した場合は使用しないで下さい。

・ 衣類収納以外でのご使用はお避け下さい。

・ アンダーパーツ部を持っての使用はお控えください。破損する恐れがあります。



<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2022/06/14 11:03

    九州のほぼ中央、熊本県の最北端にある小国町は、約80%が森林の雄大な自然に囲まれた町です。また忘れてはいけないのは、 豊富な地熱・温泉資源にも恵まれた場所だということです。今回のハンガー用部材の乾燥はこの「地熱」を利用した、小国町森林組合の地熱乾燥施設で行っています。電気や化石燃料等を使わない...

  • 2022/06/11 08:31

    皆様のおかげで目標金額205%を突破し、用意しているハンガーは全て完売致しました!ご支援くださった皆様、本当にありがとうございます!!皆様からのご支援やご声援を受け、今後準備を更に進めてまいりますので、ハンガー到着までご期待ください。この度はご支援、ご声援の程、誠にありがとうございました。

  • 2022/05/31 16:49

    本プロジェクトのハンガーに使用する小国杉の製材風景です。美しい小国のヤブクグリをご覧ください。大きな丸太を、台車に載せて帯鋸で製材します。迫力がありますね!今度は別の丸太です。同じヤブクグリでも色味の個体差がかなりありますね。板材が取れたら、ハンガーに適した大きさの角材に割っていきます。余談で...

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