7月27日〜29日に福島県の南相馬市の伝統行事である野馬追祭りをみてきました!
鎌倉時代から始まったというこの祭りは、相馬中村神社・相馬太田神社・相馬小高神社の3つの神社の祭礼です。雲雀ヶ原祭場地を中心に旧中村藩領各地で開催され、御行列・甲冑競馬・神旗争奪戦・野馬懸などをおこないます。
大興奮
馬つまり動物とともに催すお祭りは珍しく、日本全国をさがしても、これほど大規模に人が集まるお祭りはここだけなのではないでしょうか?僕たちが二日目に見に行った、甲冑競馬は圧巻の迫力で風に舞う旗の音、甲冑の擦れる重々しい音、力強いうまの足には血が沸き立つように興奮しました。
また神旗争奪戦で獲得した旗を持って馬が総大将のいる丘へ勢いよく駆け上がる様は、まるで馬も喜び駆け上がっているようでした。
地域の誇り
震災後は参加者や参加する馬が激減した野馬追は、いちじは廃止に追い込まれたそうです。しかし、この間の野馬追を見て僕らが感じたのは、このお祭りは地域の誇りとなって、復興の支えとなり、希望を生み出しているということです。南相馬博物館の学芸員である板倉さんは「まだまだ、震災前のような人の参加人数には及ばないが、震災当時にくらべると少しずつ参加人数はもどってきている」と仰っていました。また板倉さんはこうもおっしゃていました。「いくらその町の道路や建物が綺麗に元どおりになっても、そこに住む人の生活や文化コミュティーが潤わないと真の復興とは言えないのでしょうか。」震災がおき住んでいた場所を離れざるおえなかった人は大勢います。僕らの取材をうけてくれた板倉さんもそのひとりでした。そして、数年前にまた自分の故郷である南相馬市にもどってきたそうです。しかし、戻ってきた時にご近所の人たちが変わっていたそうです。違う場所に住み着いた人、そのまま住んでいる人、外から来た人など当時できていた地域の関係性は変化し、ゼロ地点のフラットなものへなっていたそうです。僕たちは地元のコミュニティがうしなわれ、このコミュニティが築けなければこの地に復興はないと、お話を聞いておもいました。今回の野馬追は震災でバラバラになった関係性を束ねる糸口になるのではないかと感じました。相馬野馬追祭は地域のバラバラになった人々一人一人が持っている共通の記憶であり、地域の誇りです。離れていても自分の故郷にこんなにも素晴らしい祭りがあるというのは、プライドにもなるだろうなと思いました。規模は少し小さくなってもこれは本来のあるべき姿で、人がお祭りや祝祭を催す原点ではないでしょうか。野馬追の賑わいと南相馬の復興は切っても切り離せないものになっていると思いました。今後この野馬追がどのように変化し盛り上がっていくかが楽しみです。
南相馬市博物館
〒975−0051
福島県南相馬市原町区牛来字出口194番地
開館時間 9:00~16:45(最終入館は16:00まで)
休館日 毎週月曜日及び12月29日〜1月3日(月曜日が休日の場合は翌平日)
観覧料 一般:300円(250円)
高校生:200円(150円)
小学生:100円(80円)
( )は団体料金
※企画展開催中は観覧料が異なる場合があります。
※「団体料金」は20以上の場合です。
※障がい者の方は無料です。(手帳の提示が必要です)
※市内に居住・通学する(飯館村を含む)小中高生は無料です。