タトゥー裁判をあきらめない!日本初、裁判費用をクラウドファンディングで集めたい

集まった支援総額
¥3,385,500
パトロン数
222人
募集終了まで残り
終了

現在112%/ 目標金額3,000,000円

このプロジェクトは、2018/03/01に募集を開始し、222人の支援により3,385,500円の資金を集め、2018/04/20 23:59に募集を終了しました

日本で初めての、裁判費用を集めるプロジェクトです。ある日突然、自分の職業と表現方法を奪われたタトゥーアーティスト。一審判決は「タトゥーを施術するには医師免許が必要」としましたが、あきらめずに控訴審を戦っています。

はじめにご挨拶

はじめまして。私は大阪で弁護士をしている亀石倫子と申します。

このたび私が担当している裁判で、日本で初めて、クラウドファンディングで裁判費用の支援を求めるプロジェクトを立ち上げることになりました。

私が担当しているのは、29歳のタトゥーアーティスト・増田太輝さんが「医師免許がないのにタトゥーの施術をした」として医師法違反に問われ、昨年9月、大阪地裁で有罪とされた裁判の控訴審です。

プロジェクトをやろうと思った理由

私が増田さんから相談を受けたのは、平成27年のことでした。

そのころ大阪では、タトゥーの彫り師が「医師免許を持っていない」として次々に摘発を受けていました。タトゥーを彫るのに「医師免許」がいるとは思っていなかったので、直感的に「この摘発はおかしい」と思いました。

タトゥーアーティストとして10年近く活動してきた増田さんは、自分が誇りをもって続けてきた大好きな仕事が、ある日突然「犯罪」だとされたことにショックを受けていました。別の彫り師の方は、「この仕事で、妻と子どもを養っているのに、仕事ができなくなったらどうしたらよいのか…」と不安を口にしました。


いま日本には、彫り師に特化した資格やガイドラインがありません。しかしアメリカやイギリス、フランス、ドイツなど諸外国では、免許制や届出制、国が衛生管理基準を定めたガイドラインを作成するなどしています。

彫り師に医師免許を要求すれば、事実上、職業を奪うことになってしまいます。

突然タトゥーの彫り師がターゲットにされたことは、タトゥーにネガティブな感情をもつ人が多いことと無関係ではない、つまり、「多くの人にとって必要がないもの、好ましくないものは、多少行き過ぎた規制をしても排除してかまわない」という発想があるように感じます。

もし今、「この摘発はおかしい」と声をあげなかったら、これからも別のかたちで「社会にとって好ましくないものは排除しても構わない」を許すことになってしまうと思います。

これは、増田さんや彫り師たちだけの問題ではなく、社会全体の問題です。

これまでの活動

平成27年10月から、考えを同じくする弁護士7名で弁護団を結成し、裁判を戦ってきました。

この裁判のメインの争点は、医師にしか行うことのできない「医業」(医師法17条)とは何か?です。

弁護団は、この分野の法律の研究者や、現役の医師、憲法の研究者、長年にわたって「イレズミ」の研究をしてきた学者の方にも協力していただいて、タトゥーの文化的・歴史的な背景や、「自分を表現する行為」という側面からも検討を重ねてきました。

しかし大阪地方裁判所は昨年9月、タトゥーを彫るためには医師免許が必要だとして、増田さんに有罪判決を言い渡したのです。

このプロジェクトで実現したいこと

弁護団は控訴し、これから大阪高等裁判所での控訴審が始まります。

一審の有罪判決を受け、弁護側としては、さらに強力に主張・立証をしていかなくてはなりません。

医事法・刑法・憲法・社会学など、さまざまな分野の研究者と議論を重ね、また、この裁判のために意見書を書いていただいています。

また、諸外国では医師が独占する「医業」はどう考えられ、タトゥーの営業に関してどのような規制があるのかを調査するために、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの法律に精通した弁護士などに調査を依頼しています。これらの調査結果や参考資料を裁判の証拠とするためには、翻訳作業と費用も必要となります。

また、控訴審でどのような判決が出たとしても、検察側・弁護側のいずれかが上告し、戦いは最高裁まで続くことが予想されます。

そこで、この裁判の意義を理解し、応援してくださる方々に、ぜひ支援をお願いしたいと思い、増田さんと相談して、このプロジェクトを立ち上げることになりました。

資金の使い道

この裁判では、弁護団は、着手金や報酬をいただいていません。しかし、弁護活動には相当な経費(裁判記録のコピー代、交通費、調査費、研究者・専門家に支払う報酬、翻訳費用など)がかかります。

これまで、増田さんを支援する団体「Save Tattooing in Japan」を通じて多くの方々から寄付をいただき、その一部を弁護活動の実費として使わせていただきました。しかしこれから、控訴審、そして最高裁での弁護活動を続けていくためには、さらに活動費用が必要となります。

なぜクラウドファンディングで支援を求めることにしたのか

弁護士の業界では、社会的に意義のある裁判や活動に「手弁当」(=無報酬ではたらくこと)で取り組むことが、長いあいだ「美徳」とされてきました。

でもそれが可能だったのは、弁護士が経済的に余裕のあった時代のこと。

弁護士の数は15年前の2倍に急増し、競争が激しくなり、若手の弁護士は経済的基盤を確保するだけでも大変な状況になっています。社会的意義のある裁判や活動に取り組みたいという意欲はあっても、経済的・時間的には大きな負担になってしまいます。

それでも、若手の弁護士が、社会的に意義のある活動に取り組むためにはどうしたらよいか?

そう考え続けて、たどり着いたのがクラウドファンディングでした。

アメリカやイギリスでは、裁判費用を集めることに特化したクラウドファンディングがすでに始まっています。

裁判の当事者や担当する弁護士にとっては、広く社会から経済的な支援が得られれば、とても大きな力になりますし、裁判を続けるうえでの精神的な支えにもなります。

また、私たちは、テレビや新聞で裁判のニュースに接して関心を持っても、当事者が何を考え、裁判でどのような主張をして、どういう経過をたどるかといったことまでは、なかなか知ることができません。裁判の当事者を応援したい、裁判の経過を見届けたいと思っても、その方法がありませんでした。

これまで遠い存在だった「司法」が、クラウドファンディングを通じて身近に感じられ、社会全体の問題としていろいろなことを考えられるようになるかもしれません。

こうした思いから、裁判の当事者である増田さんと話し合い、このプロジェクトを立ち上げることにしました。ぜひご支援をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

プロジェクトオーナーからご挨拶

はじめまして、タトゥーアーティストの増田太輝です。

10年前、私が初めて「タトゥーを彫る」という表現を目の当たりにしたとき、ものすごい衝撃を受け、ほんとうに自分がやりたいと思えることに出会えた、と思いました。

それから毎日、夢中で絵を描き、自分にしか作り出せない表現、スタイルを探し続けました。とにかくうまくなりたくて、自分の体を練習台にして腕を磨きました。

ところが平成27年、「医師免許を持っていない」として、私は突然、刑事裁判の被告人という立場になり、昨年9月に有罪判決を受けてしまいました。

私は、自分を表現する手段として、そして、自分の生き方としてタトゥーを彫ることを選び、この仕事に誇りをもって生きてきました。このままでは、私たちの仕事が、タトゥーという表現が、永遠に奪われてしまいます。

私たちが安心して働けるようになるために、これからも裁判で戦い続けたいと思っています。

どうかご支援いただけますよう、よろしくお願いいたします。