明子さんは、広島女学院附属小学校 1年のとき、日記にこう書いています:九月十四日 木エウ日ケフ カッカウカラ カヘルトキニ ピヤノノ 本ヲ モラヒマシタ カヘッテカラ オカアサンガ ピヤノノ 本ノ フクロヲ ツクッテ クダサイマシタ フクロニハ ネコヲ ヌイツケテ モラヒマシタ九月十八日 月エウ日ケフモ ピヤノヲ ナラヒマシタ ミヤドーサンガ ピヤノヲ ナラヒニ キマシタ。月エウト 水エウト 金エウニ ピヤノヲ ナラヒマス。1週間に3回もピアノのレッスンがある、広島女学院の音楽への力の入れようがうかがえます。ピアノを習い始めると、本や楽譜を入れる袋をお母さんに作ってもらったり、レッスンに行くときにおじいちゃんにお弁当を持ってきてもらったりと、家族や周りのひとを巻き込んでいく様子が見え、とても微笑ましいです。明子さんがピアノを弾いている、という写真は見たことがありません。でも、この鍵盤を見るたびに、小さな指で重い鍵盤のひとつひとつを押したのだなぁ、と想像します。「神様ヘルプ」を弾くわたしさて、私はエレクトーン。小学校入学時から、週に1回、音楽教室に通いました。小さなアパートの子ども部屋の半分くらいを占めるこの大きな楽器に、いつも兄が文句を言っていましたが、おかまいなしでした。友達が遊びに来ると、チェッカーズの「神様ヘルプ」を弾いてあげて、みんなでふざけながら(「プ」にアクセントをつけながら)歌った記憶があります。本当に楽しかった!六月二十四日 土エウ日ケフ ユフガタ ハツヱサント チズコサント サトコサント ワタクシト ノブチヤントガ アソビマシタ 。 ピヤノ ヲ ジヨウズニシマシタ。上手にピアノで遊んだ明子さんとお友達と弟さん。わくわくさせてくれるピアノの魔法に、引き寄せられていったのでしょう。いつの時代の子どもたちも、鍵盤楽器に心揺さぶられ、「見たい、聞きたい、触りたい」とみんなでそれを囲みます。みなさんにも、そんな記憶がありますか?「明子さんのピアノ」を囲む小学生たち



