延期となっていたアートわっか・すぎなみの新規メンバー募集が、ようやくできることになりました!3度目の緊急事態宣言が延長になったことで、体験会&応募相談会はオンライン開催と変更になりましたが、活動に興味を持っていただいた方とお会いしたいと思います。詳細はNPO ARDAのホームページよりご覧いただけます。https://www.arda.jp/cat_ap/5573なかなか先が見通せず、紆余曲折しながらのあゆみですが、今後も子どもたちへアートの鑑賞体験を届けられるように活動を続けていきたいと思います。体験会&応募相談会はオンライン開催に変更となっています。
今年度は、新型コロナウイルスの影響でさまざまなイベントが延期や中止となっていますが、アートわっかの美術鑑賞教室もしばらくの間お休みをしていました。わっかのアートカードを使ったグループ活動は、まさに密な活動...。そのままでは授業実施が難しいため、ソーシャルディスタンスをキープしながら行う新たな授業プランとツールを用意しました。授業がお休み中の春から夏にかけては毎月zoomでミーティングを重ね(使い慣れないながらに、みんながんばってzoomをマスター!)、8月からは対面で研修を再開し、9月10月はほぼ毎週末(!)集まって、新しいプランのファシリテートの練習の日々。根っこにあるコンセプトは変わりませんが、使うツールが変われば振る舞いが変わります。練習は、やってもやっても足りないくらいに、新しい気付きがありました。子どもたちが思ったことを自由に言える場を作るにはどんな工夫ができるか、いつものように近くに寄り添って小さな声を拾っていくことが難しいけどかわりにできることはないか、実践したら振り返りをし、学び合います。そして、10/19に、念願の授業再開!練習であれだけ何度も見てきた作品も、子どもたちと一緒に見ると、また新たな一面をみせてくれます。久しぶりに子どもたちの声を聞き、私たちがたくさんの元気をわけてもらいました。印象的だったのは、2クラスの授業を無事に終えたあとのわっかさんたちの充実した表情!初めてのプログラムをやり遂げたこと、新しい授業プランの手応えを感じ取れたこと、子どもたちの豊かな発想に触れたこと、ちょっと大げさな表現かもしれませんが、図工室にあったかい気持ちが溢れていました。わっかさんからは、「コロナ禍の中での久しぶりのわっかの活動で、はじめはドキドキしましたが、対話鑑賞が始まると、子供たちの好奇心は全開で私のドキドキはワクワクに変わりました。気になる一枚を選ぶワークも、共通点探しも、じっくり一枚の絵を見るワークにも積極的に発言していました。また仲間の意見をよく聞き合い、そこからまた新しい発見や想像が広がっていき、あったかな素敵な時間となりました。」と初回の感想が届きました。今年度は3月までに6校で授業を実施予定です。教材としてアートカードの活用を快く承諾してくださった【アートスコープ】、所蔵作品をご提供いただいた川崎市岡本太郎美術館さま、ありがとうございます。--また、ご支援いただいた方々へ、お待たせしている体験会と授業見学のリターンについてのご案内です。今年度はじめはまだ先の状況が読めない中で実施を延期とさせていただいておりましたが、ここまでの社会状況をふまえ、以下のように変更とさせていただければと思います。当初の予定と少し違う形となってしまいますが、できるだけ要素を変えずに、感染症対策を講じたうえで実施できればと思いますので、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。<体験会について>従来のアートカードの楽しさを味わっていただきたいところでしたが、万が一のことを考えると難しいです。今年度の残りの授業が終わる年度末に、新しい方法での授業内容を体験いただけるよう計画しております。具体的な日程は年明けにご連絡できるよう準備を進めています。<授業見学について>2学期以降に延期としていましたが、まだしばらくは外部からの見学受け入れが難しい状況となっており(保護者の参観も取りやめている学校が多いです)、見学以外の方法で子どもたちとの授業の様子をご覧いただく方法を検討中です。<5期生募集について>クラウドファンディングでは5期生の募集と育成も予定してご支援いただきましたが、コロナ禍で制限のかかった日常の中、子どもたちが自由な思考を止めることのないよう、このような状況下で新しいプランでの授業再開に注力しています。そのため、5期生の募集はあらためて来年度の春に行うこととし、今年度は新しい授業を軌道に乗せることに優先して取り組みたいと思います。当初の予定より1年遅れることになりますが、みなさまからいただいた資金は繰り越して使わせていただきます。
2月21日でアートわっか・すぎなみのクラウドファンディングが終了しました。昨年の12月から約1ヶ月半の間にたくさんのご支援をいただき、385,000円を集めることができました。このほかに、直接お会いしたからも寄付いただきました。目標に設定した金額に達することは叶いませんでしたが、みなさんからのご声援のおかげで、私たちも元気をいただくことができました。本当に本当にありがとうございました!これからも子どもたちに良い時間を作っていけるよう、真摯に向き合っていきたいと思います。リターンのご連絡などは、対象の方に随時お知らせいたしますので、しばらくお待ちください。今後とも、アートわっか・すぎなみの活動を見守っていただければ幸いです!
2月8日、今年度11校目の授業をおこないました。クラウドファンディングも残り11日となりました。これまでのレポートでは子どもたちの様子をお伝えしてきたので、今回は授業の裏側をレポートします!みなさんからご支援いただいた資金は、丁寧な授業運営のためのコーディネートや研修にかかる費用にも充てていきます。SNSなどでのシェア大歓迎です! 最後の応援をよろしくお願いいたします。―――――朝8時15分、登校中の子どもたちに混ざりながら、わっかさんが学校にやってきます。控え室として学校からお借りした部屋に集合し、全員が揃ったところで朝のミーティングを始めます。授業の3週間前には学校へ赴き、図工の先生や担任の先生と事前打ち合わせをしています。子どもたちの普段の様子、これまでにどんな鑑賞活動をしているかなどを先生からうかがい、45分間の授業で子どもたちが最大限に楽しい時間を過ごせるよう、準備をすすめてきました。打ち合わせを経て決まった内容は要旨をまとめて授業に参加するわっかさん全員に事前に共有済みです。当日の変更点など1日の流れを一通り確認した後は、実施教室の準備にとりかかります。机を4つ合わせて島を作り、子どもの数の椅子を用意します。 何気なく机を並べ替えているようにもみえますが、重要な場作りのひとつです。カードを広げやすいように高さを揃え、隣の島と近すぎて声が聞こえにくいことがないように整えていきます。朝の短い時間で準備できるよう打ち合わせで下見をしておき、机配置をあらかじめ共有しています。アートカードと名札用のテープを準備します。グループ活動のはじめにやる名札作りは、子どもたちとわっかさんの大事なコミュニケーション。安心して思ったことを言える雰囲気作りの一環です。何重にも準備を重ねて、いよいよ授業がはじまります!チャイムに合わせて、あいさつをしながら教室に入ります。知らない大人がずらっと教室に入っていくと子どもたちはちょっと驚いた様子。これから何をするのか、期待と不安が混ざった表情の子もみられます。司会のわっかさんから、「アートをみて、考えたり思ったりすることに間違いはないんだよ」「みんなが感じたことはぜ〜んぶ○(マル)!」、そして「今日はカードゲームをしながらおしゃべりするよ!」と伝えると、子どもたちは嬉しそうな顔に変わっていきます。授業内容の伝え方も毎回工夫をするところです。ゲームの時間は約30分。よくみて考え意見を聞き合うというルールが掴めると話が止まりません。じっくり考える時間を作ったり、ときにはテンポよく進めたり、子どもたちの様子をみながらグループ毎に進行します。黒板に書いてあるのは終了時間。楽しい雰囲気を演出します。授業の後は、先生との振り返りをおこないます。率直な感想をお聞きし、先生方からみたこの授業の良いところ・改善点を確認します。複数のグループ活動が同時進行するので、先生が見きれなかった子どもたちの様子も共有します。その後、運営面やアートカードの進行を振り返ります。今回は2教室にわかれて実施したため、移動時間や子どもたちの声の聞き取りやすさについて改めて考えました。ここで挙がったことを次回の授業に生かし、アートわっか・すぎなみの美術鑑賞教室はブラッシュアップされていきます。この日の解散は12時40分。あっという間の4時間半でした。
冬の土曜日、今日は公開授業の日です。図工の教室に小学4年生が入ってきて、グループごとに座りました。わっかのメンバーが最初に挨拶します。「今日はおしゃべりをたくさんする授業です。この時間は正しい答え、まちがっている答えはありません。各グループにいるわっかさんと一緒に、思ったことをどんどん話しましょう」【共通点探し】これから何が始まるんだろう?わくわくどきどきの子どもたちは、わっかさんが、ハガキ大のアートカードをたくさん取り出し、裏返しにして机の上でトランプカードのように混ぜ合わせるのを見つめています。待ちきれなくて、カードをひっくり返して裏の絵を見る子もいます。さあ、共通点探しゲームの始まりです。子どもたちが順番に、裏返ししたカードから3枚をとって、そのうち2枚に共通する点を話し合い、共通点1つについてグループの同意をとるというゲームです。「共通することって、何があるかな?」というわっかさんの問いかけに、みな絵に見入っています。「この二つは絵だけど、こっちはモノだからなー」よく動き回る子が口火を切ります。「こことここ、色が同じ!」すると、別の子が「あ、それなら、この色とこの色も同じだよ」「この鉄のモノのふちの形と、この絵の上のほうの藁みたいのが積んであるの、形が似てる」どんどんいろんな共通点が出てきます。最後の番になった、おとなしい子が、小さな声でいいました「この女の人の帯の小さい鳥の模様と、このガラスの入れ物についているここは、どっちも鳥だから同じ」細かいところによく気づいたね!と、驚きです。このゲームから、「見る」ことの奥深さ、つまり私たちは日ごろ、見ているつもりでも、思い込みで判断しているのではないかと気づかされます。ぱっとみて、違うと片付けてしまわずに、よく観察して通じる点を見つけられることは、多様性が高まる今の社会で大切な力ですね。【物語作り】正誤がなく、自分の意見が大事に受け入れられることがわかってくると、子どもたちの声にも張りがでてきたように思えます。さあ、次は物語づくりです。裏返ししたカードから2枚を選び、それをひっくり返して見た上で、今度は表が見えるカード1枚を選び、物語を作るというゲームです。3枚目を選ぶときの集中度はすごいものです。ある子は、とった2枚のカードが、大名行列の日本画と、松の木の屏風絵でした。「なにこれ?」とちょっと考えて、迷って選んだ3枚目のカードは、金屏風に川が描かれた絵でした。できた物語は「ある人が、たくさん並んでいる列から逸れて、道をあるいて川を渡っていったら、大きな樹がありました」ある子は、男性を描いた油彩、桜の花の日本画があたり、3枚目に縄文式土器の写真を選びました。物語は、「おじさんが桜の花を見に行ったら、妖怪に会ってしまいました。」わっかさんが「どこからそう思ったの?」と聞くと、「きのう妖怪のゲームをして、これが妖怪の顔に見えたから」とのこと。確かに縄文式土器の写真を横に見ると妖怪の頭に見えてきます。その子は屈託のない笑顔で、「ふだんできないことが、物語のなかではできるね」と、昨日のファンタジーの世界につなげたようです。アートカードの内容を関連づけてひとつの物語にするというゲームでは、子どもたちの自由な発想に驚かされます。物語を伝えたいという気持ちが自然に湧いてくるようです。あっという間に授業も終わりに近づき、隣のグループに遠征したり、わっかさんにアートカードをもって帰りたいとせがむ子もいます。授業のはじめと比べて、子どもたちの声がよく響きます。【未来を生きる力を育む授業】アートわっかの美術鑑賞教室は、美術鑑賞を通して、子どもたちが21世紀を生きるために大切な力を育みます。よく観察し、自分なりに考え、自分の言葉にして、他の人に説明し、多様な意見をよく聞き、それによりさらに自分の考えを深める。アートカードを用いたこのような活動に子どもたちは熱中します。こんな授業を一人でも多くの子どもたちに届けるには、教材や準備、ファシリテーショントレーニングなどを行う資金が必要です。クラウドファンディングを通してこの活動を輪を一緒にひろげていきませんか。(このレポートは、ARDAクリエイティブパートナーに見学、執筆していただきました。アメリカでVTSの研修も受講されたことがあり、現在企業研修に関する仕事をされてる方です。丁寧に子どもの体験をみて、さらに新たな視点でレポートを書いていただき、ありがとうございました!)