みなさんこんにちは。八神です。
クラウドファンディングも残り10日となりました。
今日までご支援をいただいたみなさま、本当にありがとうございます。
65名ものみなさまにご支援をいただきましたが、まだ達成まで約30万円足りない状況です。
ぜひ最後まで、シェア、拡散、ご支援での応援をどうぞよろしくお願いいたします。
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先月、自立援助ホームを開所するにあたり児童相談所に訪問しました。
自立援助ホームには原則児童相談所からの紹介で入れることになります。対象となる子どもたちを繋いでもらえるよう、開所のお知らせと私たちの自立援助ホームの方針を共有しに行きました。
児童相談所の方と話している中で、その方がおっしゃいました。
「どの子どもも捨てられたくないと思っているんですよね。」
その言葉に「あぁ私の気持ちを代弁してくれた」と強く共感したのです。
今日は私がそう感じた理由をお話できればと思います。
(先日開かれた無料学習教室の卒業式にて。中学を卒業する子どもたちにメッセージを送りました。)
※トップの画像は、私の高校受験の合格祝いに塾が開いてくれたすき焼きパーティの様子です。
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私は虐待を受けていた約5年間、誰にもそのことを言えずに過ごしてきました。
やっと言えた相手は学校の担任の先生。中学3年生のときでした。
「県外の寮制の高校に行きたい」
進路相談の時間に私は突然担任の先生に伝えました。
そしてそのことを「お母さんには言っても構わない。ただお父さんには内緒にしていてほしい」と伝えたのです。
突然の私の発言に先生は驚きました。
父は外にいる時は「いい父親」として振舞っていましたし、私にも人前では父を慕うように強要していました。先生は私と父が仲良しだと思っていたのです。
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当時、私は父からの拘束状態にありました。
父は時間に融通のきく仕事をしていたこともあり、中学生の私の送り迎えを毎日していたのです。
さらに学校から帰ってからは絶対家にいなければなりませんでした。父は仕事に戻った後も時折家に電話をし、私がいるかどうかを確認しました。
すぐに受話器を取らなければ、父が帰ってきた後暴力をふるわれました。
15時35分。
その時間は私にとって絶対超えてはならないラインでした。
帰りのホームルームが終わるのが15時30分。父には15時35分までに門に来るように伝えられていました。
1分でも遅れようもならその後ひどい目にあいます。
学校が終わる15時30分からの5分間、私は毎日全力で門に向かっていました。
ある時、中々ホームルームが始まらない時がありました。先生もクラスをまとめられずにどんどん時間が過ぎていきます。
15時30分・・・31分・・・
「お願いだから早く終わって!!」 もう心の中では半泣き状態です。
気づいた時私はクラス全体に叫んでいました。
「早くしろっっ!!」
なんなんだあの子はと思われたに違いありません。
それくらい35分に間に合うことは私にとって命がけのことだったのです。
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先生はなぜこのようなことが起きているのか知る由もありません。
「県外の高校に進学したい」という発言を怪しんだ先生は私に理由を聞いてきました。
数回の面談を重ね、私はとうとう自分の身に起きていたことを正直に伝えました。
先生に話したその日のうちに私は児童相談所に引き取られました。
私はそこで約4ヶ月間一時保護され、その間学校にも行けませんでした。母と弟は別の施設でしばらくの間暮らしていました。
父にはそれ以来会っていません。
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「なんで言わないの?」
父からの虐待が発覚した後、何も知らなかった母に何度も言われました。
でも私はその度に思いました。
「言わなかったんじゃない。言えなかったんだよ。」
父の虐待が発覚した後母は父とすぐに離婚してくれましたが、あの頃の私は「離婚しないでほしい」と思っていました。
「自分のせいで家庭を壊したくない」そう思っていたのです。
「虐待されていることを誰かに言ったら見捨てられる」と感じている子どもたちは少なくありません。
そして虐待がひどければひどいほどそのことを言えずに「自分が我慢すれば全ておさまる」と悪循環に陥ってしまいます。
子どもたちが自立援助ホームに入居する一番の理由は「親の放任・虐待」次に「養育困難」と続きます。
どの子どもも初めから好んで家庭を離れる選択をするわけではありません。
長く耐えてきた子どもたちがやっと恐怖から解放されて保護されたのち、安心して生活するために繋がる場所、それが自立援助ホームです。
だからこそ彼女たちが巣立った後にまた帰ることのできる実家になれる場所を作りたい、作らなければならないと思っています。
【みなさんからのご支援の使いみち】
ー 備品代(エアコン本体代、設置費用など):約35万円
ー 広報費(HPの開設、パンフレット制作など):約5万円
ー Le Port(ル・ポール)基金:約30万円
先日正式に開所をしてから、既に何件かの問い合わせがきています。
子どもたちの入居に向けての準備も、このクラウドファンディングのチャンレンジと同時に進めている最中です。
今回の外出自粛要請で、家を離れたくても離れられない子どもたちが、どれだけつらい思いをしているだろうと胸を痛めています。虐待リスクも今確実に高くなっていると感じます。
「あと一歩早ければ」そんな悲しい状況を少しでも減らしていくために、私たちも全力で取り組んでいきます。
最後まであたたかな応援をよろしくお願いいたします!
(工事が無事完了したル・ポールの内装です。)