私たち団体は、2009年からネパールの小学校に教育支援を行ってきました。
私がお伝えしたいのは、日本の小学校とネパールの小学校には大きな違いがあるということです。
日本の小学校には、教室以外にも理科室、音楽室、図書館、体育館、そして自由に遊べる広い校庭と遊具など、子どもたちが十分に教育を受けられる施設が整っています。
一方、ネパールの小学校にはそのような教育施設は整備されていません。
そこにあるのは、机、椅子、黒板だけが備えられた簡素な教室と、遊具のほとんどない校庭です。
図書館もないため、子どもたちは本に触れる機会もありません。
私たちはこのような状況を見て、様々な方法で子どもたちが学校に行きたいと思えるような環境作りに励んできました。
例えば、初めは暗かった教室に、色とりどりのペイントをすることで教室を明るくしたり、教室に学習関係のポスターを貼る、などです。
私たちは、教育支援の中心として本を送る活動を続けています。
教育設備は大きく変えられないかもしれない。
しかし、本を送り、子どもたちに読んでもらうことで、将来の可能性を広げることができるかもしれない。
その成果は、ネパールの統一試験(日本のセンター試験のようはもの)の結果にも確実に表れ始めました。
2012年には、図書館も建設することができました。
しかし昨年の4月。
ネパールでは、マグニチュード7を超える大きな地震が発生しました。
私たちの支援先の小学校は、その震源地に近く、校舎のほとんどが倒壊してしまいました。
今年の春にネパールに渡航して目にしたのは、仮設校舎で授業を余儀なくされている子どもたちの姿でした。
その仮設校舎は、床や壁がないため、天気の悪い日には授業が一時中断してしまうこともあります。
子どもたちからは、”隣の教室の授業の声が気になる”や”早く新しい校舎を建ててほしい”など、切実な声を多く聞きました。
この状況を受け、今年度から支援先の小学校3校の校舎の再建を長期目標として掲げました。
小学校は、1校にも再建するに多くの資金と時間を必要とします。
確かに、学生に出来ることは限られています。
しかし、ネパールの現状を”伝える”ことは出来ます。伝えることで、一人でも多くの方に、子どもたちの置かれている環境を知っていただきたいです。
子どもたちが、1日でも早く十分な環境のもとで教育を受けられるよう、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
国際協力学生団体KIVO
8期 運営部 阿久澤はるか