斎藤未緒さんによるパレスチナ通信リレー①パレスチナの暮らしの文中にある「オリーブ収穫プログラム」より、パレスチナといえば切り離せないキーワード、オリーブについてご紹介します。
日本でパレスチナのことが報道されるとき、それはしばしば困難な情景と結びついていますが、5月のガザ空爆で家を失ったカリマさんが動画の最後で語っているように、パレスチナは豊かな美しい土地です。
平和な暮らしを取り戻すことを願い、希望をもって生きている人々がたくさんいます。
パレスチナは、オリーブの産地として数千年の歴史があるといわれています。聖書の創世記には鳩が運ぶオリーブの枝が登場します。
オリーブはパレスチナの主要産業であり、人びとの豊かな生活の営みの一端です。先祖代々の土地で大切に育てられ、オリーブの木には千年以上の樹齢のものも多くあります。
しかしパレスチナの中でもイスラエルが治安や行政の実権を持つ地区では特に、パレスチナ農家のオリーブ畑は頻繁に入植者や軍による攻撃に遭います。広範囲にわたりオリーブの木を根こそぎにして破壊され、畑仕事をしている農家の人々への攻撃や収奪が日常的に行われ、多くの農家の生業と生活が困窮にさらされています。
そんな困難な状況の中でも、パレスチナのオリーブ農家は先祖からの土地で大事に紡がれてきた誇りを持ち続けようと、オリーブをパレスチナの土地にもう一度増やそうとしています。オリーブの豊かな実りを取り戻すことは占領や攻撃への抵抗運動にもなり、平和への近づきにもなっていくのです。
オリーブの木は繁栄と幸福のシンボルです。
ぜひ、みなさんもオリーブに触れ、パレスチナの伝統的な暮らしやアイデンティティーに思いを馳せてみてください。そして、平和のために何ができるかを考えていただく機会となれば、と願っています。
日本YWCAは、荒らされた土地にオリーブの苗木を植える「オリーブの木キャンペーン」を支援しています。
https://www.ywca.or.jp/whatwedo/palestina/olive
残りの期間が少なくなってきましたが、引き続き、クラウドファンディングの応援をよろしくお願いします!