ご無沙汰しております。タンザニアからジャクソンです!
長い間、進捗のご報告をしておらず、大変申し訳ございませんでした。
「奴はそろそろくたばってしまったのではないか・・?」
と心配してくださっていた方もいらっしゃるかと思います。ご心配をおかけし、申し訳ございませんでした。ジャクソンはますますパンのような顔になり元気に生きています。
最後にここでご報告をさせていただいてから、約5ヶ月の月日が流れていました。(時の流れの速さに自分でも大変驚いています。)ご支援いただいた皆さまへのご報告を兼ねて、まるで漫画なのでは?!と思わずツッコミをいれたくなるような波乱万丈ドラマティックなこの数ヶ月間を振り返りたいと思います。
〜本日のお品書き〜
1. 工房兼住居が決まりました。
2. 中国から届いた機材はポン・コツの助でした。
3. 5000万円の資産があることを証明せよ。
4. 仲間が4人に増えました!
5. ひっそりとデリバリーを始めました
それでは、笑いと涙たっぷり仕立て、タンザニアライフ濃厚驚きソース添えをご堪能ください!
1. 工房兼住居が決まりました
前回のご報告で、「家で水が頻繁になくなりチョコレートを消費しまくるためにお顔がニキビだらけで大変です」というお話をさせていただきました。ゴキブリが出ても顔色一つ変えずスリッパで一撃できるジャクソンですが、さすがに水なし生活ではストレスが溜まってしまうため、住居と工房を兼ねた場所を探し直していました。
今後ホテルなどへデリバリーをすることを見越し、交通アクセスがそれなりによく、且つランニングコストを抑えられる程度の家賃の場所を・・(とても難しい)。
そもそも元が普通の家の造りのところを工房として使わせてもらうので、それが原因で難色を示されたり、良い場所が見つかったとしても、オーナーさんとの面会に毎日5時間待ちぼうけを食らわされたり(2週間以上続きました)と、なかなか一筋縄にはいきませんでした。
が・・!2ヶ月粘りに粘って探し続けた結果、写真の場所に辿りつくことができました。透明度の高いインド洋の海が眼科に広がる海岸沿いの、とても立地の良いところです。
「え、家賃高いのでは・・」と思いますよね?はい、高いです。いえ、高かったです。
ここは私のような小娘が普通に住めるような場所ではないので、ジャクソンは必殺技を繰り出しました。そう、タンザニア人もお得意のシェアです!
「毎日パンを食べさせてくれるなら良いよ!」とのことで、家賃を半々にしてもらっちゃいました。(面積占拠率は明らかに半々ではありませんが 笑)さらに、同居人がお家のオーナーさんとお知り合いということで、家賃もかなり値引いてもらっているのはここだけの話です。うふふ
2. 中国から届いた機材はポン・コツの助でした。
皆さまからご支援いただいた支援金で購入した製パン機材ですが、受取がかなり難航したものの7月末にようやく搬入させることができました!(パチパチ)
前日に「フォークリフトが壊れた!」と連絡が入り焦りましたが、人力でなんとかなりました。
タンザニア人のお兄ちゃん達の底力は本当に凄い。(しかも何度注意してもみんな素手かつビーサンで搬入するのはヒヤヒヤするのでやめてほしい)
3月に中国に買いつけに行ってから、約4ヶ月後の受け取りとなりました。本当は1ヶ月半後には受け取れるという話だったのですが、支払いや製造の件で大層揉めました。。何はともあれ、無事に受け取ることができ、ホッと一安心ですー。
と思ったのもつかの間!やはり4千年の歴史を重ねた大国が相手では何事も一筋縄ではいきません!
届いた機材のうち不良状態だった機材は3台もあり、翌日からジャクソンは腹と頭を痛めることとなりました。(笑)
まず、ミキサーが動かない!
こちらは中の配線がうまくいっていなかった模様。タンザニア人の技師さんを呼んだところ、すぐに直してくれました。・・一生動かないと思いました(涙)
そしてオーブン。
こちらはスチーム機能がついたものですが、見事に蒸気が出ません・・!蒸気が出ないと、バゲットなどハード系のパンをつくることが難しいので大変困りものです。
さらに追い討ちをかけるように発酵機(ドーコン )が正常作動しない!!!!!
こちらの機械は天候に左右されずにパンを発酵させるために、内部で安定した温度・湿度環境をつくりだす機械なのですが、まるで勢いよく大気圏を突破するロケットのように温度も湿度も永遠に上昇し続け制御が効かない!という代物だったのです。
これはパン屋さんにとっては致命的なので、連日文句の電話をかけ続け、スペアパーツを送ってもらいました。
そして3週間待ってようやく届いたスペアパーツが、こちら。
ご覧の通り、全くサイズの異なるパーツが届きました。(笑)
この状況には、さすがのジャクソンも怒りの感情を通り越し大爆笑を禁じえませんでした。
もうこの発酵機は諦めなければ・・と思っていたのですが、なんとサイズの異なるパーツも力業で取り付けることができました!(驚)耐久性がどれほどあるかは謎ですが、今のところ温度も湿度も地球上レベルで留まってくれているのでこのまま使ってみようと思っています。
もともと資金が不足していたので中国からの輸入は致し方なかったのですが、できれば日本製の機材が欲しいので、ある日突然お空から降ってきたりしないかな・・と毎夜願掛けしています(泣)
3. 5000万円の資産があることを証明せよ。
前回のご報告の際には、「まだワークパーミットが取れない!」と申しておりました。こちらもたくさんの苦労がありましたが、就労許可は無事におりました!(パチパチパチ)
就労許可の次は、レジデンスパーミット(居住許可)申請が待ち受けています。さて、その手続きがまた難解で、全書類を提出してから既に2ヶ月以上経ちますが、未だに許可はおりていません。
さて先日、その審査の一貫で移民局の監査が入りました。
そこで監査委員から放たれた一言が、「資産50万ドル(約5,300万円)持っていることを証明しなさい」でした。
「持ってるわけないだろーーーーーーッッ!!!!!!!!!」
と叫び出したい気持ちをグッと抑えて「OK」と静かにうなづいておきました。(笑)
タンザニア現政権の意向としては、「スモールビジネスなんぞこの国に要らん。でっかく投資できる企業だけ入ってきてくれ」ということなんでしょう。
どう足掻こうと5,300万円は降ってこないので、一体全体どうしたものか・・と絶賛頭を抱えています。
4. 仲間が4人に増えました!
この活動報告に何度も登場しているKelvinくんはお馴染みの存在(?)となりましたが、7月から新しい仲間が3名入ってくれました。うち2名はKelvinくんのストリート生活仲間のYohanaくん(写真左、25歳)とJames(写真真ん中、22歳)くん。1名は知り合いのところでお手伝いさんとして働いていた頼れる料理人Aishaさんです。
毎日予測不能の珍事件を起こしては、私を怒らせ大爆笑させてくれる、愉快な仲間たちです。
最近は、「始業時間を決してコントロールできない」ということで私を困らせてくれました(笑)
始業時間は3:30なので、3:20までには工房に到着し、準備を始めること!と以前から口酸っぱく言っていました。(参考までに、タンザニアは非常に時間にルーーーズなお国柄です。)
初日、私の予想を裏切らず、全員で1時間遅刻してきました。あれだけ言っていたので遅れるとはどういうことだ?!とこっぴどく叱ったところ、しっかり反省した彼らは、なんと翌日、2:00に出勤し呼び鈴を盛大に鳴らしてジャクソンと同居人を起こしたのでした。
「やる気があるのは認めるけど、そうじゃない・・・」と説明したところ、その翌日はまた遅刻、そしてその翌日にはまた2時出勤、とどうしても時間どうりに来ることができない彼らなのでした・・(げっそり)
最近はようやく慣れてきたようで、始業10分前に来てくれるようになりました。毎日こういった予測不可能な珍事件が盛りだくさんで、工房はとても賑やかです(笑)
5. ひっそりとデリバリーを始めました
最後に明るいニュースを一つお届けしたいと思います。1週間ほど前から、ひっそりとランチタイムのオフィスデリバリーを始めました!
「あれだけクロワッサンクロワッサン言ってたのに?!クロワッサンは一体どうしたんだ??!」と思いますよね・・
ランチタイムのデリバリーから始めた理由の一つは、機材の不調です。発酵機なしの状態で毎日安定したクオリティのパンをたくさん作ることはできないため、ホテルへの卸しは環境が整ってから始めることにしました。
二つ目の理由は、ボーイズにパン作りを教えるにあたり、基本からちゃんと理解して欲しいという思いがあったからです。もちろんクロワッサンを作れるようになってほしいのですが、その前に、彼らには「パン職人」になってほしいので、パンができる工程をちゃんと理解して欲しかったのです。そのためには、クロワッサンなどの変化球からはじめるよりも、まずは基本的なパン作りから覚えてもらうのが良いと考えました。
彼らにとっては全く未知の食べ物をつくることになるので、はじめは四苦八苦していましたが、今では、私なしでもある程度は任せられるようになってきました。(まだ、たまに目を離すと、とんでもないことになっていたりもしますが 笑)
9月はいよいよ、クロワッサン作りに挑戦したいと思っています!
次回ご報告の際には、事業を大きく前に進めていることを願って、終わりとしたいと思います。この度も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
<支援してくださった方へ>
リターンのお届けが遅くなっており申し訳ございません。皆さまからいただきました支援金は、少しでも多く事業投資にあてたいと思っています。そのため、現地からの発送代金をできる限り抑えるため、私の一時帰国時(2019年末予定)に合わせて発送日を設定させていただきました。ご了承いただけますと幸いです。