日本とベトナムの社会的共通課題
における鍼灸の活用
-社会の高齢化と災害を生き抜くために-
Ⅳ 災害における鍼灸の活用
災害の種類(社会学的定義)
【自然災害】
気象災害:
・雨(大雨・集中豪雨)に起因するもの:洪水(河川の氾濫,内水氾濫),土砂災害 (斜面崩壊,がけ崩れ,土石流,地すべり)など
・風に起因するもの:強風・暴風,竜巻,高潮,波浪
・雪に起因するもの:雪崩,積雪,吹雪
・雷に起因するもの:落雷
・中長期の天候に起因するもの:干ばつ,熱波,寒波,冷夏
・その他:霜害,雹
・地震に起因するもの:液状化,津波,岩屑なだれ,がけ崩れ,(地震)火災
・噴火に起因するもの:降灰,噴石,溶岩流,火砕流,泥流,山体崩壊,津波
【人為的災害】
列車事故,航空事故,海難事故,交通事故,火災(いずれも大規模なものに限る),爆発事故,炭鉱事故,石油流出,化学物質汚染,原子力事故(原子力災害),テロ(テロ災害),戦争(戦災,武力攻撃災害),NBC災害,CBRNE災害,武力攻撃原子力災害
東日本大震災の特徴
【医療機関の状況】
・地震・津波による道路網の損傷とガソリン不足で,職員の移動,患者搬送,医薬品等の物資の搬送が困難.
・固定電話・携帯電話の接続が困難,通常の通信手段が途絶.
・広範囲のインフラ機能が停止,停電・断水等が発生.
・岩手,宮城,福島3県の病院380施設中,全壊11施設,一部損壊289施設,計300施設(78.9%)が被災.
・沿岸部の殆どの医療機関では機能の全部,又は一部を喪失.
・災害による医療機関の機能喪失が明確化.
一般的な災害サイクルと必要とされる医療
災害の種類ごとに起こりやすい健康障害
全ての災害に共通する健康障害や健康問題
①インフルエンザ,ノロウイルス,食中毒などの感染症
②クラッシュ症候群
③エコノミークラス症候群
④廃用症候群
⑤慢性疾患の増悪
⑥熱中症,低体温症
⑦心的外傷[心的外傷後ストレス反応(PTSR),心的外傷後ストレス障害(PTSD)]
⑧リロケーションダメージ
⑨アルコール依存症
⑩孤独死