1.はじめに〜“出会い”のツールとしての「コーヒー」〜なぜ今「コーヒー」なのか。コーヒーはただの飲み物ではありません。コーヒーには、コーヒーを介することで空間や繋がりが生まれるという、“出会い”を秘めた魅力があります。もちろん、私たちはコーヒーの味や香りを追求し、クオリティーの高い「スペシャルティコーヒー」の提供を目指しています。しかし、それだけではなく、コーヒーには、多くの人や空間を巻き込むことができる無限のツールとしての力があると考えます。 例えば私たちは、歯医者さんの講座や、静岡家具の展示会、お花を使ったワークショップなど、多岐にわたるジャンルやカルチャー・世代を繋げるイベントを開催してまいりました。植物のポップアップや、デザインダルマ展、ヨガのワークショップなども開催している。 そんなコーヒーの持つ力を信じつづけ、ハグコーヒーはオープンからもうすぐ10周年を迎えます。 2.“静岡の未来”を見据えてここ“静岡”にこだわっているのにも理由があります。まず、私たちの地元である“ちょうどいい静岡”の存続に危機感を覚えたこと。このままでは何か物足りない静岡に衰退していくような気がしていました。そんな中で、静岡での店づくりで大切にしたのは“地域に根差す”ということ。店舗ごとにその土地の歴史に合わせたコンセプトがあります。両替町店のモン氏による壁画静岡市民の憩いの場になればと願いを込めて、自然や動物を描いた。本店がある両替町は、商人の街として栄えてきました。そのため、現在でも銀行などの金融機関が多く点在しています。ハグコーヒーもそんな地域を支える地盤となるようなお店になるよう、願いをこめてスタートしました。次にオープンした紺屋町店は、歴史ある浮月楼の一角にあります。浮月楼は徳川家が避暑地としていた由緒ある場所。また現在では、いわゆる静岡の“おまち”の中心でもあります。そんな癒しを求めて多くの人が集うスポットで、ほっと一息つくサードプレイスになれたらと、オープンさせました。このように、コーヒーをツールとして、街の歴史やそこで暮らす人々と同調しながら、新たな“静岡の未来”をデザインしていく。いままでの“ちょうどいい静岡”から、もっと心地のいい"選ばれる静岡"へ、私たちは日々進化し続けます。ハグコーヒーカンパニー代表取締役古閑 大士



