この物語の始まり。

今年、夫婦合わせて101歳になる私たちには4歳になる娘がいます。

(この写真は娘3歳時)

そんな家族がこの鹿児島県霧島市へと移住してきたのは1年半前のことでした。

外食を生業としてきた私たちにコロナ騒ぎはたくさんの機会を与えてくれました。そのうちの一つが霧島移住ですが、

移住してすぐに未経験の異業種である宿泊業への進出にチャレンジすることになり、そのプロジェクトをこのcampfireで発表しました。


そしてたくさんのご支援を頂き終了しました。



旅館を始めるために移住したわけでなく、「ご縁」で旅館が始まったわけですが、
この「誰も見向きもしない古民家」を「お客様を迎える戸建旅館」に自分たちで改装して開業していく様子は
地元の方々に興味を持って頂いていました。そして、その中のある方から声が掛かりました。  

「うちにも放置物件があるんです。ちょっと相談にも乗ってもらえませんか」というお声かけでした。

元々コロナ前までの本業として飲食店の開業プロデュースをしていたので、そういうお声がけは日常的にありましたから喜んで伺うことにしました。


現地での新たなご縁と取り組み。

現地にて。

Google mapはここです。


その放置物件の現地はこれまたなかなか迫力があります。

一つの敷地に3つのエリアがあります。


のエリアは、2階建です。(下写真⇩)
1階は元パチンコ屋さん、2階は元雀荘だったようです。

おそらく1階部分で80坪ほどありそうです。


そして
のエリアは
平屋に二階建て部分も併設です。

(この写真は初期の段階ではなく後述する、片付けモードに入って無料プレゼントをしていた時のものです。)


初めて訪れた時の感想は
「なんだこりゃ?」です。
と、同時に
「うわっ もったいない!」でした。

のエリアは、1階のパチンコ屋さんの跡地にはパチンコ台も無く、2階の雀荘跡地にも麻雀台も無く。
でも、のエリアには、元々カフェや家族湯の居抜き状態で必要なものは揃っている感じです。
それ以上に何かわからないものもどっさり残っている感じです。

は当時小料理屋さんとしての看板が上がっていましたから中は見ていません。



これは全部稼働すると複合施設ができるよね?
でも、こんな大きな施設、自分たちだけでどうしたら良い?

プロデューサーとしてはモチベーションは上がりますが、たくさんの葛藤がありました。
パチンコ屋さんの跡地は天高が高く窓が少ないので、イベントスペースで。
雀荘の跡地は見晴らしが綺麗なのでゲストハウスかシェアオフィスで。
カフェ、家族湯の跡はもちろんそのままカフェと家族湯で。
でも
私たち夫婦だけではそんなに始められません。

初期投資が少なくて、収益までの道が少しでも早いもの。。。
結論的にはカフェと家族湯跡地のの部分から始めることにしました。

理由は、必要なものは揃っていて不要なものを廃棄して片付けさえしたら新たにスタートできる気がしてました。

ふと、というか改めて疑問がありました。
なぜこの物件はこの状態なんだろう?です。

相談された先方に伺いました。

「実はこの物件は先代の社長が購入したものなんです。そしてカフェや家族湯を始めてたんです。
1の部分は大きな倉庫として使っていたようなんですね。
その先代が数年前に急に亡くなり、弟である自分が跡を継いだんですが引き継いだ本業が忙しく、この物件まで他が回らないまま置き去りになっていたんです」
という回答を頂きました。それを聞いて、育児の場所としてこの地を選んだ自分たちは、自分たちが何か街のお役に立てることなら、と前向きに検討を始めました。

上の写真はそのオーナーからほっこりする当時の宣伝用写真をいただきました。
夢がある写真ですよね。


私たちは、先代オーナーが残した居抜きだからとそれを復活させることだけを考えるのではなく、
癒しのカフェとくつろぎの家族湯? そんな簡単な表面的なものではなく、なぜこれを始めたの?と聞かれた時に明確に回答できるコンセプトが必要と考えました。

飲食業で生活してきた自分たちはカフェだけならコンセプトは作りやすかったと思われます。
今回は家族湯があり、尚且つそれを受け止めるロケーションもあります。
私たちビジターがここにこのお店を作って何がしたいのか?何のためにやるのか?どうなりたいのか?
夫婦で何回も考えて見えてきたものがありました。

ビジターの私たちが育児で移住してきたのを受け止めてくれた(はずの)地域の方々に
お役に立ちたくて始めるので、応援する!の意味を込めて「chest」としました。
このチェストというのは通常は「収納、引き出し」などのイメージがありますが、鹿児島では「それいけ!」とか
「GO!」とかの意味があります。
また「知恵を捨てろ」語源説があり、“何も考えず無になれ”といった意味での「知恵を捨てろ」が、早く言うと「チェスト」になるというもの。 また、テレビドラマでも「チェスト行けー」で知られたフレーズでもあります。

ビジターとして迎え入れてくれた地域に 今度は私たちができる応援をしよう! というコンセプトで始めることにしました。


この地域の家族湯というポジション

鹿児島県は温泉で有名です。しかも霧島温泉郷の中にありますから当然温泉だらけです。
ただ、温泉の性質上、平地ではなく山間部というのはそもそも水量が違いますので、平地よりも貴重な感じは見受けられます。
こちらに来て家族湯という文化を知りました。通常の銭湯は一人いくらで入りますが、家族湯は個室のお風呂になっていて1室1時間いくら、というスタイルでこの部屋には何人入っても同一料金です。
なのでお子様のいる家族や、介護されている方、知った人とワイワイ入浴、タトゥーの方も入れて、など楽しいメリットの多いスタイルです。私たちは移住当初からいろんな立ち寄り温泉や家族湯を巡っていました。うちのように幼児がいるとどちらかが連れて入浴するより、一緒に入ると助かることも多く、いろんな温泉、いろんな家族湯に遊びに行くことは楽しいレクリエーションでした。

そんな自分たちが今度はお風呂屋さんとしてお客様を受け入れるわけですから、これまたワクワクしてきます。
お風呂だけでも楽しいのに、お風呂上がりに飲み物があったり、お風呂前に食事ができたり。
都市部にあるスーパー銭湯のような仕組みはこのあたりには有りません。私たちが提案できそうに考えたのもそこなんです。

もう一つのテーマですが、霧島では大きなホテルや温泉旅館などで「立ち寄り湯」をやっているところがたくさん有ります。
宿泊者のチェックアウトから夕方の食事時間くらいまで、一般客の入浴を入れてくれるのです。ところがこの立ち寄り湯は宿泊のお客様が入られる時間にはほとんど一般は入れず、すなわちこの山間部では夜になったら立ち寄れるお風呂がほぼ無かったのです。それなら私たちがお風呂屋さんを始めることで、地域の方はもちろんビジターの方々にも喜んで頂けると考えました。


どんなお店を作ろうか。

残っているものを最大限活かしてお店を作りたい。
足らないものだけ買い足して、あるものを工夫して。
そうなんです。かなしの残地物がありました。
廃棄するのにも結構な費用がかかりますし。
いずれにしろ、作業は膨大にあるが専門家に来てもらってするものはほぼ無い、と。
となるとまたしても我が家で手作業を頑張ろうということです。
娘が幼稚園の時間(9〜15時)だけの作業で終わるような気が全くしなかったので、住み込みで進めようという話となりました。2階部分は元々リフォームされていて広くは無いですが寝泊まりは出来そうだったのです。渋々了承した奥さんとの手作業です。とにかく引越しをこれまた自分たちで進め、朝から夜まで作業に明け暮れました。
そして、本来廃棄するような備品類を無料で持ち帰ってもらおうと考えました。
それ自体が広告にもなるかもとの皮算用も含めて。

食器、家具、厨房器具、営業中の看板さえも残地物です。
これを無料プレゼントとして陳列しました。
徒歩で前を通る人はほぼ居ない、国道から少し離れた道路沿いです。
果たして持ち帰ってくれるのだろうか?

そんな心配をしながら置いてみたら。。。

2ヶ月かかりましたが、すっかり全て回収されました。びっくりです(自分で考えたのに)
誰もいない早朝に来る方、誰かに聞いたと来られる方、以前のお風呂の話をしに来てくれる方。
いろんな方が日に日に来店されて物色してもらいました。
なんだかとてもお友達が増えた感じで、どんどん外に運び出すことが楽しい日々でした。

備品が減ってくると修理、改装です。ぱっと見は使えそうでも実際に動かしたりリアルになるとダメなものもたくさん。
今回は改装の予算も取れないので自分たちの手作業が多くなるのですが、それでも店舗なのでお客様を迎えられるように、興味を持ってもらえるように、インパクトのあるファサード、などを考えるとやはり自分だけでは心許なく助っ人を呼びました。
前回の旅館の際に1日だけ来てもらいファサードのパースを描いてくれた工務店の社長、宮川さんに再度頼ることにしました。
店舗の施工はカルドプランニング
(左が宮川社長)今回は3日間の滞在をお願いしました。

今回は実技指導含めて、同じ手作業をたくさんお願いしました。
そして前回同様、ファサードのパースで前回イメージを固めます。

これがイメージです。道路からは傾斜があるので1番視認性があるのは屋根なのでそこに着色しようと計画しました。
この辺りでは一般的なんですがアルミサッシが多いのです。店舗なのでなるべくアルミサッシを見えないようにする為に柱を立てようという図案です。応援するお店なので明るいイメージは必要では?と屋根はオレンジ塗装の予定です。そこに看板をつけることで視認性を上げようという計画です。

そして柱の設計図はこちら⇩

実際に施工いただく現地の大工さん(旅館でも大活躍だった越田さん)と打合せしてもらいレクチャーしてから大阪へ戻られました。
そこからは越田さんにお願いしています。旅館から年月が経ったので越田さんはオン年82歳現役です、

越田さんに日々勇気をもらいながら進めています。

そして肝心のお風呂ですが、なかなかの荒れ具合ではありました。

これを、洗い、磨き、補修して使えるようにしています。

この通路もゴミを捨ててこんな感じです。

「磨けば光る」を信じて日々磨いています。

そして
少しづつ出来上がりながら、保健所の許認可も取れたので営業を始めます。

少しお子様が喜んでくれるお部屋も作りました。


もちろん源泉掛け流しです。


脱衣所がゆったりしているタイプです。


和 を意識した部屋です。


カフェの店内です。あるものを並べただけなのでまだまだ未完成。お食事は可能です。


誰かに弾いてほしいストリートピアノも入り口でお客様をお迎えします。


ファサードの現状です。図面に近づくように進んでいます。
当初の屋根部分の看板を、左につけることで屋根のカラーがさらに引き立つように組み替えました。
緑の椅子はフォトスポットになってほしいと思いまして。。
早く屋根を塗りたいのですが、高圧洗浄→下塗り→塗装の順なので洗浄からですが、思ったより角度が急で
めちゃめちゃ怖いんです。。そして晴れの日にしか出来ない!



洗浄までは終わったので、次の晴れには下塗り、塗装を実行します。
こんな新しい体験ができることに毎日ワクワクです。

私たちがやりたいこと。

地域の方々を応援したい、とは考えていますが具体的には、

お一人でも立ち寄れるカフェ
外出の楽しみとして
一人でも楽しめる家族湯(おひとり様プランもあり)
何かとイベントごとがある
食事と入浴が一つになっている
いつもワクワクなスィーツがあるカフェ
お父さんはお風呂上がりに生ビールが飲みたい、を実現できる
昼間に少し遅い時間に食事がしたい
地域の方への街の情報やイベントなどの情報が集まる
ビジターが移住の下見に情報を集めに立ち寄る
近所の居酒屋代わりに

などなど盛りだくさんですが、全て実現します。すでに始めています。

標高の高いところに、ちょっと年齢層の高い「サードプレース」を作りたいのです。

形は出来てきましたが、お客様の満足度や店舗のコンセプトを追求するには全然役不足です。
ですから新たにクラウドファンディングに挑戦することにしたのです。


資金の使い道として、

現在の開業計画では以下の項目の支払いがあります。
不用品の廃棄→ 無料にて配布
脱衣所のクロス張り替え→ 約150,000円
玄関周りの柱→ 約50,000円
塗り替えの塗料等→ 約100,000円
各部屋照明器具→ 約80,000円
電気工事→ 約55,000円
厨房器具備品→ 約50,000円
外部照明→ 約90,000円
屋根看板(8626)→約 30,000円
衛生備品→ 約30,000円
許認可費用→ 約70,000円
改装、補修用備品→ 約150,000円
屋根の修繕→ 約300,000円
その他経費及びcampfire手数料 
計 約1,500,000円


資金の調達方法は、

自己資金 1,150,000円
お祝いご祝儀 50,000円
campfireご支援 300,000円予定

計 約1,500,000円

(ご支援が目標を超えた場合、次のリフォームに充てさせて頂きます。)


特に屋根の修繕は雨漏り対策として必要です。

すっかりと腐敗して手で穴が開く防水効果の無い屋根。

なんとか防水シートで賄っています。

こんな風に、修繕はキリがないほど出てきますが、随時営業しながら修繕を続けて参ります。
目標金額を超えた場合、次のリノベーションに全額活用させていただきます。

日々の状況や営業に関して、イベント情報などはinstagramで発信しています
ぜひフォローしてください!

chest instagram


実施スケジュール

4月29日 カフェ プレオープン
6月19日 家族湯 プレオープン
6月末   クラファン スタート
6月30日 グランドオープン
7月末   クラファン終了
8月中   リターンの発送
改修工事は随時実施予定。
本当に随時進めています。晴れたら塗装、雨なら製作等。


リターンのご紹介

まずは

✴︎ 「チェスト!とにかく応援!」3,000円〜
霧島には行けないけど、面白そう!と思っていただいた方向け。
金額は3,000円以上は任意です。
✴︎ オリジナル アクリルキーホルダー 2,000円
cafe&spa chest のロゴまーくの正方形の形のキーホルダーです。
いろんなところに連れて行ってあげてください。

✴︎ オリジナルロゴマーク入り エコバッグ 5,000円
キリシマスタイルのロゴ入りと、chestのロゴ入りの2個セットです。
使い分けてあげてください。

✴︎ オリジナルロゴマーク入り Tシャツ 5,000円
オレンジと黒の2色展開。子供用のサイズもあります。
袖にキリシマスタイルのロゴ、背中に大好きなメッセージを入れてます。

✴︎ オンライン座談会 参加券 3,000円
私たち夫婦と、移住や子育て、経営などのぶっちゃけトークを楽しんで頂こうという企画です。
リターン発送後に双方のスケジュールを決めて実施予定です。

✴︎ 家族湯年間パスポート 1年分 200,000円
1年間温泉入り放題のパスポートです。金額的には一番お得です。

✴︎ 家族湯年間パスポート 半年分 100,000円
半年間、温泉入り放題のパスポートです。

✴︎ 家族湯 回数券12回分 10,000円

✴︎ 家族湯 回数券24回分 20,000円

✴︎ 貸切パーティー ご利用券 〜25名様まで 100,000円
有効期限は2023年9月からの6ヶ月間。

あらゆる角度のリターンを作成しました。
どうぞご支援よろしくお願いいたします。


最後に

私たちは元々、子育て目的での移住でした。
しかし、たくさんのご縁の中で今回のプロジェクトもスタートすることができました。
ビジネスで優位を考えての移住ではないので、単なるビジネスとしてのスタートではありません。
地方の創生、再生は「住みたくなる街を創る」だと考えます。
地域活性化はビジターの私たちの仕事ではありません。
その街にあれば喜ばれるが、その街にないものを創るのがビジターの業務と考えました。

カフェの併設された家族湯。
このお店がきっかけで、業態がコラボしたお店が世の中に増えることになれば
楽しいし、いろんな方が住みたい街になるかなーと
楽しみにオープンします。

ぜひ、皆様も楽しんで参加してください。
同じパターンは全国に可能です。

皆様のご支援、心よりお待ちしております。


<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2023/09/23 17:05

    本当にお待たせしました。申し訳ありません。デザイン間違ったりあれやこれやでばたついてたりでとても時間がかかってしまいました。このTシャツのメッセージの意味は「まずは目的だ!方法はそれからだ!」という意味です。都心部から離れて生活してみて、視野が変わりました。良い悪いではなく、です。街で高速でt...

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    暑い日が続いてますね。いろんな方から、まだまだ残暑が厳しいね。まだ夏よねーって会話を聞くんですが、この辺りは標高が高いので、すでに「秋」です。すっかり涼しいです。もちろん、日中太陽が当たるところは暑かったりしますが、時折夕立のように雨が降ったりするともうすっかり涼しくなります。chestの店内...

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