新体制にご参加いただく3人の演出家に、「鳥公園でやりたいことは何ですか?」と質問して、お返事をいただきました。2人目は、蜂巣ももさんです。
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「《鳥公園で目指すこと》
・フィールドワークを出発点に、今ある生活から、もっとも基本的で原始的な演劇、演じる身体と言葉を捉えること。
・その発見をワークショップにも落とし込み、見るだけではなく参加する場を作って、再度生活と演劇を繋ぐこと。
西尾さんと交流が出来てから、さまざまなリサーチプロジェクトの話を聞き、羨ましいな…と心動かされる瞬間が何度もありました。
「内臓語にもぐる旅」は吉本隆明の言葉をとっかかりに、現在の日本語の形を確かめる。からゆきさんをテーマにしてリサーチし、演劇を疑い、演劇に落とし込む。私たちにとって一番身近な現実そのものに光を当て問いかけ続ける稀有な場だと思います。鳥公園に参加することになって、一番にやりたいことは、そのリサーチプロジェクトに関わることでした。
私にとって劇作家は、後から追いかけなければならないどこか恐い人だと思っていますが、鳥公園の試みは、自由な形で出会いを作り出す場であると考えています。
目の前の時間や環境をもとに、信用すべき身体が踊り上がるような演劇の場を開拓する。そのようなことを実行したいと思っています。」
蜂巣もも
1989年生まれ。京都出身。2013年からより多くの劇作家、俳優に出会うため上京し、青年団演出部に所属。
また、庭師ジル・クレマンが『動いている庭』で提唱する新しい環境観に感銘を受け、岩井由紀子、串尾一輝、渡邊織音らとグループ・野原を立ち上げる。演劇/戯曲を庭と捉え、俳優の身体や言葉が強く生きる場として舞台上の「政治」を思考し、演出を手がける。本年より円盤に乗る派、鳥公園にも参加し、演出、創作環境のブラッシュアップをともに考える。
photo: 吉原洋一『あさしぶ』より
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こちらの「演劇最強論-ing」のインタビューで、この3人と一緒に鳥公園の新体制をやっていきたいと思った理由など、お話ししています。
https://www.engekisaikyoron.net/bird-park-kaori/