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トランプ政権下、米国の「コミュニティ」はどうなる? 低所得層・障害者の生存を追う

2017年1月に発足した米国のトランプ政権は、オバマケアの廃止など、福祉と社会保障を削減する政策を次々に打ち出しています。米国の低所得層と障害者の暮らしは、どのような変化にさらされ、どのような対応が行われ、結果はどうなるのでしょうか? 政権発足から概ね2年間、現地で調査研究するプロジェクトです。

現在の支援総額

295,284

14%

目標金額は2,000,000円

支援者数

41

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2017/02/15に募集を開始し、 41人の支援により 295,284円の資金を集め、 2017/03/30に募集を終了しました

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トランプ政権下、米国の「コミュニティ」はどうなる? 低所得層・障害者の生存を追う

現在の支援総額

295,284

14%達成

終了

目標金額2,000,000

支援者数41

このプロジェクトは、2017/02/15に募集を開始し、 41人の支援により 295,284円の資金を集め、 2017/03/30に募集を終了しました

2017年1月に発足した米国のトランプ政権は、オバマケアの廃止など、福祉と社会保障を削減する政策を次々に打ち出しています。米国の低所得層と障害者の暮らしは、どのような変化にさらされ、どのような対応が行われ、結果はどうなるのでしょうか? 政権発足から概ね2年間、現地で調査研究するプロジェクトです。

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本プロジェクトの言い出しっぺでやりだしっぺ、ライター・みわよしこです。   「匿名可、リターンなし」の寄付オプションを作りました 「リターンはいらない、匿名で寄付だけしたい」というリクエストをいただきました。本クラウドファンディングプロジェクトを立ち上げるまで、私、「寄付する側」のニーズはよく分かっていなかった気がします。「リターンはいらない、匿名で寄付だけしたい」というニーズも、その一つでした。 というわけで、さっそく3000円の新しい寄付オプションを追加し、Campfireに審査お願いしたところです。このオプションには何のリターンもありません。したがって、メールアドレスやご住所・ご氏名を入力していただく必要もありません。無事に審査が終了すれば、週明けの22日より利用可能になる見込みです。   本日は、パトロンの皆様へのお礼をお休みします 本業その他もろもろ佳境すぎてヘバっております。申し訳ありませんが、本日は、新しいパトロンの皆様へのお礼をお休みします。   今日も活動報告を読んで下さった皆様へ 残り13日間、 ・情報を拡散する ・関心のある周辺の方に情報を伝える ・できましたらパトロンになっていただく  などのご協力を、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。


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本プロジェクトの言い出しっぺでやりだしっぺ、ライター・みわよしこです。   米国のシングルマザーは、どのような状況にあるのか? まず、日本とはまったく状況が違うということを知っていただきたいと思います。 日本のシングルマザーは概ね120万人(全人口の約1%)、内訳は、離別80%・死別10%強・非婚10%弱。80%以上は就労していますが、貧困率は50%を超えます。 米国ではかなり状況が異なります(こちらのページによる)。 ・ひとり親世帯が1200世帯、うち80%j弱はシングルマザー世帯。 →シングルマザーは約1000万人、人口比で約3%。 ・内訳は、非婚約50%、離別・死別約50%。 ・年間を通じて就労していないシングルマザーが23%。 ・シングルマザー世帯の収入中央値は2.6万ドル。夫婦+子世帯の収入中央値(8万ドル)の31%。 ・シングルマザー世帯の貧困率は36.5%。 ・シングルマザー世帯の13%は食糧配布を利用、46%はフードスタンプを利用。 ・シングルマザー世帯の11%はTANF(日本の生活保護を劣悪にしたようなもの)を利用。ちなみにTANFの給付水準は貧困線の30%。 ・シングルマザー世帯の50%は公的扶助や給付を何も利用していない。 ・シングルマザー世帯の22%が健康保険の無保険状態。 日本とは全く異なる背景 「パット見」で、日本とは全く状況が異なっていることを、ご理解いただけると思います。 その背景には、 ・10代で、日本でいう「未婚の母」として非婚の母親になる例が多い。ただし日本のように「はい高校は退学ね」とはならない。日本で10代で妊娠した場合と異なり、高校は卒業できる。 ・人種問題や「言葉の壁」による貧困も。英語能力が不十分なため、条件の劣悪な就労しかできなかったり、社会保障を申請できなかったり、複数の子どもを同じ小学校に通わせられなかったり。 に加え、 ・シングルマザー支援が、どちらかといえば再婚の促進に重みを置いている。 があります。 もちろん、シングルマザー世帯がそのままで、母も子も健康に幸せに暮らし、子どもが成長して充分な教育を受けることを支援するNPO等もあります。支援者側が言葉の壁を超え、支援を届けようともしています。 そのような民間支援を含め、地域差や時期による差があまりにも大きいため、「米国のシングルマザー(支援)は」という話をすること自体が困難です。私自身、これまでの取材・調査では「この団体では、こうしていた」と紹介するにとどめています。私自身が、それ以上に理解できていませんから。 まずは目標50万円 肝心の資金ですが、ただいま、157,500円。目標200万円の7%を越えたところです。 「200万円」は、2年間で3-4回、述べ6-9ヶ月の米国滞在調査を想定した費用でした。今回、クラウドファンディングが成功してもしなくても、規模を大幅に縮小しても、この調査研究自体は行う心づもりです。また、4月、プロジェクトがスタートした後も、クラウドファンディングは「このテーマ」「この目的地」と絞り込んで、随時行う予定です。4月のスタート時点で、50万円は達成しておきたいと、強く願うところです。50万円あれば、1-2ヶ月の滞在(期間は滞在地の生活コストによります)を1回行うことが可能です。それが可能な資金がある状態で、プロジェクトをスタートさせたいと思っております。 今日も活動報告を読んで下さった皆様。残り14日間、情報を拡散する・関心のある周辺の方に情報を伝える、そしてもちろん、できましたらパトロンになっていただく などのご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。


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本プロジェクトの言い出しっぺでやりだしっぺ、ライター・みわよしこです。   新しいトップ画像を作りました     このクラウドファンディングをスタートさせた時から使用しているトップ画像は、米国のあるマイノリティ中心のコミュニティのようすです。でも、何の説明もせずに見せられたら「ああ、人がたくさんいる」でしょうね。というわけで。締め切り前の原稿から、一瞬の逃避を兼ねて。 もう少し「名は体を現す」であろう、新しいトップ画像を作りました。Campfireさんに承認されしだい、こちらがトップ画像になります。   新しいパトロンの方からのメッセージに、今日もお答えします   ・2017/03/15 19:30 Hisami Hamanaka さん1件「以前アメリカで病院勤務をしていたのですが、あるときからHIPAAの学習が毎年必修となりました。そのときからADAの重要さを理解できるようになりました。微力の貢献ではありますが、プロジェクトのご成功を祈ります」   ありがとうございます。米国に実際に滞在されていた方からもご注目をいただくとは、嬉しく、また身の引き締まる思いもするところです。どうぞ引き続き、よろしくお願いいたします。   まずは、目標50万円   さて肝心の資金ですが、ただいま、157,500円。目標200万円の7%を越えたところです。 「200万円」とは、2年間で3-4回、述べ6-9ヶ月の米国滞在調査を想定した費用です。今回、クラウドファンディングが成功してもしなくても、規模を大幅に縮小しても、この調査研究自体は行う心づもりです。また、4月、プロジェクトがスタートした後も、クラウドファンディングは「このテーマ」「この目的地」と絞り込んで、随時行う予定です。4月のスタート時点では、50万円は達成しておきたいと強く願うところです。50万円あれば、1-2ヶ月の滞在(期間は滞在地の生活コストによります)を1回行うことが可能です。それが可能な資金がある状態で、プロジェクトをスタートさせたいなあと思っております。 皆様、残り15日間、情報を拡散する・関心のある周辺の方に情報を伝える、そしてもちろん、できましたらパトロンになっていただく などのご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。


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本プロジェクトの言い出しっぺでやりだしっぺ、ライター・みわよしこです。写真は、我が家の猫の瑠(りゅう)、8歳男子です。お気に入りのハンモックに入っております。ハンモックは私が100均のバスタオルで自作しました。猫はもう1匹おります。既に天国に行った猫たちを含め、30年間で延べ5猫と暮らしてきました。「猫のおかあさん」である私の仕事は、取材とアウトプットだけではなく、ふだんの生活、自分のための障害者福祉の獲得、同居している猫2匹のケア、車椅子のメンテ、自分の事務所の事務、その他もろもろを含んでいます。しかもそれらが、障害の分、少しずつ制約されているというわけです。高度成長期のサラリーマンのような生活はしたくてもできませんが、これは自分の強みなのかもしれないと、ここ数年、思えるようになりました。スーパーで同じ野菜を買ってレジに並んでる人と「それで何作るの? へえ、そういうふうに料理するんだ、日本では考えたことなかった」と会話できる。猫と暮らしているワーキングプア層と、猫の急病にどうやって備えるかの情報交換ができる。各国の障害者と、具体的な手続きや使い心地を含めて、障害者福祉の話ができる。人が生きて暮らすことの重みと大変さが「わがこと」として分かっていればこそ出来た聞き取りが、たぶん、今までもあったんだろうと思います。これからは、さらに意識的に活かせるんじゃないかなあとも思います。 さて、昨日は確定申告の締め切りでした。なんとか申告書を作成し、提出し終え、疲れたので仮眠したところ、朝までがっつり寝てしまいました。健康第一、動ける身体と心あってのプロジェクトです。いいトシ(53歳です)なんだし、無理無茶しないように心がけなくちゃ。 寄付へのお礼 3月16日11時過ぎ、延べ22名の方が、パトロンになってくださっています。総額は、152,500円となりました。米国東海岸までの往復フライト費用、それも車椅子で安心して乗れる「安かろう悪かろう」ではないエアラインで、は達成できました。くれぐれも、プロジェクト実行中に燃油価格等の暴騰がありませんように。 さて本日も、新しくパトロンになってくださった方のメッセージを紹介し、お答えします。 ・2017/03/14 20:50 kimonojunjunさん「ものすごく興味あります。ぜひ、成功させてほしいです!応援してます!」 たぶん、私の知っている、いつも和服のオシャレな女性ではないかと思われるkimonojunjunさん、ありがとうございます。規模縮小するかもしれませんし、内容も途中で変更を迫られるかもしれません。調査のプロセスで、当初想定していなかった、より重大な問題が浮かび上がってくるかもしれませんし。なんにしても2年間、トランプ政権下で起こることを、しっかり見届けます。引き続き、よろしくおねがいします。 近日、シノドスに新しい記事が この経過報告に書いている内容に注目いただき、シノドスに、経過報告に加筆した記事を掲載していただくことになりました。どうぞ、引き続きご期待ください。 肝心の資金は 今回のクラウドファンディングが成功してもしなくても、規模を大幅に縮小しても、この調査研究自体は行う心づもりです。また、4月、プロジェクトがスタートした後も、クラウドファンディングは「このテーマ」「この目的地」と絞込、随時行う予定です。それにしても、4月のスタート時点で、50万円は達成しておきたいと思っています。50万円あれば、1-2ヶ月の滞在(期間は滞在地の生活コストによります)を1回行うことが可能です。その資金が手元にある状態で、プロジェクトをスタートさせられればと思っております。 皆様、残り16日間、パトロンになる・拡散する・関心のある周辺の方に情報を伝える などのご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。


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まずは寄付へのお礼3月14日18時過ぎ、延べ21名の方が、パトロンになってくださっています。総額は、122,500円となりました。 そろそろ、米国東海岸までの往復フライト費用1回分に達しそうです(車椅子で安心して乗れるエアラインは世界広しといえども多くはなく、「安かろう悪かろう」のエアラインは選べないのです)。くれぐれも、4月以降に燃油価格等の暴騰がありませんように。 今日もまず、寄付とともに頂戴したメッセージに、お答えします。「1日あたり100件」というようなご寄付をいただくようになると難しいかと思いますが、今のところ、無理なくお返事できております。 ・2017/03/13 23:06 beatbaby314さん「応援しています!頑張ってください!」 ・2017/03/13 23:09 Kyosuke Kunoさん「応援しています!頑張ってください!」 「応援しています! 頑張ってください!」はフォームに入っている定型句なんですね(汗フォームに「○○を応援しています!」「△△頑張ってください!」の「○○」「△△」を入力できる、あるいはプルダウンから選択できるといいのになあ、と思います。とにかく、ご寄付とともに応援と激励のお気持ちをいただいていることは間違いありません。応援のお気持ちに応えられるように、まずはクラウドファンディング頑張らなくちゃ。 既にパトロンになっていただいた皆様も、迷っていらっしゃる皆様も、ご関心と発信・拡散のご協力をいただいている方々も、引き続き、ご関心と情報拡散をよろしくお願い申し上げます。   ここがダメだよ米国の障害者福祉『シノドス』に掲載していただいた芹沢一也さんのインタビュー「トランプ政権は貧困層や障害者に致命的な打撃を加えるのか?――日本人の知らないアメリカの”共助”を探る 三輪佳子氏インタビュー」を読まれた方の多くは、米国の障害者福祉が「弱者救済」だけではなく、「弱者を弱者でなくする」「誰もを包摂する」と、さまざまな側面から前進してきたことに驚かれたようです。それはそうでしょう。私も初めて知ったとき、大いに驚きましたから。 しかし米国は、障害者にとっての夢の国というわけではありません。日本の方が進んでいる部分も多数あります。   ・「生存」の包括的な保障は、あるのかないのか米国の障害者福祉のダメなところは結構たくさんあるのですが、最大の「ダメ」は、多様な「生存」が包括的に保障されているかどうか、かなり微妙なところです。 状況は、障害類型によって大きく異なります(この点は日本も同じです)。そこに州以下の地方自治も加わります。ある地域、ある障害類型、ある側面だけを見れば、日本以上に「生存」「生活」が包括的に保障されていると言える面もあります。 しかし、「社会として、社会のあらゆる一員に人権を保証する」と言いながらも、「社会の一員であるかどうか」の選別に熱心な人々も多いのが米国です。「生きるに値する命/値しない命」を本人ではない人々が選別し、値しないと判断したら尊厳死へ、という流れも活発です。なにしろ、生きるに値しないのであれば、社会の一員であるかどうかを考えずに命を奪うという最大の人権剥奪が、簡単に出来てしまうわけなので。 そこに、キリスト教にルーツを持つ「妊娠中絶は悪」という考え方もからみ、非常に複雑な様相が呈されています。胎児に障害がある場合の中絶を認めないことは、女性に対して「望まない妊娠の中絶を認めない」というタイプの人権侵害につながる可能性があります。とはいえ認めれば、回り回って障害者に対する人権侵害につながりかねないのです。   ・米国の障害者に対する「働ける/働けない」の線引きの強烈さ 「生きるに値する/値しない」にかぎらず、人間に対する「Aである/Aでない」の明確な線引きは一般的に困難です。しかし、このような二分法を米国の福祉に見かける場面は、少なくありません。「働ける/働けない」も同様です。 「○国の障害者は働いている、日本の障害者みたいに福祉に甘えていない」という主張は、米国に限らず、数多くの国の事例を日本に紹介する中で数多く行なわれています。「障害者が働ける」を実現している背景は国や社会や時期によってさまざまです。米国が、日本に比べれば若干は就労促進的であることは確かかもしれません。しかも米国の障害者福祉には、「就労か、福祉か」の強烈な二分法があります。福祉の中で生きていける障害者にとって、米国の障害者福祉は、そう悪いものではなかったかもしれません。2016年、私が話を聞かせてもらったワシントンDCの精神障害者は、かつて働いていましたが、精神疾患を発症し、障害年金だけで生活していました。障害年金の月額は2000ドル。ワシントンDCの近郊に住み、自動車を保有しているその人の生活は、かなり大変そうでした。それでも「自動車を持つ」を含め、自分の望む自分の暮らしを、まあまあ実現できそうな水準ではありました。まったく就労出来ない障害者に対する福祉は、それなりに充実しているといえなくもありません。 ところが就労するとなると、数多くの壁が立ちふさがります。障害者福祉の多くは、就労”しない”ことが前提となっている(特に精神障害)ため、就労して自活できそうな収入が得られるようになると利用できないのです。もちろん、州や自治体による温度差はありますが。 就労すると、障害が消えたわけではないにもかかわらず「健常者並み」「健常者と同じ」を求められ、一方でパフォーマンスを発揮するための条件整備は整っていない場面も多く、間接差別・障害者の環境を改善しないことによる未必の故意的障害者差別……といったものに対し、ADA(American with Disabilities Act, 米国障害者法。1990年制定)改正などの対策はそれなりに重ねられてきてはいるものの、いまだ不十分なのが現状です。   ・働く障害者たちを苦しめ続ける「分断」 また、なんとか就労して自分を養えている障害者たちは、「自分は障害者なのか、職業人なのか」という問題に苦しむことになります。両方なんですけどね。米国で始まった障害者自立生活運動でいうところの「自立」は、経済的自立に限定しても、公的給付を受けないことを意味しているわけではありません。お金の出処がどこであろうが、就労収入比率が0%であろうが、その人には「自分らしい生活」をイメージし、実現する権利があります。当然、そのために必要な資金を求め、得る自由があります。また、いわゆる愚行を含め、さまざまな試行錯誤をする権利があります。「その人は社会にとってどれだけ有益なのか、どれだけ稼ぎ、納税する可能性があるのか」は、全く問題になりません。そういうことを問題にしないからこそ、障害者の自立生活は、障害のない人を含め、すべての人の自立生活の根本となりえました。「就労」という場面では、全く異なるものが要求されます。まず当然のこととして、パフォーマンスが問われます。より高いパフォーマンスを上げられるのが良い職業人。職業人でありつづけようとするならば、さまざまな意味で職業能力を磨き、高めなくてはなりません。もちろん、就労する障害者自身が、職業の場での論理・職業人的価値観を受け入れることは、大前提です。そのことは、もちろん、本人の収入向上や就労継続のやりやすさという面で、本人にメリットをもたらします。しかし、「○○の価値を生み出すから△△の報酬を受ける資格がある」という職業の場の論理は、障害者運動・障害者自立生活運動に、強く警戒されるものでもあります。 いずれは一つの価値観の中に、障害者としての価値観と職業人としての価値観を無理なく包摂できる日が来るのかもしれません。でも、今のところ、世界のどこにも、そのようなものは見当たりません。米国でも、少なからぬ働く障害者たち、障害者であり職業人でもある人々が、障害者の社会の論理と職業社会の論理の間で、板挟みになっています。 この点は、日本でも同様で、私自身の日常的な困りごとの一つでもあります。まだ一般就労する障害者の数が少ないせいか、「障害者が就労すれば解決する」と考えている若い障害者やその家族が多いせいか、この問題は前面に現れていません。では、日本は、米国よりも「まだマシ」なのでしょうか? そうかもしれません。 米国より「まだマシ」かもしれない日本の現状 2000年以後の日本の障害者福祉の動きを見ていると、米国に追随しているかのように見えなくもありません。それも、障害者の生きづらさを増す側面ばかり、積極的に移入されているような気がします。 しかし日本には、全身性障害で呼吸器・胃ろう・24時間のケアが必要な人々も、昨年7月に「津久井やまゆり園」事件の犠牲となった方々のような重度心身障害者も、一応は施設ではなく地域で生きていける基盤があります。「一応は」というのは、誰でも・どの地域でも とは行かないからです。本人または本人+家族が「生きたい」「地域で生きたい」「地域で生きて欲しい」と強く望み、実現のために最大の努力を尽くせば、「実現しつづけることができる」という感じだからです。また、制度的には、日本の障害者福祉は「福祉なしの就労か、福祉だけか」という方向に向かっているかのように見えてなりません。特に第二次安倍政権下で、その流れは顕著になっているようです。知的障害者・精神障害者に対する障害年金の「適正化」=給付抑制 も、「福祉なしの就労」「福祉だけ」の間に豊かに存在した「福祉も就労も」というグレーゾーンを消滅させる方向に向かうでしょう。このグレーゾーンは「自分の障害と折り合いながら、活かしながら、自分や自分と同じような人たちのための就労のモデルを作る」ということにも大いに活用されてきましたが、障害者自身がそんなことを考えたり試行錯誤したりすることを認めるには、日本の健常者社会は非寛容にすぎたのかもしれません。しかしそれでも、まだ、米国に比べれば「糊代くらいはある」という状況が、ここかしこにあります。このままでは、完全に消滅してしまうのかもしれません。 米国の障害者福祉には、日本の障害者福祉に持ち込まないことが望ましいことがらも、数多く存在します。本プロジェクトでは障害者福祉についても、何が持ち込むべきでない部分であり、その弊害は何であり、何が持ち込まれるべきであり、日本社会にどのように好ましい結果をもたらしうるのかを、しっかり調査したいと思います。   まずは、目標50万円 今回、クラウドファンディングが成功してもしなくても、規模を大幅に縮小しても、この調査研究自体は行うつもりです。 4月、プロジェクトがスタートした後も、クラウドファンディングは「このテーマ」「この目的地」という感じで随時行う予定です。そのためには、4月のスタート時点で50万円は達成しておきたいものです。50万円あれば、1-2ヶ月の滞在(期間は滞在地の生活コストによります)を1回行うことが可能です。それだけの資金が手元にある状態で、プロジェクトをスタートさせたいなあと思っております。本プロジェクトにご関心の皆様、残り17日間、パトロンになる・拡散する・関心のありそうな周辺の方に情報を伝えるなどのご協力を、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。