D&DEPARTMENTスタッフ向けの「発酵」の勉強会を行いました。d47食堂、渡辺のコメントです。
身近にある発酵食品、皆さんはどれくらい挙げられますでしょうか?私たちがヒラクさんから伺った話の中には「しば漬け」や「味噌」という馴染みのものから、「ごど」「あまぎゃあ」という名の謎の食品も。
日本には出会ったことのない発酵食品がまだまだあるみたいです。それが生まれ、根付いた理由から、その土地の歴史や文化を教えてくれる発酵食品(微生物)。
聞けば聞くほど謎めき、そして妙に納得してしまう、ヒラクさんが見えている「発酵」とは、、、 展覧会の完成が楽しみです。(d47食堂 渡辺)
今回の社内勉強会、印象的だったのは各地の謎めいた発酵食品の話はもちろん、「寿司」の先祖(的存在)は「なれずし」で、その先祖は「魚醤」というように、保存の工夫が歩んだ歴史が、今の私たちの食文化に大きく影響していることです。
d47 MUSEUMでの今回の展示は、日本全体を俯瞰して見る一方で、時にはぎゅーっとピントを絞り込むような視点を展示台に入れ込んだり、トークでより一層リアルに深めたり、、、日本における 「食」の基礎、歴史、個性を「発酵」を通して再発見していくことになると思います。
それはつまり、食の現状を知ることにも繋がります。今、途絶えそうな味(食文化)が抱える問題にも。例えば木曽のすんき漬けでは、「原材料となる農作物の後継者不足」→「手をかけて収穫ができない」→「機械で一気に刈る」→「手で選り分けられない」→「今まで使っていなかった部分が混ざる」→「味が落ちる」→「すんき漬けは美味しくないと思われる」→「買われなくなる」→「適正な価格で売れなくなる」→「後継者ができない」というような、負のスパイラルが始まっているところも。
じゃあ、どうする?私に何ができる?それを様々な視点から考えることが、日本の食文化が続いていくことに繋がってくると思います。そして、この視点は食文化に対してだけでなく、工芸、地域、観光など、他のことにも置き換えられる。そんな気づきのある勉強会でした。
展覧会にお越しになる皆さんと、この発酵の面白さを分かち合えるよう、引き続き私たちスタッフも勉強だ!