連日の更新となってしまい申しわけありません。忙しかったとはいえ、今にして思えば合間合間で活動報告の更新くらいできたはずなんですが、仕事をこなすというのは難しいものですね。更新頻度を増やして1回分を短くした方が読みやすいのは分かってるんですが、更新日を決めた方がよかったですね。 1.開発状況の報告2.サンプル希望の方へ 1.開発状況の報告アブサンはニガヨモギのフランス語名です。ニガヨモギは日本では手に入りませんがヨモギは手に入ります。日本のヨモギでアブサンを作るのが今回の企画意図です。 使用したヨモギは和菓子用のものです。自然農法 兵庫県但馬産 但馬よもぎ本舗 さん(http://www.tajimayomogi.com/)の蒸しヨモギを使用しました。 ▲しっかりとしたヨモギの香りがします。 乾燥ヨモギでも良かったのですが乾燥だと色がキレイに出ないのでは?と思いコチラのペーストを使用しました。 材料費はなかなかのものでした。ネットで調べれば分かるので書きますが送料込みとはいえ1kgあたりで2000円を超えたのは初めてです。今までの仕入で一番高かったのが水尾の柚子で1500円/kgでした。(もっとも柚子は皮の部分が多いですし、ヨモギはすぐ使えるよう加工されてるので実質柚子の方がまだ高いですが) ▲なんら躊躇なくどっさり入れてやった 今の和菓子の世界ではヨモギを使っていないケースも多いですね。ヨモギの香りの香料と緑の着色料を混ぜた粉末が大手メーカーから販売されていて、温泉饅頭のヨモギ味とかはその粉をプレーンの饅頭の生地に混ぜたのが主流だそうです(マンガの情報です)。 作ってるときにそれを思い出して気づいたのですが、このヨモギはもしかしてかなり高級な和菓子用だったのでは?いいのでしょうか?こんなにお酒につかっちゃって。怒られるかな? アブサンの隠し味にレモンの皮またはレモングラス(フランス語でメリッサ)を加えるのがポピュラーなようです。うちには京都のブランド果物 水尾の柚子を使った柚子チェッロ用に皮を漬け込んで香りを出したお酒があります。これを加えて柚子の香りをつける予定です。 ▲柚子チェッロの原酒 95%のアルコールに「水尾の柚子」の皮をどっさり入れたもの 2.サンプル希望の方へ開発上少し悩んでいるところがあるのでサンプルを配布して皆さんの意見をお聞きしたいなと思っています。 ヨモギだけで作ると上の写真のように緑になりますが、アニスやスターアニスを加えると下の写真のように緑と茶を混ぜた色になります。 アブサンの味はほとんどアニスの味ですから入れないとアブサンっぽくありません。ただヨモギ+柚子の段階でもなかなか美味しいですし、色はキレイです。 「高級和菓子用のヨモギをふんだんに使っておきながら、アニスを山ほどいれてアニス味にしてしまうのは無粋ではないか?」「でもアニス入れないとアブサンじゃなくない?」というのが悩みです。 もともと正式販売モデルとクラウドファンディング限定モデルの二つを作る予定でしたので、アニスを入れたものと入れなかったものの2つを作るつもりです。 どちらを限定モデルにするかを決めてもらおうかと思っています。 ▲サンプル配布用の150ccボトル(右は4本セット 1本撮り忘れ) 申し込みはこちらのネットショップ(http://store.fruitliqueurfreaks.com/)からお願いします。住所などの取り扱い(暗号化)と費用の決済の手間とリストアップの手間の簡略化を考えてネットショップで販売ページを作ることにしました。 サンプルの内容は・baseのFLFsネットショップから希望者のみ申し込み・サンプルは2種類・A.ヨモギと柚子のお酒 B.アニス・フェンネル・八角・山椒のビターリキュール4本セット・Aが500円、Bが1980円です。送料が別にかかります。・内容量はすべて150ccです。 まずAのヨモギと柚子のお酒をお飲みいただいて、「アニスを足したら」「スターアニスで個性をつけたら」などをBを足してお試しいただければと思います。 「このままで良い(悪い)」「○○を何cc加えると深みが出る」などなど感想はSNSやfacebookでお送りいただければ参考にします。
書類仕事で前回から間が空いてしまったんですが、開発進捗を報告します。こんなことをやっていました。 1.アニスの白濁2.アルコール度数測定の様子 1.アニスの白濁前回の試作1号の欠点は「水を入れたときに白濁が生じない」ことでした。八角に比べアニスは同量入れても白濁しずらく何とかできないかとやっていました。具体的には・成分が出やすいようにすり鉢でする・つける時間を長くするの二つです。結論はというと、うすく白濁はするのですが、「ザルでこしても細かい粉末が残りのどが以外がする」「茶色が濃くなるため緑が汚くなる」と微妙な結果でした。すり潰す、ろ過すると工程が多くなる割には得るものは少なくあきらめるべきかもしれません。 2.アルコール度数の測定リキュールの酒税はアルコール度数によって決まるため、酒造メーカーはアルコール度数を定期的に測定する義務があります(採尺といいます)。こんな装置を使います。 ▲手作り感あふれるFLFsの蒸留装置 左のフラスコに測定液を入れガスで加熱し、蒸気を化学実験用の連続式蒸留器に通します。それが水冷の冷却器で冷やされガラス管内を伝って右側のフラスコにたまるという仕組みです。科学実験器具は高いのでなるべく100均で買えるものででっち上げました。左下の浮き輪用の黄色いポンプは冷却液の循環用に使っています。コレでも大体10万円くらいかかっています。リキュールに含まれる油分・糖分・旨み成分・色素などは100℃程度では蒸発しないので元のフラスコに残り、水・アルコール・香り成分(エッセンシャルオイル)は揮発して抽出されます。酒税法では残留する分を「エキス分」と呼んでいます。大部分は糖分です。抽出液はアルコールと水の混合液ですが、アルコールは水よりも軽いのでアルコール分が多いほど液は軽くなります。比重を計ればアルコール度数が分かります(0%なら比重は1、95%なら0.8161)。酒税法では比重は専用の浮標で計ることになっています。 ▲八角リキュールの蒸留の様子 抽出液はエキス分を取り除いたものなので、ほとんどが水とアルコールです。アルコールは水よりも軽いのでアルコール度数が高いほど液の比重は軽くなります。専用のメモリつきの浮標を浮かべると比重からアルコール度数がわかる、という仕組みです。 100ccを蒸留し、得た抽出液に水を足し元の100ccに戻し浮標を浮かべます。 抽出液は高濃度のアルコール液で透明です。香りが強いものは抽出液に水を加えると白濁します。白濁は高濃度のアルコールには溶けるが低濃度のアルコールには溶けない脂溶性の成分が析出するため生じます。抽出液に含まれるのは水・アルコール・100℃以下で揮発する成分。かつ脂溶性のもの、つまりこの白濁は香り成分(エッセンシャルオイル)と考えられます。古典的なアブサンの製造法の中に蒸留が入っているのは「好みの色を着けるために色素は取り除きたいが、ハーブやスパイスの香りの成分は残したい」からでしょう。蒸留で白濁成分だけ取り出せれば色が悪くなるという問題は解決するんですが、残念なことに日本の酒税法上蒸留工程はスピリッツ免許が必要で当社のリキュール免許では出来ません。どちらにしろ蒸留には燃料費もかかりますし小規模生産には向かないんですが。
酒造業は許認可産業で管轄は税務署(財務省)です。免許の期間は1年で事業者(酒造メーカー)には法的な義務がいろいろあります。 1.事業者は酒造免許を取る2.使用する設備を全て届け出る3..製造する前に製造許可をとる4.出荷前にラベルを届け出る5.毎月の出荷数量を届け出る6.毎月酒税を納付する7.製造記録をつける8.毎年税務調査に応じること この8つが主な義務で、これらを満たさないと罰則を受け、場合によっては免許の更新が認められず倒産します。今回問題視されたのは7の製造記録の記帳義務でした。 酒税は出荷量とアルコール度数で決まります。酒税を適切に納めないと脱税になります。酒税法が所得税法や法人税法と違うのは「適切または不適切な処理である事を証明する義務」がどちらにあるのかです。法人税等の場合は証明する義務が税務当局にあり、自白を含めた証拠を当局が集めて「不法行為である」と証明する義務があります。酒税の場合は逆で「適法な行為である」という証明を事業者が行わねばなりません。 具体的にいうと1.原料の入荷と使用の記録をつける2.届け出たタンク一つ一つの使用履歴をつける3.製造した酒類に何かを加えた、水で割ったなどの操作を記録する4.何ccを何本ビン詰めしたかを記録する5.いつどこに販売したかを記録する6.定期的に酒類を分析しアルコール度数とエキス分と比重を記録する7.これらを紙でまとめ酒造帳簿を作る。電子的な記録は改ざんが可能なので不可とする8.税務調査の際に担当者が酒造帳簿を確認し質問に答える。という仕組みになっています。 酒税はアルコール度数と出荷量できまります。アルコール度数は国税庁の鑑定官室で抜き打ちで検査されます。ただ出荷量のほうは売ったけど記録から消して売上げをポケットに入れるということが出ます。そこで原材料と設備の使用記録と生産途中のアルコール度数の記録から生産数量を概算し、在庫と出荷数量の合計を比較して売上げの除外がないかを調べるわけです。 我々の場合の問題として、8月末に税務調査をうけるまでそのような仕組みになってるとは説明を受けておりませんでした。記録をつける義務があるのは知っていたので作業内容は書類に残しておりましたが、現状の書類では、上記の仕組みの上で記録義務を十分に満たしているとは言えないという判断をされました。よって、記録の義務を果たした形に書類を整理して12月までに提出しないと免許更新が出来ず倒産するという事態になっておりました。 そこで、改めて書類の作成を行っておりました。税務署でもらった様式は日本酒用のもので果実酒とは生産工程が異なり、当然記入項目も変わってくるので結局様式から自分で作ることになりました。作成した書類は300Pを超え、何度か書き直したこともあって作業時間はかるがると300時間を超えています。11月末はほぼ徹夜で仮眠だけとってずっと書類書いてるような日々でした。しかし、こうした対応の結果、11月30日に税務署に提出し一応のOKをもらったので無事に免許更新の作業を進められる見込みを得ることが出来ました。 アブサンを楽しみに待って頂いている皆様には申し訳ありませんが、こういった状況で開発スケジュールが遅れてしまいました。なるべく発送遅延がないよう精一杯やりますのでどうかご了承をお願い致します。
諸事情により開発が遅延し、予定しておりました12月中の発送完了が難しくなりました。本来ならば、もっと早くにご報告するべきだったのですが遅くなってしまい申し訳ありません。 詳細に関しては長くなりますので、別途ご報告させて頂きますが、10月に当局から「酒造免許事業者の書類作成の法的義務を満たしていない」という指摘をうけ「このままでは年度末の認可の更新条件を満たしていないため更新ができない」といわれました。酒造は許認可産業なので認可の更新ができなければ自動的に廃業になるという状態でした。 認可が年度末に切れるので更新作業は1月から始まります。それまでに指摘事項への対応が必要で12月までには終わらせなければなりませんでした。廃業の危機という事もあって開発よりもこちらを優先せざるおえませんでした。 当局から指摘された書類の作成及び修正の作業は11月いっぱいかかりましたが、30日にそれなりの体裁をととのえて提出し一応のOKをもらい危機は脱しました。1ヶ月まるまる書類作成にかかり、その分開発スケジュールが遅れました。 予定では10月末:希望者へのサンプルの有償配布11月:アブサン正式版・アブサンCF限定版のレシピの決定12月頭:生産の開始。順次発送。12月末:発送の完了でしたが、 12月第1週:サンプル配布希望者の受けつけ12月第2週:サンプルの配布12月第3週:レシピの完成。生産の開始。12月第4週:発送の開始1月半ば:発送の完了という風に変更させていただきます。 年内に全ての発送を終わらせる予定だったのですが、一部しか発送できそうにありません。具体的には第1ロットの50人分程度の発送になるかと思います。 どうしても年内の発送をとご希望の方は優先的に発送しますのでご連絡ください。
◆アブサン商品名のアンケート 現在、権利獲得者様のご好意により、支援者様限定SNSで当アブサンの商品名のアンケートを行っています。名前の案だしから皆様にご協力頂きまして、誠にありがとうございます。 現在、最終選考まで進んでおり、最終候補は、① 和ぶさん② ヨモセント③ 蓬酒の3つです。 是非、アンケートにご協力頂ければと思います。 ◆酒蔵見学チケット(お礼状)について 大変申し訳ありません。チケットの作成が遅れておりまして、12月に予定しております、アブサンの発送に合せて発送させて頂きたく思います。 しかしながら、酒蔵見学はチケット到着前でもいつでも受け付けております。 弊社ホームページのメールフォーム(http://fruitliqueurfreaks.com/) 弊社Facebookページのメッセージ(https://www.facebook.com/fruitliqueurfreaks/) より、ご連絡頂ければ対応可能です。弊社は二条城の近くにあり、京都観光のついでにいつでもお越しください。