こんばんは。川野辺です。 早いもので当プロジェクトも残り10日となりましたので、リターン追加後の報告を差し上げます。 現在パトロン様43名、合計金額642,000円。達成率112%になりました。当初の想定の何倍ものご支援、改めまして心より感謝申し上げます。 今回はいつものような小ネタは用意しておりませんので、軽く私の仕事の近況をお伝えしようと思います。 5月1日から大阪の新しい仕事場でパタンナーの見習いとしての仕事が始まりまして、毎日てんやわんやしています。最初はパターンを引くことは技術的に難しいので、現在は検品という工場から送られてきた製品のチェックと、工場への指示を任されています。工場に勤めていた経験が活かせる半面、やはり知らないこともまだたくさんあり、一丁前な仕事ができるようになるのはまだまだまだまだ先やなぁと悔しい思いもたくさんしています。 一方金~日には今のところ毎週サンプルのお仕事もいただいて、毎回異なるアイテム・仕様に悪戦苦闘しており、こちらも大変勉強になっています。4月からの契約ですのでまだ10件もいただいていませんが、これが100件になった頃にはそれなりに成長できているだろうかと見込んでいます。 5月から新しい生活が始まり、私の理想の「技術者」に近づくための最高の働き方ができていると実感しています。縫製にしろ技術者にしろ「10年越してから」。とにかくこれを続けることが大事なので、心身の管理も含めて頑張って行きたいと思います。 次回はプロジェクト終了直前ですので、パトロン様向けに「身体・お洋服の寸法の測り方」をご説明したいと思います。服をどなたか特定の方のために作るうえでは、サイズ感は量産品以上にシビアになってくると思いますので、パトロンの皆様はぜひお読みください。 以上お読みいただきありがとうございました。
こんにちは。今回は追加リターンのお知らせを致します。 先日メインページには追加しましたが、ここで改めて追加リターンについてご説明差し上げたいと思います。 まず一つ目ですが、当初からのリターンで最も早く売切れてしまったB. レギュラーシャツとC.クレリックカラーシャツを計5枚追加致します。価格は当初のものと差をつけず¥15,000です。当初はBとCを別枠で設定しておりましたが、今回はBかCどちらかお選びいただく形にしようと思います。他サイズや生地をお選びいただく形式はそのままです(生地については本文をご覧ください)。 そして二つ目に、スカートを追加します。こちらも限定数は5着、価格は¥12,000になります。 ”つぎはぎ”フレアスカート。布をたっぷり使った、ボリューム感のあるスカートです。仮作成した写真がこちら。 なぜつぎはぎかというと、このスカートを広げるとこのようになっているからです。 私が私物で所有しているスカートに、「ハンカチーフヘム」という形のものがあります。ヘムとは裾のこと、つまり「ハンカチのように四角い裾」の中心に胴体を通すための穴を開けたつくりのスカートということです。今回はそれを改造し、単純な四角ではなく「つぎはぎ」にしてみました。更に、図のように各パーツにおいて柄を様々な方向で裁断することで、視覚的にも楽しいつくりとなっています。特にストライプ柄ですと各パーツのぶつかり合いが明瞭に現れますので、おすすめです。 サイズは以下のとおりで、フリーサイズになります。 ウエスト:65cm、脇丈:52.5cm、スカート丈最長部:77cm ウエストはゴムを下の写真のようにむき出しにして使用します。65cmではありますが、柔らかめのゴムを使用しますので様々な体格に対応できるかと思います。 またスカート丈ですが、身長156cm標準体型の私が履くと大体ふくらはぎ丈になります。 以上追加リターンの紹介でした。是非ご検討いただければ幸いです。引き続きどうぞ宜しくお願い致します。
ご無沙汰しておりました、川野辺です。皆様GWいかがお過ごしでしたでしょうか。 早速ですが、先週土曜日に決行致しましたモニタリング(試作・試着)企画のご報告を差し上げます。前回・前々回とCクレリックシャツの試作風景をお届けしてまいりましたが、実際にモデルさんに着ていただき、サイズ感などのコメントも頂いてまいりました。 なお今回試着を依頼したモデルさんは身長180cm、Lサイズを着用していただきました。若干細身の体つきではありましたが、全体として標準的な体格をしていらっしゃいました。そして、後ほど紹介させていただきますが、撮影は大学時代の後輩で現在京都にてフォトグラファーをやっているソノダユキヤ君にお願いしました。 それでは、まず正面写真です。 非常に爽やかですね。モデルさんが仕事帰りだったため仕事着に合わせていただきましたが、この生地でしたらビジネスシーンでも十分使えそうです。 次に横から。 モデルさんご本人は「ちょうどよい」と言ってくださいましたが、袖丈はあと1,2cm長くてもよかったかもしれません。 次は座った図です。 座ったときに後ろの裾が出てしまうことは皆様も経験がおありかと思いますが、そのようなことはありませんでした。 そして後姿です。 私が一番気になったのが後ろから見たときの袖の根元のしわでした。ここはパターン(型紙)の調整の余地があるかもしれません。 ここから細部の写真です。まずは袖口をどうぞ。 時計をつけても、ひじを曲げればぱっと見られるサイズ感のようでした。 次に衿元です。 ここで一番上のボタンも閉めてもらいましたが、彼の首元にはちょうどよい衿周りの長さでした。衿ぐりは首の周囲に指が1本入る余裕を持たせるとよいといわれています。それ以上小さいと首がきつく、ゆるすぎるとネクタイを締めたときにピシッと決まりません。 またCクレリックカラーシャツにはこの衿・袖元のカフスにオックスフォードという生地を使っています。写真では生地のキメまではわからないかもしれませんが、メインの生地よりはほんの少し荒い織りをしているのが特徴です。 次に動きのある写真です。 ジャケットを羽織る動きをしていただきました。私見ですが、ハンガーに掛けたときの洋服のしわはあんなに小憎たらしいものですのに、こうして人が着て動いたときにできるしわはなんとも美しいものですね。 続きましてビジネスシーンに使えそうということで、ジャケットを着ていただきました。 決まっていますね。また、ジャケット着用時の衿もとはこのような感じです。 シャツの衿とジャケットの衿の重なり具合、こだわりをお持ちの方はご参考になさってください。 最後に、裾出し・腕まくりのリラックスモードで撮らせていただきました。 裾を出して立ち上がった際の写真を撮り損ねてしまったのですが、決してだらしない長さではありませんでした。したがって、柄生地を使用してカジュアルに、裾を出して着用しても十分格好が付くと思われます。 以上写真を掲載してまいりましたが、イメージは沸きましたでしょうか。もちろん体格には個人差がございますので、パトロン様方には規定のサイズと大きな差異が無いかどうかヒアリングさせていただき、着用感に大きな影響が出ると思われる際には調整する予定です。 またモデルさんに着用感を伺いましたところ、 「僕は肩幅が張っているのでそこが少し窮屈な感じがするけれど、他はぴったりな感じです。」 との感想をいただきました。肩幅やそこから生える腕の長さには特に個人差が現れやすいので、できる限り対応していきたいと思います。 最後に、これらの素敵な写真を撮影してくれたソノダユキヤ君。京都に旅行に来た観光客の方やウェディングフォト、その他建築や料理の写真など様々な依頼を引き受けているそうです。彼の他の素敵な写真たちはこちらからどうぞ↓ Sonoda Coo Yukiya-Instagram 以上、モニタリング・試着企画のご報告でした。次回は追加リターンのスカートを紹介させていただきます。お読みいただきありがとうございました。 *All Photos by Yukiya Sonoda*
こんにちは。川野辺菜月です。 4週間目の報告です。先日日曜日、遂に目標金額57万円を達成致しました。現在は39名様から591,000円のご支援をいただき、達成率103%になります。まさか4月中に達成するとは思いもしていませんでした。 友人や家族を始め、ご支援・ご協力くださった全ての方に、深く深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。 今後についてですが、友人達から「協力したいのだけどリターンがない…」と言う嬉しい声がありましたので、予定通りリターンの追加を致します。お届け予定の兼ね合いもあり数着追加するのみにはなりますが、残りの期間でより多くの方に私の考えを知っていただくことができればと思います。こちらの詳細は5月の2週目終わり頃に発表致します。 ひとまず目標は達成致しましたが、私の仕事はこれからです。改めて気を引き締め、十年、何十年後にここでの意志表明が活きてくるよう、名刺片手に周知活動をしてまいります。皆様もどうぞ引き続き、宜しくお願い申し上げます。 以下シャツの作り方後半になります。お時間のある方はどうぞ。 ----------------------- 先週はこのように襟がついたところでした。次は袖をつけていきます。袖には予め短冊(たんざく)を付け、袖口の開く部分の始末をしておきます。 袖を付けて平置きした図がこちら。先程の図を90度回転させたように置いています。袖はまだ筒になっていません。 これを黄色の線で折りたたみ(下図)、袖の下側と脇を一気にくっつけてしまいます。 この「袖を付けた後に袖下・脇を一気に縫い合わせる」やり方のことを一足縫い(いっそくぬい)ということもあります。Tシャツでもこのやり方をすることがあるので、ぜひお手持ちのものを見てみてください。 袖下と脇を縫ったらいよいよそれらしくなってきました。最後に袖口にカフスを付け、裾の始末をします。 カフスの表裏を予め縫い合わせておいたものと、それを袖口に付けている図がこちら。衿付けと似た様な要領です。 最後に裾です。三つ巻き始末と言って、布端を2回折り込みステッチで留めてしまいます。 完成です! それにしてもシワだらけで汚いですね。服は縫う際に畳んだり曲げたりひっつかんだりするため、どうしてもシワがついてしまいます。そこで最後にプレス(仕上げアイロン)をかけてもらうと… きれいになりました。ボタンホールも開けてもらい、あとはボタンを付けて(※本来はボタンをつけたあと、一番最後にプレスをします)、本当に完成です。 まだあちらこちらの小ジワが気になりますが、これはどうやら職業用ミシンとミシン針の性能の限界の様です…工業用ミシンにのみ対応する針ですと、この様な小ジワは抑えられるとのこと。ミシンが届く7月が待ち遠しいです。 以上、シャツ製作の工程でした。来週はいよいよこちらのシャツをモデルさんに着ていただく<モニタリング企画>です。どんなシルエットが出るか楽しみです。お読みいただきありがとうございました。
こんばんは。3週間目のご報告です。 4/21日現在、支援者様36名から531,000円のご支援をいただいております。達成率は90%を超えました。時々「少ないですが…」とコメントをくださる方がいらっしゃいますが、とんでもございません、どのご支援も本当に貴重なものに思っています。心より感謝申し上げます。 私事ですが、つい昨日パタンナー(型紙作成)のお仕事の採用をいただきました。元々正社員の募集でしたが、縫製の仕事と掛け持ちしたいという勝手なお願いを聞き入れていただいてのパート採用です。月~木にパターンのお仕事、金~日に縫製のお仕事という最高の、望んだ通りの働き方が叶いました。融通を利かせていただいたからには、体調にも気をつけながら長く勤め、パターン・縫製両方の技術と知識を着々とつけていきたいです。 以下は現在進めている試作のシャツの、完成までの道のりになります。今回は前半です。シャツがどうやって出来上がるのか、ご興味のある方はどうぞご覧ください。 ------------------------------ まずは裁断です。先日紹介した型紙(パターン)を布に留め、専用のカッターで切り取っていきます。 シャツを構成しているのは大体このくらいの量のパーツです。このシャツの場合パターンは12枚ですが、衿など裏表のあるもの、また袖やカフスなどは左右両方ありますので、切り取ったパーツは全部で21枚になります。ちなみにジャケットですとパーツ数は50を優に超えることがあります。 組み立てを始めます。まず身頃(みごろ)という、胴体部を覆う部分に細かなパーツをつけていきます。前身頃には前立て(まえたて)というボタンホールの開く帯状のものを、メンズシャツなので左側の前身頃にのみつけます。 後ろ身頃にはヨークというものをつけます。 身頃ができましたら、肩を縫い合わせます。くっつけたいのは赤線の部分です(前身ごろの肩線の角が切れてしまっていますね…申し訳ありません)。 これをある操作をすると、シャツがこんな形になってしまいます。 詳しくは説明が難しいので割愛しますが、表のヨークと裏のヨークの間に、身頃を筒状に丸め込んである状態です。これをひっくり返すと、このようにヨークに前身頃の肩線が挟み込まれる形でくっつけることができます。魔法のようですね!これを考えた人はすごいと毎回思います。 平置きですと何が何だかわからないと思いますので、ボディ(マネキン)に着せるとこの様な感じになります。 次は衿をつけます。衿だけ先に作っておいたものがこちら。シャツ衿は羽衿(はねえり)を台衿(だいえり)に挟み込む形で作られています。 これを2つ前の写真で赤で囲んだ部分に取り付けます。お手持ちのシャツも、衿部分を開くと大体このようになっているはずです。 衿がつきました。 次はお袖をつけますが、長くなりますので今回はここまでに致します。お読みいただきありがとうございました。