※1月29日更新

開始1週間で目標金額を達成し、現在ネクストゴール1,300万円に挑戦中です。ネクストゴールを達成することによって、地域の中長期の復興を支え、能登の美しい里山里海を守るコミュニティ財団(里山里海未来基金)の新規参画メンバー1名の人件費(1年間)を賄うことができます。能登主体の、能登らしい復興に向けて、引き続き応援をよろしくお願いします!


令和6年能登半島地震

令和6年1月1日に発生した能登半島地震は、穏やかなお正月を過ごしていた私たちの生活を一変させました。この地震を通して、私たちは地域の内外のつながりの重要性と心強さを改めて体感しております。震災前から有事に備えて、地域の見守りネットワークを民間・行政と一緒につくってきました。この3週間は、ともに地域づくりに取り組んできた仲間と日々連絡を取り合い、避難所や地域の情報を交換しながら、地域内外からの「ひと・もの・情報」のリソースをつないでいます。

能登の持つリソースと外部の支援を活かしあい、中長期にわたる復興を見据えた活動を実施するため、能登復興ネットワークを立ち上げました。もともと過疎化と高齢化が進んでいた能登において、地元の力だけで復興することは不可能です。地域外から多くの支援者が続々と訪れてくださいます。地域外のリソースを最大限に活用しながら、地域内の課題を解決し続けるためにも、能登の中間支援機能が重要だと再確認しています。どうぞ、長期にわたる私たちの復興活動をご支援ください。


能登復興ネットワーク「いやさか」について

能登復興ネットワークは、能登半島地震からの復旧、復興に向けて活動している地域内外の各種団体が参画するネットワークです。それぞれが、自律的に活動しながらも、お互いの情報を交換しつつ、復興に向けてのインパクトを最大化できるように、下記の団体が中心となって発足しました。

・株式会社御祓川
民間まちづくり会社として1999年に設立。もともとは、川沿いにお店をつくる取り組みを中心にしてきたが、2007年3月に起きた能登半島地震での経験から、地域コミュニティの担い手を増やすことを大切にしつつ、自然資源の循環・地域経済の循環・地域人財の循環を通じた「小さな世界都市の実現」=持続可能な社会づくりを目指しています。能登の中間支援組織として「能登スタイルストア」や「能登の人事部」の取り組みを進めてきました。

・七尾未来基金設立準備会
能登復興ネットワークの事務局。能登地域でのお金と人材のエコシステムを循環させるためコミュニティ財団として設立準備中に、今回の地震が発生しました。中長期の復興を見据えて「里山里海未来基金」と名称を改め、法人化する予定です。昨年2023年に決定した休眠預金等活用助成事業「社会的困難者が役割と希望を再生するコミュニティ活動」の資金分配団体として、3つの実行団体と共に「誰ひとり取り残されない地域」を目指し、ひきこもり・不登校児童・シングルマザーなどを対象とした活動を展開しています。今回の震災によって、より社会的困難者は過酷な状況に陥っており、その活動がますます必要とされることは間違いありません。


能登が能登らしく復興するために

能登半島地震における支援活動を一過性のもので終わらせず、継続して強化することで「能登らしい」復興、つまり、能登が続いていくためのまちづくりにつながる活動を行うことが重要だと考えています。

人の手が入ることで豊かな生態系を維持する海を「里海」といいます

能登は、もともと人間の手が入ることでより豊かな生態系となる「里山里海」と共に生きる、人々の営みがありました。それらは、能登で暮らす人々の精神性とともに、祭りを通してコミュニティのつながりを強めることで、守られてきた循環型のシステムです。私たちは、震災からの復興を通して、もう一度、人と自然のつながり、人と人のつながり、経済活動と地域のつながりを紡ぎ直していく必要があると感じています。

能登全域で大小さまざまなキリコ祭りが行われる。写真は7月第二土曜日に行われる祇園祭り(東のおすずみ)

いつまた、どこで今回のような大規模な災害が発生するか予測はできません。平時からの災害ボランティア・支援団体の共同体としての相互扶助関係の構築が大きな力になることは間違いありません。そして、何より地域の人たちが、つながりなおし、見守りのネットワークをつくり、自然と共生しながら生きていく暮らしを再構築していくことになるでしょう。

能登復興ネットワークは、災害支援と持続可能な復旧・復興、そしてまちづくりのコーディネートを担い、関係組織の連携強化および人材育成を図ることを目的として活動いたします。愛称の「いやさか」とは、能登で数多く行われるキリコ祭りで「イヤサカサー」などの掛け声で使われ、「一層、栄える」という意味の言葉です。与えられた条件は、決して簡単なものではありません。人口も激減するでしょう。けれど、小さくとも誇りを持って未来につなげていける「能登らしい」地域のいやさかを、私たちの手で、支援してくださる皆さんの力を借りながら、取り戻していきたいのです。


これまでの活動(令和6年1月21日時点)

DAY1(1月1日)

■七尾市内で自主避難所の開設と運営
七尾市内の施設で自主避難所を開設、運営。1日22:00時点で100名超を受け入れ。炊き出しを提供し、2週間にわたって避難者の受け入れを継続。

DAY2〜5(1月2日〜5日)

■⺠間物資支援受け入れへの協力
ほくりく未来基金(ほくみ)等と協力して、⺠間物資の中間拠点を七尾市に設置し、市内及び奥能登への配送拠点として3日間運営。

■和倉炊飯 炊きたてご飯提供支援
地元企業の有限会社和倉炊飯からの申し出を受け、要望のあった避難所に2日間で合計2,800食の炊き立てのご飯を提供。以降、各避難所と和倉炊飯社との直接取引に切り替えるコーディネートを実施。

■全国の民間支援者・能登地域側のメンバーとの情報共有会議の運営
民間支援事務局との連携で、情報共有会議を開催。孤立集落の情報収集など、各エリアの人脈を活かして救出活動のもとになるデータを収集。その後、刻々と変化する各エリアの状況を共有するための場を毎晩、開催。

DAY6〜9(1月6日〜9日)

■自治体・⺠間団体 支援要請コーディネート
株式会社御祓川に、地域内外の自治体や⺠間団体から情報や支援の相談相談が集中する。支援要請と現地ニーズとのコーディネートを実施。認定NPO法人カタリバ公益社団法人日本栄養士会など。

■WOTA 水再生プラントシャワー導入支援
1/1から七尾市での断水(1/21現在も継続中)。シャワーをはじめ様々な水回り設備に接続可能な水循環システムを提供するWOTA株式会社からの支援要請を受け、矢田郷コミュニティセンターなど合計4基を展開。

DAY10〜13(1月10日〜13日)

■ワコール 下着の物資支援コーディネート
株式会社ワコールから下着の提供を受け輪島市へ1,500着、能登町へ1,000着、珠洲市へ1,000着、穴水町へ500着をネットワーク連携で配送。

■森本石油 への人材コーディネート
平時から関係性のあった株式会社森本石油(穴水町)のガソリンスタンドを運営するボランティア人材を派遣。穴水町のニーズ調査を並行して実施。

■ねがみみらいクリニック 女性専用スペース運営のための人材コーディネート
ねがみみらいクリニック(七尾市)で女性向けの支援物資配布及びスペース運営のために学生ボランティアを派遣。

■パトリアでの民間物資配給・整備のための人材コーディネート
商業施設と市役所機能の一部を有するパトリア(七尾市)にて、熊本支援チームと連携して民間物資拠点の物資支給サポート、および炊き出しのためのセントラルキッチンに給水のサポート。

■中島小学校避難所の運営ボランティアコーディネート
七尾市北部にある中島小学校避難所へ運営ボランティアを派遣。ねがみみらいクリニックやパトリアに入る学生ボランティアと同様、ボランティアの滞在拠点をコーディネート。

■避難長期化を見据えた地域のアセスメント
物資やボランティアのコーディネートを通じて得た困りごとや市からの情報をもとに、より支援を必要としている避難者のアセスメントを実施。七尾市と連携協定締結の準備中。

DAY14〜17(1月14日〜17日)

■エアベッドの物資支援と避難所のニーズマッチング
避難所へのエアベッド300台の寄贈連絡があり、七尾市に相談。市が作成した要支援者リストに基づき、ボランティアによる避難所への搬入オペレーションをコーディネート。

■七尾で活動する支援者の情報共有会議を開催
災害NGO結との呼びかけで七尾市内で活動する地域内外の支援者が一同に会して知り合い、情報交換する会議をファシリテート。市民ボランティアや災害専門団体、東北・熊本での災害対応経験者などが参加。会議以降もLINEのオープンチャットで適宜情報を交換して連携。

DAY18〜21(1月18日〜21日)

■Yogibo ビーズクッション物資支援のコーディネート
株式会社Yogiboから物資支援の申し出を受け、ビーズソファ150点を必要とする避難所に提供できるように調整を開始。

■有志の企業社員ボランティアによる避難所ニーズ調査を実施
一般社団法人災害時緊急支援プラットフォーム(PEAD)に所属する有志の企業社員ボランティア8名が、七尾市内の3つのエリアで10の避難所を訪れ、避難されている方の困りごとや、受け取った物資の利用状況、ニーズを把握。

■炊き出しネットワークの調整とシステム開発
災害発生当初より炊き出しをしたい個人と食事を必要とする避難所等を電話とスプレッドシートを用いて人力でマッチングしていた。現在はサイボウズ株式会社株式会社雨風太陽JR西日本各社とシステム構築や運用方法の調整を開始。

ここまでの3週間、避難所受け入れや支援活動に係る人件費・活動経費は、その大部分を持ち出しで行っています。

今後も持続可能な形での災害支援、さらに長期にわたる地域の産業コミュニティの復興を持続可能な形で行うのに必要なお金と人材の循環をつくるため、みなさまにご支援をいただきたいと考えています。


ご寄付の使い道

今回のご寄付は能登地域(珠洲市・輪島市・能登町・穴水町・志賀町・七尾市)を活動エリアとして、以下の活動の人件費および交通費などの活動経費として使用します。

1. 避難所・避難者のアセスメント

七尾市との連携協定(締結準備中)のもと、避難所および避難者のアセスメントを実施します。避難所の運営管理リーダーや避難者のニーズ・課題をお聞きし、行政機関・福祉機関・民間の支援に繋ぎます。

2. 支援物資・炊き出しの調整

被災者のみなさまの暮らしを支える物資や食事を必要な場所・人に届けます。必要に応じて外部からの物資や炊き出しの依頼とのマッチングを行います。

3. 地域の復興に取り組むプロジェクトの支援

事業やコミュニティの再生に取り組む地域の事業者や、地域外の事業者と連携したプロジェクトの立ち上げを支援、およびそれを支える人材のコーディネートを行います。

【プロジェクト例】
・能登の伝統祭であるキリコ祭りなど、お祭りや神社など地域文化の復興サポート
・酒蔵の再興サポート
・地域の中小企業の復興計画立案サポート
・教育や遊びの機会を失った子どもの居場所づくり
・七尾市一本杉通りの再生

4. コミュニティ財団(里山里海未来基金)の設立

地域の中長期の復興を支え、能登の美しい里山里海を守る中間支援機能として、コミュニティ財団を設立します。長期的には、「能登が能登らしく」あるための復興を見据えて、循環型の社会を形成していく必要があります。そのためにも、産業復興と地域内の社会的困難者を支える活動をなめらかにつないでいくことが不可欠です。能登らしい復興を推し進めるための「しくみ」をつくっていきます。


実行メンバーからのメッセージ

木下徳泰さん(能登復興ネットワーク代表)

この難局を乗り越えていくために、皆さまのお力添えをお願いいたします。もちろん地元の私たちもがんばりますが、地域外からの応援をいただきながら、能登が復興していくための道のりを共に歩んでいただければ幸いです。私たちの地域を後世につないでいくこと。それが、能登で生き残った私たちの使命だと考えております。皆さんのお力をお貸しください。どうぞ、よろしくお願いいたします。

森山奈美さん(能登復興ネットワーク事務局長)

発災以降、本当に多くの方々に支えられてきました。そして、これからもお世話になることでしょう。復興の道のりは長期戦です。長く続く支援活動の体制をつくるために、能登復興ネットワークを立ち上げました。地域内外の主体が手をつなぐことで、能登らしい復興の形をつくっていきたいです。どうか、能登に心を寄せてくださいますようお願いいたします。


支援者からのメッセージ

青柳光昌さん(一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)専務理事)

御祓川とは、10年ほど前、当時始めた全国各地から東北へ「復興人材」を長期にわたって派遣する事業で、ご一緒して以来のつながりです。最近では、休眠預金事業を通じた奥能登地域の事業者の経営伴走支援プログラムで、ご一緒しました。

今回の被災に際して、私たち社会変革推進財団では、まず御祓川や能登復興ネットワークに人的支援を決め、これから継続的に能登地域に職員を派遣していきます。これまでの「つながり」をもとに、さらにその「つながり」を強くすることで、能登の復興にお役に立てるように、一緒に歩んで行きたいと考えています。

岡本竜太さん(一般財団法人ひだ財団 事務局長)

ひだ財団では、”コミュニティ財団”の仲間として復興へ向けて遠くから応援するだけではなく、近くで共に取り組んでいければと考えています。具体的には、人材を派遣する形で支援事務局の運営のサポート、岐阜・名古屋方面からの資金集め等を様々な支援者と連携をしながら行っていきます。

今は地元・飛騨で活動する僕ですが、2014年からの5年半を七尾市で暮らし、能登半島全域の方々とお仕事をさせてもらったり、盃を酌み交わしたりしていました。大好きやった風景が無くなり、身近であった人や建物、日常が大きなダメージを受けた姿を見て、震災の怖さを実感しました。一方で、大きなものを失ってもなおポジティブに地域のために、伝統を残すために再始動している能登の方々を見て、「その想いや行動力はさすが能登の人やな」と逆に励まされることもあります。飛騨からの活動で、少しでもそういった方々のお役に立てれば嬉しいです。

中川玄洋さん(NPO法人bankup 代表理事)

NPO法人bankupの中川玄洋です。鳥取県で農村部に大学生を派遣するプロジェクトを運営しています。能登には講師として呼んでいただいたこともあり、顔が思い浮かぶ方の多い場所です。

今回のクラウドファンディングに、地域の中間支援の仲間として応援します。中長期で地域を考えたときに、地域外からの連携、地域内の連携を増やすことが、未来を豊かにする一歩だと感じています。奈美さんたちがこれまで以上に関係性を丁寧に紡いでいくことがポイントなります。地味でわかりにくい動きではありますが、この積み重ねが力になると信じていますので、つなぎ手への支援にご協力いただければと思います。私も一緒に走ります。よろしくお願いいたします。

本城慎之介さん(学校法人軽井沢風越学園 理事長)

1/17、七尾市の地元飲食店に入った。壁には祭りのポスター。男たちが担ぐ大きな灯籠は「きりこ」と呼ばれていることを知った。「きりこ」は神様の足元を照らすのだと、誇らしげに教えてくれた男性は、今夏も「きりこ」を担ぐことを願っている。いまこそ、祭り。きりこは、能登の人たちの足元を照らしてくれるはずだ。

森本敬一さん(株式会社森本石油 代表取締役)

17年前にも起きた能登半島地震の経験を活かしてガソリンスタンドが地域にできることをすぐに全うすることを決意し、震災以降24時間対応で営業をしてきました(現在は落ち着きましたので、朝9時から19時まで営業。日曜定休日)。震災後の早い段階で「わかものと」という学生団体との出会いをいただき、全国からすでに4回目のボランティア学生の派遣を受け入れています。

不眠不休とは言えませんが、我々が一番必要としていたのは「若者の人手」でした。被災現地で一緒に寄り添って行動を共にしてくれる学生たちの存在が大きな励みとなり、その小さな勇気づけが、長丁場での活動を乗り越える力になっています。とにかく疲労困憊だったので学生が来たら少しは休ませてもらえるぞ!と期待していましたが、学生の顔を見たら元気が出てきてしまい、これまでやる気が全く出なくて後回しにしていた片付けを始めてしまいました。寝食を共にしており、まるでキャンプ状態。「絶対に夜明けは来る!」と信じています。このようなご支援に心より感謝しています。もっとサポートの輪が広がることを願っています。

支援者の皆様には、いつかまた元気になった能登を訪れていただきたいと思っています。是非お会いしましょう!!!どうぞこの活動をご支援くださいますよう心よりお願い申し上げます。


おわりに

本プロジェクトにご支援いただくことは、能登の関係人口になっていただくことでもあります。能登は美しい里山と里海に囲まれ、豊かな自然と食、祭をはじめ多様な文化の残る地です。一日でも早くみなさまに能登を訪れていただき、能登の魅力に触れて頂けるように、復旧・復興に向け引き続き尽力して参ります。能登の「いやさか」は、あなたと共に。


能登復興ネットワーク

(参加団体・個人 ※1月21日現在)
株式会社 御祓川/株式会社 おやゆびカンパニー/株式会社 百笑の暮らし/一般社団法人災害時緊急支援プラットフォーム(PEAD)/一般社団法人 感環自然村/株式会社 CoAct/NPO法人 ETIC./チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト/サイボウズ株式会社/NPO法人bankup/一般社団法人ワカツク/能登地震学生グループ「わかものと」/公益財団法人共生地域創造財団/特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティー/一般財団法人ダイバーシティ研究所/公益財団法人ほくりくみらい基金/秋元祥治(武蔵野大学 教授)/本城慎之介/辰巳真理子/七尾未来基金設立準備会


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