こんにちは!プロジェクトオーナーの熊谷です。ついにクラウドファンディング最終日となりました。およそ40日ほどあった日数もみるみる減っていき、時間がたつのは早いなとしみじみ思っています。昨日の夜、ケビンから突然載せてくれと送られてきた動画を急いで編集し、youtubeに載せました!こちらのリンクからご覧いただけます。https://www.youtube.com/watch?v=PF_c7GibuhQ 最後のラストスパートの応援、よろしくお願いします!
大学生 の付いた活動報告
こんにちは!プロジェクトオーナーの熊谷です。今日は、「Sex-for-Fishとは何か?」ということについて書いていきたいと思います。クラウドファンディングのページにも書きましたが、ここではより詳細に記していきます。ビクトリア湖沿岸部のHIV感染率の高さクラウドファンディングのページにも載せましたが、ビクトリア湖沿岸部は非常にHIV感染率が高いです。他にも感染率が高いのは、Siaya, Kisumu, Migori, Busia...と、湖の周辺地域が肩を連ねます。唯一首都のナイロビがここに入ってきていますが、沿岸地域とはまた違った要因が絡まり合ってHIV感染率が高くなっていることが考えられます。少しマップを大きくしてみてみましょう。やはりケニアの中でもビクトリア湖沿岸地域のみが突出して感染率の高い地域となっています。これの要因は、Sex-for-Fishと呼ばれる体を用いた体の取引慣行にあります。Sex-for-Fishは、現地語だとJaboyaと呼ばれています。少し細かく説明させてもらうと、現地語のルオ語でBoyaは漁網の「浮き」を意味します。Ja-という接頭辞は人を意味しています。こうしてみると「漁師のことかな」と思うかもしれませんが、この地域では、「魚をエサに漁をすること」を意味します。そのエサで釣り上げる対象は、他でもなく女性です。網の周りについているのがBoyaこのJaboyaですが、最近調べていて一つ気になることがありました。他地域におけるこの習慣の普及具合です。ケニアにある湖はビクトリア湖だけではありません。トゥルカナ湖という湖が北部にあり、そこでも漁は行われています。また、東部の大都市、モンバサをはじめとするインド洋側でも漁は行われています。それにも関わらず、この地域ではHIVの感染率は低いことが個人的に気になりました。地図上部に見える湖がトゥルカナ湖。東部でも漁は行われているが、HIV感染率は低い。これがなぜなのかはあくまで推測の域を出ませんが、一つ確実なのが「経済水準が低いため、体での取引に走る以外に手段がないこと」が考えられます。下記のBBCの記事では、一人の女性が次のように語っています。「週に1,2人の漁師と寝ます。(体での取引を)せざるを得ないんです。ほかに手段がないから。子どもを学校に行かせないといけない。Sex-for-Fishは忌まわしい習慣。」 Kenya’s battle to end "sex for fish" trade. より。”https://www.bbc.com/news/world-africa-26186194”.クラウドファンディングのページで僕の書き方が悪く、誤解を招いてしまったかもしれませんが、一方でSex-for-Fishは必ずしも「魚が買えないほど貧しい女性が行うものではない」という事実も明らかになりました。もちろんそうした例も否定できませんが、「ビジネス的に性行為を介した方が利益を得やすい仕組みになってしまっている」という見解で多くの資料は一致しています。女性が魚を売って稼ぐには、仕入れ元である漁師から安く魚を手に入れる必要があります。例えば、このBBCの記事では次のような取引形態が記されています。He tells me sometimes a female customer will pay 500 Kenyan shillings ($6; £3.50) in cash and another 500 shillings with their body. 彼(漁師)は、ある女性の客は500ケニアシリングを現金で支払い、もう500シリングを体で払っうこともあると教えてくれた。こうした取引形態を取ることで、500ケニアシリング分多くの利益を女性は得ることができます。ある種うまく儲けられるビジネスモデルのようなものとして、Sex-for-Fishは広まってしまっているのではないかと考えられます。これから波及して、この女性も言及していますが、「長く続いた慣習として地域に深く根付いてしまっていること」が考えられます。そして取引の対象はどうやら魚にとどまらないようです。ケビンから聞いた話ですが、生理用ナプキンを買うために同様の取引をしてしまうこと、また、バイクタクシーに乗る運賃を同様の取引で済ませてしまうこともあると地域の方から耳にしました。上の世代から受け継がれてきたSex-for-Fishという習慣がその取引の対象を広げてしまっているのではないかと個人的に思いました。言い換えれば「性行為そのものが値段を下げるための手段として捉えられ、その行為の手軽さ・利益性から広まってしまっている」ということもあり得るのではないかと考えています。仮にお金を持っていたとしても、です。もちろん根源にあるのは経済水準の低さですが、Sex-for-Fishが慣行として成り立ち、取引形態として広まってしまったことで、性行為そのものが手軽になってしまっている現実があるのではないでしょうか。まだ推測の域を出ないので、次の滞在時はこの辺の調査を行っていくつもりです。そして、ここにアプローチできる手法こそが性教育ではないかと考えています。たとえ経済力が追い付いたとしても、性行為をした方がお得という観念が無くならない限りはこの習慣はずっと続いたままでしょう。なので、性行為に伴うリスク(特にこの地域はHIVの感染率が高い)を適切に伝えること、コンドームの正しい使い方・アクセスの方法を伝えることが、Sex-for-Fishという問題を解決するための一歩となります。女性器切除の問題のように、いわゆる人権vs慣習のよくある対立になり難しさは伴いますが、時間をかけて改善していきます。少々お堅い文章になりましたがいかがだったでしょうか。なにか質問等あれば下記のメールアドレスまでご連絡ください!読んでいただきありがとうございました。takumi235.kendai@gmail.com
みなさんこんにちは!プロジェクトオーナーの熊谷です。公開2週間前が迫った今、ついに動く現地パートナーのケビンを紹介できます。Youtubeに動画を投稿しました。リンクはこちらから!https://www.youtube.com/watch?v=PYrFD1QVcBY(動画編集に不慣れなもので、手間取っていました…)今回の動画は現地パートナーのケビンからのメッセージです。彼がきっかけで僕はクラウドファンディングを立ち上げました。いわゆる「途上国」は、もしかしたら遠い日本から見れば「貧しい」「かわいそう」のようなイメージを持つ方が多いかもしれません。それは事実であることは否定できませんが、中には彼のように熱い思いを持って自分が生まれ育った土地を変えようと努力する人がいることを僕たちの活動を通じて知ってもらえればうれしいです。 この動画は彼と事前に少し打ち合わせをして作ったのですが、自発的にこの目や耳の聞こえない人たちのためのカードを作ってきてくれました。彼の人柄の良さがにじみ出ている一場面だと思います。 ぜひ皆さんご覧いただき、ご支援の程よろしくお願いいたします!
こんにちは!プロジェクトオーナーの熊谷です。もうだいぶ前になってしまいましたが、ケニアでCommunity Based Organizationとして、団体登記を済ませてきました!名前は「Service Beyond Horizon」です。ケビンが提案してくれたこの団体名は、日本からケニアへ地平線を超えて協力し合う、という意味が込められている、と勝手に解釈しています。笑これまでは既存の団体から名義だけを借りて活動を行っていましたが、これで正式に独立して活動を行えるようになります。これまで、地域の公共事業を行う方々に活動許可を依頼する場面でたびたび「許可は貰っているのか」「どこの団体か」とよく聞かれてきました。とくに中等学校では、訪れた3つ中3つの先生に聞かれ、団体を登記して正式な証明書をもらうということは、信頼につながるんだなとしみじみ感じました。こうした草の根的な活動には地域に認知されること、信頼されることが欠かせません。そういった意味でも大きな意義をもつものになりました。ちなみに、この団体登記に必要な資金(5000円ほど)は僕が書いているnoteでいただいたサポートから拠出しています!誰かが渡してくれたお金を、また誰かのために使うという寄付の尊さを自分たちの活動を通して知れたことは、本当に貴重な体験です。クラウドファンディングも終わりが見えてきました。まだまだ目標金額には程遠いですが、まだあきらめていないのでこれからも応援よろしくお願いします!熊谷
こんにちは!プロジェクトオーナーの熊谷です。クラウドファンディングも終了まで残り2週間ほどとなりました。時間がたつのはあっという間で、僕も明後日には帰国します。さて、だいぶ時差が開いてしまいましたが、現在プロジェクトでは性教育の対象となる学校の選定を行っています。紙ベースのアンケートで、HIVに関する知識や、早期妊娠による退学の事情、性的暴行に関する情報などをケビンと、もう一人の保健ソーシャルワーカーであるアブディ主導で行っています。さすがに二人とも手慣れたもので、時々笑いをかっさらいながら場を和ませてファシリテートしていきます。調査を始める前には、地域全体にプロジェクトを知ってもらうことが重要だという二人の提案から、親の承諾書を配布しました。加えて、15歳以下だとこうした活動に参加するうえで親の同意が必要になるらしく、パラリーガル(弁護士補佐)として働いているアブディから頼りになる助言をいただきました。同意書はこの地域で日常的に話されているルオ語で書かれています。特に母親は、十分な教育を受けておらず英語をあまり理解しない人が多いため、そこに配慮してルオ語で同意書を作成しました。普段耳でしか聞いていない言語を文字で見ると、普段感じることのない面白さがあります。まだ集計は済んでいないのと、調査は一校ででしか終えていませんが、ざっと目を通してみて僕が思ったことをここに書いていきたいと思います。①HIVの認知度は高い+テストの受診率も高い「HIVを知っていますか」「テストを受けたことがありますか」という質問項目があります。この両項目の回答には、多く「知っている」「受けた、20〇〇年」という回答が多くみられました。UNAIDS(国連エイズ合同計画)が定める「90-90-90ゴール」は①90%の人々が自分のステータスを知っている。(陽性か陰性か)②90%の人々が陽性の人々がARV(抗レトロウイルス薬・HIV治療薬)を受けている。③90%の人々が体内のHIV量を抑えられている。を目標として掲げています。UNAIDSによれば、2018年時点でケニアでは①は89%, ②は77%と、特に①に関しては高い水準で目標を達成していることがわかります。Avert Kenyaより特に①に関しては、行ったアンケートからも高い水準を達成していることが見て取れます。しかし、継続して受けているかどうかはまた別です。アンケートには「最後に受けたのはいつか」という質問項目を設けてあります。HIVがテストによって検出可能となるのは、感染してから最低でも1か月、確実に検出するためには3か月を要すると言われています。(HIV検査相談マップより。)仮にHIV陰性だと判断された次の月に性的接触があり、しばらくテストを受けなかったとしたらHIVは未特定のまま増殖を続けてしまいます。集計の際にはここを注視して、もし頻繁にテストを受けているのなら、どういう仕組みの下で頻繁にテストを受けることができているのか、またそうでないのなら、単発的に受けたのはどういう機会があったからなのか、定期的に受けている子との違いは何なのか、などの違いを検討していくことが必要になってきます。HIVは島ではHIV陽性患者はHIV治療薬を病院で無料で受けられるため、テストを受け、陽性と判明し、適切な搬送システムの中に組み込まれることはHIV感染拡大を防ぐための一歩ともなりますし、それが陽性患者の命を守る一歩ともなります。ゴール②に関しては、陽性だと答えた生徒に個人で聞き取り調査を行い、感染経路や、HIV治療を継続的に受けることができているかなどを確認していきます。解答用紙には各々ID番号が付けられており、誰が回答したか、本名は隠したままわかるようになっています。こうした配慮は、HIVなどのセンシティブな話題に触れる際には欠かせない重要な要素となってきます。②早期妊娠による退学がある「友人で学校を退学(drop out)した子はいるか」という項目があります。僕たちからすると信じられないかもしれませんが、さっと目を通しただけでも2,3件、「妊娠して学校からいなくなった」という回答が得られました。実はこの島のあるホマベイカウンティは、10-14歳の早期妊娠率が全体の33%を占めており、ケニアのカウンティの中でも全体の2位となっています。Another report by the UN Population Fund reveals that approximately 378,397 adolescent girls became pregnant between July 2016 and June 2017. According to the report – titled The People’s Choice – most of the adolescent girls (approximately 349,465) were aged 15-19 years.The rest of the teen mothers – an estimated 28,932 – were aged 10-14 years. The counties with the largest number of teen mothers were Narok (40 per cent), Homa Bay (33 per cent), West Pokot (29 per cent) and Tana River (28 per cent). 国連人口基金によるレポートによれば、およそ378,397人の女性の若者が2016年の7月から2017年の6月までに妊娠を経験した。The People's Choiceというレポートによれば、その多くは(349,465人)15-19歳だと言われている。残りの28,932人は、10-14歳の間に妊娠を経験した女の子たちだ。ナロク(40%)、ホマベイ(33%)、ウエスト・ポコット(29%)、タナリヴァー(28%)と続いている。Aflidep, "High Teen Pregnancy Calls for Sex Education" より。今回調査を行った5-7年生は、ちょうどその10-14歳の学年に当たります。細かい状況は、回答者に個人聞き取り調査を行うことで明らかになっていくと思いますが、こうした国データと照らし合わせて裏が取れると、数字の裏に隠れた恐怖というか、重みをひしひしと感じます。こうしたデータをもとに、どこの学校に介入すべきかを検討していく予定です。僕はもうすでに島を離れ、遠隔から事業を回すこととなりますが、週ベースでオンラインミーティングの時間を設けているので、逐一報告し合いながら事業を進めていきます。さて、クラウドファンディングも残り日数少なくなってきましたが、引き続き応援をよろしくお願いいたします!