山梨県上野原市西原。小さな山村に受け継がれてきた「雑穀」の種・食文化。そこには土地の自然とともに生きる知恵、持続可能な暮らしへのヒントが詰まっています。消えかかる地域の雑穀を、みんなで育て、食べ、学び、次世代につなぎたい。 より多くの方と共に受け継いでいく形を作るため、雑穀トラストをはじめます!

プロジェクト本文

 お山の雑穀応援団プロジェクト/冨澤太郎(やまはた農園)  

■小さな山村だからこそ受け継がれてきた、地域の種、自然の中で暮らす知恵と技

山梨県上野原市の山村、西原(さいはら)地区。東京との県境にありながら、タイムスリップしたかのような里山の景色が広がる、秘境の地です。

 食べるものや暮らしに必要なものを自らの力で自然の中から生み出してきた、地域のおじい・おばあたち。山間部の畑は傾斜地が多く、機械に頼ることもできないため、今も手作業が多く残っています。お金があれば何でも買える時代に生まれ育った私たちにはできないことを、彼らはいとも簡単やってしまう。そうした知恵や技を学び、つなげていきたいという思いから、地域の仲間と共に、野菜・穀類の生産、交流や学びの場づくりに取り組んでいます。

地域のおじい、おばあたちは、昔から鍬一本で畑を耕し、自分たちが食べるものは自給していたといいます。彼らが作っている作物には、先祖代々受け継がれてきた“地のもの”が多くあります。中でも、きび・あわ・ひえ等の雑穀は、やせ地でも育ち栄養価が高い有益な作物であり、稲作に不向きな山間地では麦や芋と並ぶ主食として、古くから人々の食を支えてきました。

 

■西原地区で育てられている雑穀ってどんなもの??

現在、西原地区で雑穀を栽培する人はごくわずかですが、地域の在来品種を含め10数種類の雑穀が栽培されています。

ここで主要な5つだけご紹介!

 

◎モチキビ、メシキビなどキビ各種 

米に比べて鉄分、食物繊維、たんぱく質の豊富な穀物です。

モチ品種とメシ(うるち)品種があり、炊いて食べるほか、黄色が鮮やかなのでハレの日にキビ餅、搗き饅頭にしていました。隣の村ではかゆにして食べる家もあったそう。粒の色は黄色ですが、黒皮、白皮、橙色など皮の色が様々あります。

◎むこだまし(モチアワ)、ねこの手(メシアワ)など アワ各種

 鉄分やビタミンが豊富に含まれる穀物で、大きく分けてモチアワとメシアワ(うるち)があります。キビ同様に炊いて食べるほか、モチ米と搗いてアワ餅、搗き饅頭にします。かつて米の貴重だったころは二・八といって米2に対しアワ8の割合で、よく食べられていました。 

在来のアワ

 

「ねこの手」と呼ばれるうるちアワの一品種。

 

◎タカキビ

別名コウリャン。西原では「ホモロコシ」と呼ばれています。西原では2種類が栽培されています。タンパク質とミネラルが豊富で、ベジタリアンの方には“タカキビミート”として挽肉のように料理されることも多いです。モチにすると赤飯のように色がつくため、ハレの日のお饅頭などに使われます。

◎シコクビエ

あまりメジャーな雑穀ではありませんが、西原地区ではかつては日常的に食べられていました。

粉に挽いてこねると、小豆のような色になります。饅頭や焼きもちなどにし、普段のおやつに食べたそう。

世界的に食されている雑穀でもありますが、現在日本ではごくわずかしか栽培されていません。

 

◎甲州モロコシ

昔モロコシなどと呼ばれ、乾燥させて粉やひきわりにしたものをモチやおかゆにして食べていました。

実が若いうちは塩ゆでして食べるとモチモチして噛めば噛むほど甘みの出てくるトウモロコシ。

今主流のスイートコーンとは違った美味しさです。

 

この他にも、ハトムギ、ヒエ、ソバ、大麦、近年ではアマランサス、キヌアなども栽培されています。

 

■このままだと消えてしまう?

戦後、山村の自給自足の生活が一変し、何でもお金で買う時代になると、食生活も大きく変化しました。日常的に米を買って食べるようになり、これまで主食だった麦や雑穀は急速に作られなくなっていったのです。

ここ西原でも、今ではほんの数軒で、ほぼ自給用に栽培されるのみになりました。

 現在、全国的に雑穀の栽培者は激減し、この地域の栽培者も高齢化が進み、ほとんどの方が80代以上です。また、雑穀を日常的に食べてきた、食べ方やその価値を身体で知っているのも、同じく70、80代以上の人たちです。もし彼らが雑穀を作らなくなったら、先祖代々受け継がれてきた種は消えて無くなってしまうかもしれない。

 

▼鳥の食害を防ぐための網掛けも、手間のかかる作業です。

 

私たちは数年前から種を分けてもらい、雑穀の栽培に取り組んでいます。

(→昨年は雑穀の村復活プロジェクトを実施

しかし、雑穀は野菜よりも収穫までに時間がかかるうえ、近年は作付け面積の減少により野鳥の集中攻撃を受けるようになり、鳥よけネットの設置が必須であったりと人手もかかり、何かと苦労が多い作物です。傾斜地ゆえ、小規模ゆえに機械化されない部分も多く、そこに文化や技術もあるのですが、生産性の面だけを考えれば、とても非効率で採算が合いません。それでも何とか採算を合わせようとすると、誰も買えないとても高価なものになってしまうのです。

 

私たちは雑穀で育ったようなもんだ。

と地域のおばあたちは口々に言います。昔の食べ物のことをきくと、様々な雑穀食や保存食を教えてくれます。

山村の厳しい自然条件により、麦や雑穀を中心とした食文化、生活様式は形成されてきました。いまでこそ健康志向で注目されていますが、先人たちも雑穀が持つ栄養価や保存性の高さを評価し、それらを食べる文化が発展し伝承されてきたとも考えられています。

▲ホモロコシ(タカキビ)とモチ米を合わせた搗き饅頭は行事の時などに食べられていました。素朴で滋味深い味わいです。

 

▲日常的に主食として食べられていた「おばく」は大麦と季節の野菜・豆を煮込んだ郷土料理。麦の優しい甘み。

▲穀物の製粉、精白・皮むきに、今も水車が現役で活躍しています。

 
■生産者と消費者の壁を越え、みんなで雑穀を次世代につなげていきたい!

雑穀は、山村での暮らしの知恵や技を、日々教えてくれるおじい、おばあたちを象徴する作物です。

この地に受け継がれてきた雑穀の種を次世代につなげたい、貴重な雑穀をより多くの方に食べてもらいたいという思いから、

 

雑穀トラスト「お山の雑穀応援団」

 

を始めることにしました。

「トラスト」は、生産者と消費者が直接つながることで、価値があるけれど市場流通しにくいものを作っていこうという取り組みです(日本では大豆のトラスト運動が活発です)。

 

この里山の環境で、雑穀の大量生産はできませんが、地域の雑穀を作り継いでいくことには価値があると考え、共感していただける皆さんの手を借りて、持続可能な生産体制を作りたいと思っています。

みんなで共に雑穀をつくり、受け継がれてきた文化を学び、自分の手で作ったものを食べる。

その循環を、地域外からのメンバー、移住者、地元の人たちが交流しながら、ともに作っていけたらと思います。

いつかこの山村に広がる畑が、色とりどりの雑穀で埋め尽くされることを夢みて、多くの方のご参加をお待ちしています。 

■地元メンバー


◎冨澤太郎▶やまはた農園、雑穀生産リーダー/◎長田容子▶「西原ife体験宿・したで」オーナー/◎橋本寿美子▶びりゅう館・雑穀担当/◎長田洋美▶びりゅう館・事務担当/◎内山歩▶雑穀トラスト事務局

※詳しくはプロフィール欄をご覧ください!

 

農薬・化学肥料は一切使わずに、雑穀をトラスト畑で栽培します!

2018年は3種類の雑穀(モチアワ、モチキビ、タカキビ)を栽培します。

栽培期間中、農薬・化学肥料は一切不使用で育てます。

基本的には地元にいるメンバーで栽培管理をしますが、栽培や調整方法、食べ方を学ぶ体験WSも開催し、みんなで学ぶ場づくりをします。

■トラスト制度のリターンについて

リターンは以下の4コースご用意しています!

Aコース【食べて応援!基本の雑穀セット】

Bコース【基本の雑穀セット+栽培のお手伝い体験&古民家リノベーション宿に泊まろう!】

Cコース【基本の雑穀セット+育てる体験の参加券2回分】

Dコース【基本の雑穀セット+1年間の育てる体験+お野菜BOX】

 

★リターン1★ 基本の雑穀セット【A~Dコース共通】

①活動報告のお便り(メール)が届きます。

活動の経過や畑の様子、イベントへのお誘い等を、月一回程度メールにてお届けします。

②トラストに参加いただいた方に、リターンの品として雑穀3種類セット

 をお届けします。トラスト畑で農薬・化学肥料不使用で育てた、モチキビ・モチアワ・ホモロコシ(タカキビ) 各160gのセットが冬に届きます(写真)。どれもお米と一緒に炊くだけで美味しく食べられるほか、色々な料理にも使えます。

  

③ 収穫した雑穀を【会員限定割引 20%OFF】で購入できます。

セットの雑穀だけでは足りない!たくさん食べたい!という方は追加注文をお願いします。例えば、200g ¥750 →¥600 に!割引になります。(収穫した雑穀がなくなり次第終了です)

 

★リターン2★雑穀栽培のお手伝い体験&古民家リノベーション宿に泊まろう!【Bコースのみ】

◇8月4日(土)~5日(日)限定◇

「西原ife体験宿・したで」は、壊れる寸前だったおよそ築150年の古民家を、昔ながらの伝統木工法でリノベーションした農家民宿です。


土や木や竹など、西原の山から自給自足! 天然の素材で多くの方の手を借りて、古民家再生しました。
古民家再生ワークショップ総集編 Youtube動画はこちら

西原ife体験宿 したで ホームページ

◎日程:8月4日(土)~5日(日) 一泊二日
キビやアワの網掛け(鳥よけ)をお手伝いいただきます。作業の後は古民家でBBQの夕飯。地元メンバーや他の参加者ともゆっくり交流できます。翌朝、朝食を食べて解散になります。(近くには川遊びや釣りを楽しめる場所もあります。)
※トラスト1口につき一人分のチケットです。ご友人・ご家族の方とお越しになる場合は、2人目から正規の料金を頂きます。トラストにお申し込みの際に一緒に泊まられるご友人・ご家族の人数もお教えください。
※古民家宿は定員10人までです。当日はイベントの貸し切りとなります。お連れ合いの人数を含め、定員に達し次第トラストのお申込みを締め切らせていただきます。

★リターン3★《トラスト会員限定》雑穀を育てて・食べる体験ワークショップに参加費無料で参加できます。【C,Dコース】

昨年に引き続き、年間を通して雑穀の栽培が学べるワークショップを開催します。

種をまくところから、草とり、刈り取り、種採り、脱穀・調整の方法、さらに食べるところまで、体験しながら学べます。普段食べている雑穀をもっと知りたいという方、自分でも栽培してみたい方、百姓仕事を覚えたい方にもおすすめです。

※別途、ご参加いただいた当日に食事代(実費)を頂きます。

※トラスト会員の方限定の体験ワークショップです。各回参加者が少ない場合に限り、単発の参加者を追加募集いたします。

 

 おすすめポイント!地域の年長者たちに教われます

体験WSの中で、地元の人に作りかたや食べ方を教わる時間を作ります。みなで体験することで、読むだけ聞くだけでは得られないものが身体に残り、生きた知恵として引き継ぐことができます。

中心となるのはこの方 中川智さん。お父さんから引き継いだ種に加え、各地から集まってくる種を保存栽培し、10数種類もの雑穀をつないでいます。

 

 ◎体験スケジュール◎

5月12日(土)     キビの種まき&地元のお母さんとキビまんじゅうづくり

6月30(土)         中川さんのお話・畑見学&草とり・間引き・土寄せ

9月8日(土)       キビの収穫&束ねて天日干し 

9月29日(土)     木槌でキビの脱穀・唐箕かけ、水車を学ぶ(アワを搗く)、キビの皮むき(精米機)

 

※天候や作物の生育状況により、やむを得ず日程および内容を変更することがあります。

※ご家族、お友達、一般の方のご参加は4,500円+食費(実費)をいただきます。

小学生以下のお子様は食費のみでご参加いただけます。

◎番外編◎

 11月17日(土) 収穫祭 地域内外の協力者のみなさんで今年の収穫をお祝い

※収穫祭の参加費は未定です。(一品持ち寄りの形式にしたいと考えています)

 ★リターン4★やまはた農園のお野菜BOXお試しサイズプレゼント。【Dコースのみ】

育てる体験ご参加の初回に、お土産としてお渡しします。やまはた農園のお野菜BOXのハーフサイズで、季節の野菜が4,5品目が入ります。

※写真はフルサイズのイメージです。

やまはた農園facebookページ 

 

■おおまかな栽培の流れ

  4月  トラスト畑の耕耘、整備

  5月  雑穀の種まき

  6月~ 草とり、支柱入れなどの栽培管理 

  8月  鳥よけの網掛け    

  9月  キビ収穫

10月   アワ・タカキビ収穫・脱穀・皮むき

11月   収穫祭、今シーズンのふりかえり

 

■お問い合わせ先

お気軽にお問い合わせください。

 メール:saihara.trust@gmail.com

  

■これまでの活動

2016年

・地域の若手グループ「畑の教室」として、モチアワを栽培

・やまはた農園としてタカキビ、モチキビを栽培

・雑穀PON菓子や雑穀グラノーラなどの商品やサービスを開発(古民家のっけ)

・他地域の雑穀に対する取り組みを視察

 

2017年

▲木俣美樹男氏(元学芸大教授)の協力のもと、近隣市町村の生産者を訪問

「畑の教室」・「やまはた農園」の活動が合流し、【雑穀の村復活プロジェクト】として活動開始

・3つの圃場でモチアワ・モチキビ・タカキビを栽培

・施肥、栽培方法などを変え栽培比較実験

・雑穀栽培体験ワークショップの開催(年6回)

・「雑穀街道」など近隣地域でのネットワークづくり

・地元住民の雑穀に対する意識をアンケート調査 

 

昨年の活動のようすはこちらをご覧ください↓

Facebook 雑穀の村復活プロジェクト

ブログURL 工事中

 

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