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カンボジアから日本へ!学校ハーブ園プログラムの想いを乗せたハーブティーが紡ぐ未来

「学校ハーブ園プログラム」を通じ、カンボジアの子どもたちをサポートしているハーブティー。自由な行き来ができなくても、カンボジアのいまをお伝えしたい。未来に向かい、夢を持った子どもたちが通う学校をより良いものにするために、教師が、親が、コミュニティーが、子どもたちが、4,000人で育てた成果です。

現在の支援総額

1,052,497

105%

目標金額は1,000,000円

支援者数

163

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2020/06/13に募集を開始し、 163人の支援により 1,052,497円の資金を集め、 2020/07/29に募集を終了しました

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現在の支援総額

1,052,497

105%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数163

このプロジェクトは、2020/06/13に募集を開始し、 163人の支援により 1,052,497円の資金を集め、 2020/07/29に募集を終了しました

「学校ハーブ園プログラム」を通じ、カンボジアの子どもたちをサポートしているハーブティー。自由な行き来ができなくても、カンボジアのいまをお伝えしたい。未来に向かい、夢を持った子どもたちが通う学校をより良いものにするために、教師が、親が、コミュニティーが、子どもたちが、4,000人で育てた成果です。

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デメテルハーブティー代表の西口です。今日は、工房で働くスタッフのインタビューと、彼女たちとの仕事を通じたエピソードを紹介します。

今、デメテルハーブティーの工房では2人のカンボジア人女性が仕事をしています。本当は3人なのですが、1人は今休職中です。

最古参は、2016年の暮れから働いてくれているソクニム。彼女は最初、大学生のアルバイトとしてやって来ました。実はソクニムが面接に来た2016年当時、雇っていたスタッフが全員辞めてしまい、ハーブのパッケージングから配達まで、私が一人で3か月もやっていました。「誰か紹介してー!」と周りのカンボジア人の知り合いに手あたり次第声をかけるも、なかなか応募はなく、応募があって雇ったとしても、1日、2日で辞めていく、、、の繰り返しでした。初日の昼休みに、ご飯行ってきますと言って出たきり戻ってこなかった子もいたなぁと、これを書きながら当時を思い出しています。

そんな時に、知人の紹介で面接に来たのがソクニムでした。当時まだ20歳そこそこ位で、初アルバイトです、と言って現れた彼女は履歴書も持っていない、何を聞いても隣に座った紹介者のほうを見ながら蚊の鳴くような声で何かつぶやく程度で、正直「あ~、またはずれだ・・・」と私は面接5分でがっかりでした。とはいえ、3か月も一人で全部やっていると、とりあえずそんな子でもいないよりはましだろう位に思えてきてしまうものです(笑)。雇ってしまいました。

検品クリーニングのイメージ写真朝来ても挨拶しない。何を聞いても返事がない。地方の出身でプノンペンの地理が分からず、事務所から300メートルほどの場所すら配達に行けない ー 不満を挙げ始めたらきりがありません。もう半ば諦めて、とりあえず私が一人では対処しきれず手つかずで置いてあった、地方から届いたハーブの検品クリーニング作業だけをやってもらう事にしました。他のスタッフが1日、2日で辞めたのは、工房で一人ぼっちで同じ単純作業を繰り返すのに飽きたのだと思うのですが、ソクニムは我慢強く、一人でも淡々と作業をこなし、毎日静かに家に帰って行き、翌日もその翌日も静かに工房に現れました。

意外にこの子は続くのかも?と思い、雇い始めて一週間経ったところで、「とりあえず、朝来たらハロー、帰る前にはバイバイくらい言おうよ」と提案。翌日から、自分からは言いませんが、こちらが「ハロー」と言うと小さな声で「ハロー」と返してくれるようになりました。

一人が定着すると、仲間はすでにいるので2人目を雇うのはそんなに難しくありません。ソクニムが来たことによって、その後何人かのスタッフがある程度の期間来てくれるようになりました。それでも半年くらいで人が辞めて行きます。皆理由は様々ですが、学生がアルバイトとして来ることがほとんどなので、学校の都合というのが多いです。何とか学生以外を探すのですが、なかなか人がいません。プノンペンは都会であるがゆえに華やかな仕事も多く、製造業というと工場労働者的なイメージが強く、「ものづくり」の職人というような位置づけは少ないように感じます。同じ給与でも、作業員は嫌だ。カフェやレストランの仕事がしたい、というような意見もありました。どうしたら人材を確保できるのか。そもそもプノンペンでものづくりをするのが間違っているのか?地方に工房を移したほうが良いのかと私がいろいろ悩んでいた時、二人の人からのアドバイスが私に気づきをくれました。

一人はカンボジアのものづくりの大先輩、クラタペッパーの創業者倉田さんです。クラタペッパーさんのプノンペン事務所で検品作業に従事する作業員の方の平均給与は、当時のデメテルハーブティースタッフの給料の3倍以上ありました。「そんなに高いんですか?!」と驚く私に倉田氏がおっしゃったのは、「でもそれくらいないと、プノンペンで一家を支えて生活はできませんよ」という一言でした。

ああ、そうか。学校ハーブ園プログラムだ、農家さんに収入だといろいろ言っているけれど、自分のスタッフの事をもっと考えたことが私はあっただろうか?「学生のバイトしか来ない」じゃなくて、「学生のバイトしか来れないお給料」しか出してなかった事に気づき、頭を殴られた気分でした。「ものづくりの仕事ってもっと注目されてもいいのに!」なんて言いながら、一番身近で働く人たちのことを何も考えていなかったんです。

木下友宏氏

もう一人は、2018年から出資をしてくれている木下友宏氏の「本当に良い環境なら、スタッフが友だちを紹介してくれるはず。それがないという事は、何らかの問題があるんじゃないかな」という言葉です。

2018年はちょうど、ソクニムが大学を卒業する年でした。それまでの私は、彼女は就活をしてどこかに就職するのだろう、推薦書なら書くから頑張ってね、という態度でした。倉田氏と木下氏からのコメントをもとに自分なりに考え、ソクニムに正社員にならないかと聞いてみる事にしました。というのも、その頃には彼女は、届いたハーブの検品から最後のパッケージングまで一人で完璧にできる人材になっていたんです。内向的で几帳面な性格の彼女は、作業も丁寧、マニュアル通りを厳守、少しの傷も見逃さない細かさ、全てのパッケージングを型どおりにする几帳面さでまさに理想的な工房スタッフに成長していました。

正社員としての給与と福利厚生を伝えたところ、ぜひやってみたいとの返事をもらい、晴れて初のデメテルハーブティー正社員が誕生しました。ほとんど欠勤もなく、正社員になってからは責任感も増して、顔つきまでしっかりして頼もしくなったように思います。

事務所へ納品に来た農業グループの関係者へ支払いを渡すソクニム今のソクニムのお給料は、2016年にアルバイトとして来た時の3倍近くになりました。それでも生活にほとんど変化がない様子なので、お給料を一体何に使ってるの?と聞くと、4人いる弟妹の学費を毎月仕送りしているという回答。お給料の6割を仕送りして、プノンペンの家賃や食費を払ったら、手元には少ししか残りません。つましい生活を続ける彼女がもうちょっと自分のために使えるお金を増やしてあげたい気持ちは、毎月お給料を渡す日に私の心に湧いてきます。お金が全てではないですが、これからおそらく結婚もして、家庭を築いていく時、自分の裁量で使えるお金がある事は大きな支えになります。最初は挨拶もできなかった小さな女の子が、いつか堂々と自分の人生の選択ができるように、金銭面だけじゃなく精神面でも応援ができるような会社になりたい。今はそう思っています。

ソクニムとの出会いから、彼女を正社員にするまでの過程を通じて、倉田氏や木下氏からのアドバイスやコメントで、私自身が経営者としての在り方を学び、ほんの少しですが成長できたように感じています。

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