心療鍼灸
精神科・心療内科領域に対する鍼灸治療①
心療鍼灸とは?
・高橋 孝二郎氏が提唱(1990年 全日本鍼灸学会で発表)
・鍼灸と心理療法、カウンセリングとの合体
・南の臨床現場での実施方法
統合的:鍼灸施術の一連の行為の中に、心理療法を取り入れた構造。
折衷的:別々に構造化された鍼灸施術と心理療法の組み合わせ。
種類
•気分障害(うつ病 双極性障害)
•認知症
•睡眠障害
•不安症(不安障害)
•統合失調症
•パーソナリティー障害(人格障害)
•摂食障害
•身体表現性障害
(身体化障害 転換性障害 疼痛性障害 心気症 身体醜形障害)
•成年以前に診断される障害(発達障害・注意欠陥障害などを含む)
対人援助の基本姿勢
・傾聴
・受容
・共感的理解
・自己一致
認知行動療法
C B T
•第1段階 心理教育
治療可能性を理解する
•第2段階 認知モデル
疾病と認知の関連について理解する
•第3段階 認知再構成法
認知の問題は修正可能であり、その修正方法を練習する
•第4段階 スキーマ療法
新しい認知スタイルを実行し、日常生活の中に生かしていく
認知モデル(その1)
認知モデル(その2)
介入可能なのは?
認知の歪み
自分の思い込みや願望、恐怖心などのために論理的な判断を下せなくなる心理パターン
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考え方の癖
だれでも考え方の癖を持っている。
いくつかのパターンがある。
類型
・全か無か思考
・「べき」思考
・過度の一般化
・心のフィルター
・肯定的側面の否定
・否定的予測
・読心術
・拡大視/微小視
・感情的理由づけ
・レッテル貼り
・自己関連づけ
・破局視
自動思考・認知の修正
(新たな思考の創出)
自動思考を検討するための質問
・自動思考がその通りであるとの事実や根拠は?
・自動思考に反する事実や根拠は?
・自動思考を信じることのメリットは?
・自動思考を信じることのデメリットは?
・最悪どんなことになる可能性があるか?
・奇跡が起きたら、どんなすばらしいことになるか?
・現実的には、どんなことになりそうか?
・以前、似たような体験をしたとき、どんな対処をした?
・他の人なら、この状況に対してどんなことをするだろうか?
・この状況に対して、どんなことができそうか?
・もし (友人)だったら、何と言ってあげたい?
・自分自身に対して、どんなことを言ってあげたい?
新たな思考・認知
新たな考えで感情はどう変化するか。
もともとの自動思考、新たな思考、いくつもの考えが出てきて、どれを採用しても良い。
どれも自分の考えなので、どれをとるかは自分の自由。
選択肢の幅を持たせることが肝要であって、自動思考を否定するものではない。
認知的概念化(アセスメント)
媒介信念の表出
いろんな状況での自動思考を集めて、類型化していると、構えや思い込み、ルールの存在が浮かび上がってくる。
治療者は、早い段階から媒介信念の同定を意識して自動思考を考察する。
中核信念
中核信念は2つの大きな領域に該当する。
・「私は出来が悪い」
・「私は好かれない」
どちらか一方の場合もあるし、両方にまたがる場合もある。
信念の修正
自動思考を検討したときと同様に、信念についても、その妥当性を検討する。
般化
セッションでとりあげた特定の状況だけでなく、日常の些細なことも含めたあらゆる場面で、CBTの手法が使えることを体感する。
最終的に
患者さんが、
自分自身のセラピストになる。