合同会社memo’tock CEO(最高経営責任者)の坂本太一です。

生まれも育ちも東京ですが、コロナをきっかけに北海道の道北に移住し、リモートで大学の授業を受けながら起業した、23歳の北海道大好き人間です。


●道北とは

北海道の中でも北の地域「道北」は、
日本の他の地域では見られない、景色、食べ物、文化、気候、産業…

独自の魅力でいっぱいです。特に、広大な北の大地に広がる風景は、全国から訪れる多くの旅人を虜にするパワーがあります。

夏には非常に冷涼な気候で過ごしやすい一方で、冬は-30℃にもなる厳しい寒さになりますが、そういった自然の力強さを感じることができるのも、この地域だけの大きな魅力・楽しさの一つです。

一方で、厳しい現実があります。

全国でもトップクラスの人口密度希薄地帯の道北では、バスや鉄道は減便と廃止を繰り返し、飲食店は閉店、ホテルや温泉施設も次々に倒産・廃業。

高齢化と人口減少の脅威は凄まじく、産業の担い手不足で地域の機能停止、集落消滅が目前に迫っている地域も珍しくありません。

それが今の道北の実態です。



●会社紹介

幌延町問寒別に構えている会社事務所 元呉服店を改装して使用している

多くの素晴らしい魅力がある道北地域が、いま目の前で消えようとしている。

そんな道北を、自分たちの手で元気にしたい。

できることをやってみよう。


そんな思いを持った大学生、大学院生が集まって、この会社は2021年に誕生しました。


「合同会社memo'tockって、何してる会社ですか?」

我々が事業を進めている中で、様々な方にされる質問です。
いわゆる「よくある質問」というやつでしょうか。


ズバリ解答は、

「地域のためになる面白いことなら、なんでもします」

です。

地域イベントでの出店の様子


通常の会社は、「建設業」「IT関連」「飲食業」など、特定の分野の事業を展開しますが、
ウチの会社は、「道北地域」というエリアに対して事業展開をしています。そのため、地域でやりたいこと、やったら面白いこと、地域の未来に繋がることを考え、様々な分野に対して挑戦しています。

具体的には、
●近隣市町村からの委託事業(地域交通のシステム開発など)
●観光協会などと協力したお土産品の開発
●市町村を跨いだ広域的なレンタサイクルの開発
●JRが運行する観光列車での車内販売、観光放送の実施
●地域事業者と協力した事業(オンラインショップの開設、低未利用地の活用)
など、多岐に渡ります。

新しいことへの挑戦だらけのこのやり方は、正直ビジネスとしては効率が悪く、利益の上がるものではありません。一方で、その毎日の挑戦から来るワクワクが、我々会社メンバーのモチベーションであり、成長であり、地域が生まれ変わるきっかけ探しになっているのです。


合同会社memo'tockとは、

若者が、
地域課題に正面から向き合い、
これまでに無い斜め上の解決策を提案し、
実際に地域でやってみる会社

です。



現在は、20代前半の道外出身メンバー10名が、全国各地からオンラインも併用しながら一緒に挑戦しています。

メンバーは個性豊かで、年齢、出身地、性別、現住所、専門分野、得意なこともバラバラです。
統一感が無いように見えますが、だからこそ、様々な視点と能力を駆使し、どんな課題にも対応できるチームとして活動しているのです。

社内オンライン会議の様子

今回のプロジェクトは、地域に面白いコンテンツを作ることに全力投球する若者の会社が、地域課題解決のために発案したプロジェクトです。




●地域が抱える課題「飲食店に行けない」

問寒別市街地の全景

道北地域は、日本でもトップクラスに人口密度が低い地域です。

他の地方部と同じく、道北でも高齢化と人口減少は進んでいますが、元々の人口が少ないため、その影響は大変大きく、地域に重くのしかかっています。

そんな道北地域にも僅かながら飲食店は存在しますが、路線バスや鉄道の本数は少なく、飲食店までの距離が遠いことからタクシーも高額に…

例えば、会社が所在する幌延町問寒別から最寄りの飲食店までは車で16km20分弱。鉄道で行くこともできますが、帰りの最終列車は17時台。タクシーでは、5千円以上の金額です。


お世辞にも「気軽に」行けるものではありません。

これは道北地域に限った話ではなく、道内の多くの地域、さらには全国の過疎地でも、似たようなの課題を抱えている地域は少なくありません。

「気軽に外食をする」「夜、知人とお店にお酒を飲みに行く」という、都市部では当たり前なことができない環境なのです。

この状況を改善し、地域の活性化を図ると共に、地域全体の住み心地の向上に貢献したいと思い、このプロジェクトの企画に至りました。


●普通の飲食店では… 難しい。

「飲食店が無いなら、新たに普通の飲食店を作れば良いではないか。」

私も最初はそのように考え、計画こそしましたが、断念しました。
飲食店開業が難しい理由は、主に次の2点です。


①人口規模的に、採算が取れない

まず、根本的に商圏人口が足りません。弊社の所在する幌延町問寒別の集落は市街地に200人弱、郊外を合わせても300人には届きません。(これでも、この辺では比較的大きい集落です)

これでは、地域の方に好かれるお店づくりを頑張っても、営業日数を工夫しても、開業にかかる初期費用の回収は困難なのです。

幌延町問寒別の市街地の様子

②徒歩圏内の住民以外は、何も変わらない

この地域の主幹産業は、酪農、農業です。そのため、集落の外に居住する方も多くいらっしゃいます。

隣の家まで2㎞… なんて当たり前の地域ですので、徒歩での移動は現実的ではありません。

また集落の中に居住する方も安心はできません。冬は最低気温-30℃にもなり、多くの雪が降るこの地域では、冬季の徒歩移動には限界があります。

大半が特別豪雪地帯の道北地域 雪の日は市街地ですら歩くのが大変

するとどうでしょう。

一般的な店舗では、お店のすぐ近くに住む一部の方以外、従来と何も変わらないまま。

気軽に飲食店に行けないままなのです。


「じゃあ、(一般的な)キッチンカーを用いて、キッチンカーの前に椅子と机を並べればいいではないか!」

と、思って3秒でやめました。


寒すぎるんです。


ココは日本最北の地域。日本地図の一番上ですから、冬だけではなく、夏も寒いんです。

夏でも、夜は気温15℃前後、盆踊りや花火大会は寒さに震えながら…なんてよくある話です。

しかも、道北の「夏」と呼べるのは、7月から8月の僅かな期間。6月や9月は氷点下になる日もあり、とてもじゃないですが、「外でごはん!」なんて気温じゃありません。


冬の長い北海道の北の果てで、移動できる飲食店を作りたい… そのためにはどうすればいいか。



ん…?


路線バスを店舗に見立てて、中で飲食できるようにすればいいのでは???


私が導き出した結論はコレでした。


バスとして走れるなら、どこへでも行ける。


人口の少ない集落でも、週に1日程度であれば採算が取れるかもしれない。

要望があれば、集落の外に住んでいる個人の家の前でも出店できる。

徒歩では帰れないお客さんの家の前まで送り届けることだってできる。

雨の日も、氷点下の日も、雪の日も、安心して快適に過ごせる環境を作れる。

1つの店舗で、地域に住む多くの方にとって「気軽に行ける飲食店」になれるかもしれない。


新しい形の飲食店「お客さんのいるところまで自ら動く、移動飲食店バス」の誕生です。


バスの完成イメージ図面



●各設備の機能

・キッチン
キッチンには、一般的な飲食店として必要な機能を備えます。充分な容量の水道タンク、電子レンジ、ガスコンロ、調理台、大型冷蔵庫などを設置予定です。

・バーカウンター
車内には、バーカウンターを設けます。
一人の方でも気軽に来れる店内環境を作ると共に、店員とお客様のコミュニケーションの場として活用します。
通常のカウンターとしての機能も併せ持ち、テイクアウトの受け渡しなども可能です。

・ボックス席
バスの最後尾に、4名掛けのボックス席を2つ並べます。
2つを合わせて使うことで、地域の方が集まる場としても活用できる構造としています。

・お手洗い
飲食店としてお手洗いは欠かすことができません。冬でも快適に利用できるよう、車内に洋式トイレを設置します。洗面台も併設しており、トイレと、トイレに併設する洗面台で使われる水は、キッチン用とは別のそれぞれのタンクから供給され、衛生面も安心です。

・出入り口
冬の厳しい寒さにも耐えられるよう、二重扉を装備します。

・バッテリー
市街地での夜間営業を想定し、発電機ではなくバッテリーで電力をカバーします。


●クラウドファンディング達成後の流れ

・保健所、陸運局等の行政機関への最終確認
今回の事業計画については、既に保健所、陸運局への交渉、確認を行っており、実現しても問題ない旨の確認をとってありますが、最終的な確認連絡を行い、相談しながら微修正を行います。

・中古路線バスを購入
中古バスの販売を行っている業者と相談の上、バスを購入します。

・バスをDIYで改造
計画の図面に沿って、バスを飲食店に改造していきます。
これまでの複数回のリフォーム工事の経験や、電気工事士の資格を活かして、DIYで行う計画です。


現在の事務所も、空き家だった呉服店の建物をDIYで改装したもの

改装前の部屋

・車検の取得/保健所の営業許可申請
今回のバスは、”移動”できて初めて力を発揮するプロジェクトです。
「公道を走れる」移動飲食店バスにするため、旭川陸運局にて車検を取得します。
もちろん、キッチンカーとしての保健所の営業許可も取得します。

・営業開始
全ての準備が整ったら、私が運転席のハンドルを握って、様々な場所へ向かいます!

法令上は大型一種免許で運転できますが、お客さんを乗せて運転する可能性を考慮して、2022年春に大型二種免許を取得済みです。


●営業形態

営業形態としては、主に3通りを計画しています。

・通常営業
私をはじめとする弊社の社員がキッチンに立ち、各集落を1日毎に巡回して、営業します。
お客様のご自宅の場所によっては、お帰りの際にバスを走らせてご自宅の前までお送りします。

・貸切営業
新年会などのご予約があれば、お客様のご自宅の前まで伺って営業します。

・コラボ営業
地域の飲食店さんと一緒に営業し、普段はお店でしか食べられない味を色々な集落で提供します。


いただいた支援金は、下記のとおり大切に活用させていただきます。

・中古路線バスの車体購入費用 230万円
・バスのリノベーション費用 70万円


なお、目標金額を超えた場合は、


・厨房設備の導入費用 200万円
・バッテリー/電気設備 150万円
・トイレ設置費用 50万円
・中古路線バスの北海道までの輸送費 30万円
・中古路線バスの維持費、整備費用、燃料代 
・バス駐車場所の整備費用

に充てさせていただきます。



このプロジェクトは、飲食店へのアクセスが難しい地方の課題を解決したいと思い立ち上げました。

全国の過疎地で抱えるこの問題を、ここ道北地域から解決し、一人でも多くの人に「地方でも便利で快適」と思って頂きたいというのが私の願いです。


当初は自己資金のみでの開業も模索しましたが、どうしても資金が足りず、最後の頼みの綱として、初めてのクラウドファンディングに挑戦しています。

正直、目標金額達成できるか、不安です…

それでも「移動飲食店バス」の実現のためには、皆様のご支援がどうしても必要です。


道北の、そして全国の過疎地の課題解決のために…


ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。


<募集方式について>

本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、支援金額は返金されます。

  • 2024/01/31 17:00

    いつも応援いただきありがとうございます!合同会社memo'tockの坂本です。クラウドファンディング終了から早いもので2か月ということで、最近の進捗状況についてご報告させていただきます。~~~~~◆ グッズのリターン品を発送しました今回のクラウドファンディングにご支援いただいた方のうち、1月に...

  • 2023/12/01 20:47

    この度は、弊社合同会社memo'tock企画の #移動飲食店バス クラウドファンディングにご賛同いただきありがとうございました。地域内外の多くの方からの温かいご支援を頂いた結果、本プロジェクトは目標金額を上回る合計368万1,126円のご支援を、197名の方から頂くことができました。改めて、心...

  • 2023/11/29 20:01

    みなさまからの応援、いつもありがとうございます。移動飲食店の導入に向けたクラウドファンディングは、昨夜、なんと_人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_> 目標金額の300万円を超えました!!!! < ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄現時点で、支援者17...

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