13日目 高雄~恒春 晴れ時々スコール 走行距離:100km 積算距離:653km 朝8時で31℃。夏バテ真っ最中の体には堪える。しかし暑かったのもつかの間、今日は幸か不幸かスコールがやたらと多くその度に涼しくなってくれた。 そんな過酷な状況でもたくさんのサイクリスト達は南を目指していた。今日だけで5組、総勢15人。声をかけて話をした中には女の子1人で自転車旅とか、台北在住の親子2人で台湾1周をまさにしている最中とか。しかもお子様はまだ13歳…。これはどうにか頑張って先に台北にたどり着きたい…。夏バテとか言ってられないですね! やっとの思いで台湾の南端に到着。明日からは北上、でもいきなり1日の走行距離の半分が上り坂なのだ…。
12日目 高雄 晴れ 走行距離:15km 積算距離:539km 今日はfacebookでメッセージをくれた台湾人の女性の案内で高雄市内を観光した。高雄市内を一望できる山、いつも通っているかき氷屋、港にあるレンガ倉庫街、そして美味しい地元のお昼ご飯。思いがけない楽しいサイクリングになった。これでは感謝してもしきれない。 しかし、なぜここまで台湾の人たちはもてなしてくれるのだろうか…。台湾から帰ってすらいないが、また来たくなってしまったではないか。 とうとう明日は折り返し地点の最南端方面に向かう。さらに暑くなるのにもかかわらず走行距離、103km。果たして無事に着くことは出来ることは出来るだろうか。
11日目 台南~高雄 晴れ 走行距離:46km 積算距離:524km 台湾は今日も暑い。日射しが痛いほど強い。朝から体に倦怠感があった。どうやら連日の暑さでやられてまったらしい。 とにかく耐える1日で、ペダルを踏む足も思うように動かない。そんな中でも車の中から頑張れとの声援を受ける度に背中を押してもらえた様な感覚になる。 また休憩中、テレビで見ましたと写真を頼まれた。着実にこの活動が全国に広まりつつあることを実感でき嬉しかった。 夜には台南在住の日本人の方よりこれから先、東海岸側の詳しい道路状況を聞くことができた。これで残り半分、安心して頑張れる。 そして夜市を歩いている最中にまた写真を、日本語で頼まれた。今日も気持ちよく寝れそうだ。
10日目 台南 晴れ 今日は台南市内で自分の足を使って感謝を伝えに観光地と駅前に行った。「頑張って、ありがとう」という言葉をたくさんもらったが、特に印象に残ったのは皆が快く歓迎してくれていることだ。 それだけでなく、ジャージを見てくれた台湾人が街中でさも当然の事のように日本語で台湾へようこそ、頑張って下さいと言ってくれたのだ。 もしかしたら僕は台湾に感謝を伝えに来たのではなく、台湾に感謝を伝えさせてもらっているのではないだろうか。 今や声援なしで完走できそうに無いぐらい力を貰っているし、台湾の人なしで今回の旅は語れない。 まだ折り返しにも来ていなく、道中はここからより厳しくなっていくが、この感謝のループを今まで以上に繋げていきたい。
6月18日(水) 山口くんを差し置いてカメラマンディレクター今井より。どうしても伝えたかったので。 本日は台南で素敵な人に出会えた。 辻真樹さん。プロのオートバイレーサー。 Facebookで辻さんのほうから「良かったら台南で会いますか?」と声をかけてくれた。 たいへん失礼な話ですが、私はオートバイには詳しくなく辻さんの活動履歴を後に知って恐れ入りました。 2006年より台湾を主戦場に変え9年(それ以前は韓国)。 年間20戦〜25戦を戦い続けている。 はじめての交流は辻さんの方からメッセージが数日前に飛んできたところから。 「大変、不躾ですが山口くんには注目しておりまして、気づいた点があります。スチールの写真では純朴であどけない良い表情なのに、動画となるとやや緊張しているのか表情にゆとりがないように感じます。自分自身が走りきるという事だけじゃなく、人に見られている期待されているという自覚と自身が、この旅で育んでいただけたら幸いです」と。 「確かに不躾だ(笑) 誰なんだ?この人…。」が私の第一印象でした。 そう。私たちは山口くんのがんばれ日記を記録しているわけではない。 山口くんというフィルターを通じて台湾人の優しさや、触れ合いなどを記録し、「何か別の形でもいいから、ぼくも私もやってみたいな」そんな風に日本人、台湾人の双方に思って欲しい。それが願いです。 辻さんには、ある意味、見抜かれているかのように指摘され、興味が湧き本日、台南で会う事にしました。 会ってみると、やはり物腰の優しい、しかし一本筋が通ったビジョンをお持ちの人物で、たいへん勉強になりました。 今夜は辻さんと、辻さんの台湾人友達が15人から20人集まっての会食。 辻さんは山口くんにいろいろなアドバイスをしました。山口くんも海外で孤高に闘うプロレーサーのありがたい話に耳を傾けます。 辻さんのアドバイスは、台湾ロケーションのドライビングテクニックとかではありません。 「どこに気づきを感じ、何を持ち帰れば良いか。」 台湾ありがとうと言うだけなら簡単です。すでに数百、数千の日本人がいろんなアクションを起こしているし、被災から3年も経過した今ことさら焼き直す必要もありません。 何を感じ、何を持ち帰れるか? これが重要なんだなと私自身も痛感し、山口くんも確実にそれを理解したと思います。 この旅でいろんな事を学びました。日程としてはまだ3分の2が残ってきます。 高雄を過ぎれば東海岸。台湾先住民の方々や、大自然に触れて、何を皆様にお伝えできるか? 今まで以上に目を凝らし、耳をすまし、あらゆることを吸収したいと思います。 本日、走行はオフだったので臨時にわたくし今井が筆をとりました。 (写真、黄色のシャツが辻真樹さん)