2020年にクラウドファンディングによって生まれた社会起業探究プログラム「SOCIAL IMPACT」。昨年度に引き続き、5月から高校、大学の2校でプログラムが開始したことをご報告させていただきます。高校生が社会問題の解決するビジネス「ソーシャルビジネス」の立案に挑戦する「SOCIAL IMPACT」。今回の記事では、今年度で2期目となる2021年度にコースを提供いただいた企業を紹介させていただきます。■社会起業探究プログラム「SOCIAL IMPACT」とは?「SOCIAL IMPACT」は、高校生が社会問題の解決するビジネス「ソーシャルビジネス」の立案に挑戦する探究プログラムです。約3~8カ月かけて、特定の社会問題を解決するビジネスプランの立案に取り組みます。日本財団が実施した「18歳意識調査」で、「自分で国や社会を変えられると思う」と回答した人の割合は18.3%と極端に少ない日本。「解決したい社会課題がある」と回答したのも46.4%と9カ国中最低の数値が出ています。 「SOCIAL IMPACT」では、ソーシャルビジネスの立案を通じて、「社会問題との接点を作ること」「社会に働きかける成功体験を得ること」を目的として設計されたプログラムです。実際に社会問題解決に取り組むソーシャルビジネス企業から、社会問題の解決する「チャレンジテーマ」が出題され、テーマに対する自分なりの答えをグループワークで導き出します。■コース提供企業の紹介2021年度にコースを提供いただいた企業を紹介させていただきます。■ポストアンドポスト株式会社「捨てる社会」を変える子ども用品リユースショップ「POST&POST」を運営するポストアンドポスト株式会社。ポストアンドポストが提供するコースで取り扱う社会問題は、地球温暖化に大きな影響をもたらしている「日本のゴミ問題」です。世界の焼却炉の7割が日本に存在するほど、日本はゴミ大国と言われています。そんなゴミの大部分は最終的に焼却処理され、大量の二酸化炭素を排出しています。そして、燃やした焼却灰を土に埋めることにより、土の中の微生物が死に、森が枯れている現状があります。このような現状対して、生活者の廃棄習慣を変えるソーシャルビジネスの立案に挑戦します。■ボーダレスハウス株式会社異文化への差別偏見をなくす国際交流シェアハウス「BORDERLESS HOUSE」を運営するボーダレスハウス株式会社。ボーダレスハウス が提供するコースで取り扱う社会問題は、異文化への差別偏見と閉鎖的な社会です。グローバル社会といわれながらも今も続く、特定の宗教や人種に対する差別行為。直接的な差別行為だけではなく、外国人は信用できないから家を貸したくないという不動産の問題や、外国人の社会からの孤立が起きています。このような現状に対して、ボーダレスハウスが展開する物件を活用し、多文化共生社会を実現するコミュニティスペース事業の立案に挑戦します。■UNROOF障害者が「戦力」として働き、正当に評価される場をつくる革ブランド「UNROOF」。UNROOFが提供するコースで取り扱う社会問題は、障がい者が活躍できる仕事が限られるという問題です。「障害者は能力が低い。障害者は給与が低い。障害者は単純作業しかできない。」社会の中にそんな意識があるため、彼らが活躍できる仕事は非常に限られた状態にあります。このような現状に対して、「障害の有り無しに関わらず活躍できる場」のロールモデルとなるようなソーシャルビジネスの立案に挑戦していきます。■RICE発信で社会を変える社会派インフルエンサーのコミュニティ「RICE」。RICEが提供するコースで扱う社会問題は「当事者意識を持って政治や社会に参加する若者が少ない」という日本の市民意識の問題です。日本の社会・政治への参加意識は国際的に見ると、著しく低い状況にあります。例えば選挙の投票率を取ってみると北欧では80%を超える国もありますが、日本では50%を切っています。また署名活動やボランティア活動といった社会活動に参加する割合をみても、欧米諸国とは2倍~3倍の大きな差があります。このような現状に対して、若者の間で社会に発信するムーブメントを引き起こすようなソーシャルビジネスの立案に挑戦します。2021年度はこちらの4企業からコースを提供いただき、参加する生徒の皆さんと、社会問題の解決に繋がるビジネスプランの立案に挑戦していきます。どのようなアイデアが生まれるのか、プログラム終盤のプレゼンテーション大会での発表を楽しみにしています!今年度も「自分にも社会にできることがあるんだ!」と実感できる体験を届けられるよう、運営一同、頑張っていきますので、応援のほどどうぞよろしくお願いいたします。社会起業探究プログラム「SOCIAL IMPACT」代表 廣瀬 智之
こんにちは。CHANGE SCHOOL JAPANの廣瀬です!プログラムのトライアル導入が始まって早5カ月。まもなく高校のトライアル1校目の学校が、大詰めを迎えるにあたって、近況報告を更新させていただきます。プログラムに取り組む高校生中間発表 規格外野菜コースの発表中間発表 ホームレス問題のコース5月から1週間に100分間、こちらの高校ではプログラムに取り組んでくださっていました。写真は中間発表を夏休み前に実施した時の写真です。遠方のため、僕たちはオンラインでの参加となりましたが、社会問題について堂々と調べてきたこと、考えてきたことを語る生徒さんの姿に、嬉しさと感動を感じました。中には「規格外野菜」の解決策を考えるコースに参加するグループは、自分たちで地元の農家さんにアポイントを取り、自分たちの眼や口で規格外野菜を体験し、感じたことを発表してくれました。社会問題をどうすれば解決できるのか、生徒の皆さんが頭を悩まし、行動を起こす姿に、社会問題を自分事にするというのは、まさにこう言うことなんじゃないかと、自分たちが作りたかった時間が実現できているような感覚になりました。まだまだプログラムとして未熟な点も多いので、今後生み出したものを、どう発展させていくのか、課題は多いですが、一旦はゼロから生徒さんの学び、体験を生み出せたことにはとても意義があることのように感じています。こちらの学校では11月に最終プレゼン大会を実施します。いよいよ大詰めです。ここからさらにどんな成長を見せていただけるのか、そしてどんな発表がみられるのか非常に楽しみです。そして11月には新たに宮崎の学校でプログラムが開始されます。高校1年生100人の方に受講いただけることになっています。トライアルは宮崎を含めて残り2校。1月から地元滋賀の学校で導入され、一旦終わりを迎えます。各校の近況、また大阪の高校の発表会の様子を、また経過報告をアップしていきたいと思っていますので、乞うご期待ください。【完成報告会について】9月に予定をしておりました完成報告会について、実施を大阪の学校が終了する11月頃の実施で動いております。もう少々お待ちください。また当初オフラインでの実施を考えておりましたが、コロナウイルスの関係上オンラインでの実施が見込まれます。また開催時期が定まりましたらCAMPFIREのメッセージからご連絡させていただきますので、もうしばらくお待ちください。以上、プログラムの経過報告でした!最後までお読みいただき、ありがとうございました。廣瀬
こんにちは!CHANGE SCHOOL JAPAN代表の廣瀬です。クラウドファンディングへの挑戦から早2カ月が経過しました。先日活動報告も流させていただきましたが、順調に今トライアルを3校で回すまでに至っています!コロナウイルスの影響もまだ残ってはいますが、開校される学校も増え、今週はいよいよトライアルを実施している学校に初めて訪問します!とても楽しみです。この度、本プロジェクトとは直接関係がありませんが、CHANGE SCHOOL JAPANを運営するTomoshi Bito株式会社が、本プロジェクトと並行して新たな取り組みを始めることとなりました。新たなプロジェクトを始めるにあたって、CHANGE SCHOOL JAPANプロジェクトをご支援いただいた方に、違う事業を展開しているような誤解を招かないよう、事前に共有をさせていただきたく、こちらの活動報告を配信しています。なお念の為のお断りですが、本プロジェクトでご支援いただいた資金に関しましては教育プロジェクトの目的のみに使用させていただきます。 少し長くなりますが、新たな取り組みに至った背景も説明していますので、ご一読いただけますと幸いです。...私たちTomoshi Bitoは学校教育でのプロジェクトに加え、新たに社会的発信者を増やしていく活動も始めることを決めました。具体的にどういうことか?またなぜその挑戦を始めることに至ったのか、背景を説明します。今回のクラウドファンディングで始めたプロジェクトは、あくまで「学校教育」の中で行うプログラムです。体験型の中長期間で取り組むプログラムのため、導入するには、前年度から学期のスケジュールに入れていただく必要があります。そのためどうしても時間をかけて少しずつ広げていく形になってしまいます。今年度トライアルを導入してくれる学校は全部で4校ほど。授業を実施している時間以外にもプログラムのブラッシュアップや次年度の準備に時間は必要ですが、それでも尚時間は残ってしまいます。もともとは夏休みなどにスタディツアーを!とも考えていましたが、コロナウイルスの影響にそれも難しい状況となってしまいました。ただ待っているだけではもちろん人件費でキャッシュも減っていきます。何か学校教育外に展開を広げる必要があると考え始めました。また自分の想いとしても、何か今この瞬間の社会に対しても、インパクトを与える取り組みができるのであれば積極的にやっていきたいという想いがありました。教育はある意味、未来への投資、種植えの要素も大きい取り組みです。将来の社会づくりに貢献はできると確信をしていますが、今の大人たちを変えることは難しいと考えています。そんな時に行きついたのが、今回の「社会的発信を増やす」という事業の構想でした。ニュース配信のアプリ事業に取り組んでいた時、毎日山のようにニュースメディアの記事に目を通していました。しかし社会的な情報をインプットするのは、凄く体力のいることで、精神的にも少し疲れてしまうし、気が重くなってしまうことも多々ありました。アプリ事業を停止したのと併せて、メディアでの積極的な情報収集やSNSでの意見発信を少し遠ざけていました。そんな自分に考えるキッカケをくれたのは、まさに社会的発信に取り組む人たちの投稿でした。特に印象に強く残っているのは、ウーマンラッシュアワー村本さんのこのnote。発信するということまたせやろがいおじさんの伊藤詩織さんが受けたとされる性被害を取り上げたこの動画です。どちらも真剣に色んな社会問題に、声なき声を上げる人たちに向き合っていることが作品からもひしひしと伝わってきました。もともとは自分もこうした社会の不条理に日々向き合い、声を上げていたはずが、情報をとることをやめたことをきっかけに自分の心の中に無関心が育まれていたことに気が付きました。社会問題解決に当事者意識を持つ人を増やしたい。そう思い、Tomoshi Bitoを創業して1年半。事業プランを考えていた時、僕は社会問題に対しての関心を「関心」「無関心」の二元論で落とし込んでいたように思います。だけど本当はそうではない。どんなに何か特定の社会問題に関心を持っていても、違う分野の問題には関心を持っていない人もいる。情報収集を止めた自分のように、関心が失われていくケースも存在する。今回教育事業で取り組もうとしている「変えられる」という自己有用感と同じくらい、「関心を持ち続けること」も大切だと、事業を走らせて1年半たった今、気づくことができました。そして「関心を持ち続けること」に必要なのは、「知り続けること」「考えること」「自分の意見を発信すること」だと思います。知ることをやめれば、考えることをやめれば、少しずつ人は無関心に近づいていく・・・無関心を打ち破るためにも、SNSを中心とした発信者が増えれば増えるほど、また影響力を強めれば強めるほど、社会に育まれてしまう無関心を打ち破ることができるのではないか?そんな考えにいきつきました。社会的発信者を増やすために取れるアプローチは色々あると思っていますが、まずは現状すでに社会的な発信に取り組む人をエンパワーしていくべく、社会派のマイクロインフルエンサーやYouTuberの方々に仕事を提供したり、育成を行う事務所のようなものが作れるといいなと考えています。具体的には社会的な商品・サービスを販売するソーシャルベンチャー、また大手のCSRなど、社会性に特化したマーケティング、プロモーションを、社会的発信に取り組むマイクロインフルエンサーや、YouTuberの方々と行っていこうと考えています。そして今回の新たな事業を日本の日常に社会的な発信を根付かせるというような思いを込めて、RICEと命名しました。これからは学校教育事業と、SNSを舞台とする社会的発信の輩出事業の2軸で、「社会問題解決に当事者意識を持てる社会」に向かって一刻も早く大きなインパクトを生んでいきたいと思っています。活動がこれまで以上に多岐にわたっていきますが、これまで以上に角度の高いソリューション開発ができていると感じています。CHANGE SCHOOL JAPAN、そしてRICEを引き続き応援を頂けると嬉しいです。以上、Tomoshi Bitoが新たな挑戦をするにあたって、CHANGE SCHOOL JAPANをご支援いただいた皆さまにご報告の投稿でした。また随時トライアルを様子を発信していこうと思いますので、ご期待ください!お読みいただき、ありがとうございました。廣瀬