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カンボジアから日本へ!学校ハーブ園プログラムの想いを乗せたハーブティーが紡ぐ未来

「学校ハーブ園プログラム」を通じ、カンボジアの子どもたちをサポートしているハーブティー。自由な行き来ができなくても、カンボジアのいまをお伝えしたい。未来に向かい、夢を持った子どもたちが通う学校をより良いものにするために、教師が、親が、コミュニティーが、子どもたちが、4,000人で育てた成果です。

現在の支援総額

1,052,497

105%

目標金額は1,000,000円

支援者数

163

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2020/06/13に募集を開始し、 163人の支援により 1,052,497円の資金を集め、 2020/07/29に募集を終了しました

カンボジアから日本へ!学校ハーブ園プログラムの想いを乗せたハーブティーが紡ぐ未来

現在の支援総額

1,052,497

105%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数163

このプロジェクトは、2020/06/13に募集を開始し、 163人の支援により 1,052,497円の資金を集め、 2020/07/29に募集を終了しました

「学校ハーブ園プログラム」を通じ、カンボジアの子どもたちをサポートしているハーブティー。自由な行き来ができなくても、カンボジアのいまをお伝えしたい。未来に向かい、夢を持った子どもたちが通う学校をより良いものにするために、教師が、親が、コミュニティーが、子どもたちが、4,000人で育てた成果です。

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デメテルハーブティー代表の西口三千恵です。8月に入って、カンボジア郵便から国際郵便の発送が復活しました!ただし、これまでは1週間くらいで日本まで到着していましたが、コロナ禍の現在、「到着の時期については保証できない」と郵便局の窓口で、念を押されてしまいました。。。まずは様子を見るために、今回のクラウドファンディングでご注文頂いた製品の一部のみを日本へ向けて発送してみました。無事に到着するか、到着するなら、どれくらい時間がかかるのか・・・まずはこの第一便の様子を見てみたいと思っています。少しずつ、少しずつですが、できる事は増えてきていると感じています。世界的な非常事態の中、安全を最優先にしつつも、日常生活、経済活動を少しでも滞りなく行えるように、カンボジアでも日本でも、官民両方で多くの努力が行われていると思います。カンボジアからの郵便も復活はしましたが、料金は以前の7割増しですし、到着にかかる時間もまだ読めない状況ではありますが、昨日までできなかった事ができるようになった事に感謝しつつ、慎重に状況を見ながら、仕事を進めて行きたいと思います。いずれにしても、郵便復活の一報を受け、日本へ送る第一便用のハーブティーの袋詰め作業を工房スタッフに伝えたら、大喜びでした。カンボジア国内販売分だけの袋詰め作業で数か月過ごしてきましたので、たくさんのハーブティーを作る機会が久々に戻ってきて、工房が活気づきました!そしてカンボジアは、明日(8月17日)から、カンボジア暦のお正月の振り替え祝日です。本当は4月がカンボジアのお正月だったのですが、コロナ感染の拡大を懸念し、政府がお正月を延期する措置を出しました。カンボジアの人たちにとって最も大切な祝祭日のひとつであるクメール正月の延期は、家族のいる故郷から離れて生活をしているデメテルハーブティーのスタッフ達にとっても寂しいことだったと思います。今回晴れて振り替えのお正月が政府から発表され、昨日は皆嬉しそうに帰っていきました。お正月休暇明けには、家族と過ごして英気を養い、元気に戻ってきてくれると思います。


デメテルハーブティー代表の西口です。「どうしてカンボジアでハーブを使った製品づくりを始めたんですか?」という質問をよく頂きます。それに対する一番簡潔で本質的なお返事は、おそらく「そこにハーブがあったから」になると思います。え?!それだけ??と驚かれるかもしれません。もっと高尚かつ感動的な理由を期待されている方には、がっかりされるかもしれません。でも聞いて下さい。デメテルハーブティーを始める前、NGO職員として働いていた当時、私は地方で貧しい人へも隔てなく平等な医療を行う診療所の自立運営の道筋をつける仕事をしていました。診療所の食品自給率を上げ、販売を通じて現金収入を作り出すために、野菜栽培、養鶏、養豚など多くの事業を試みました。数字の上では診療所の食費支出は減り、販売を通じて入って来る収益は大きなものが期待できるプロジェクトでしたが、うまく行きませんでした。理由はいくつもありますが、大きな要因は診療所のスタッフたちには通常業務以外の仕事が増え、それを日常業務の中に入れこんで既存の診療業務とのバランスを取ることが難しく、ニワトリや豚などの生き物、野菜という生ものを扱う仕事はタイミングを逃すと大きな損失(支出)を生むということが最大の理由だったと思います。ローゼルハイビスカスの実診療業務という一番大事な活動を阻害せず、空き時間だけを使って失敗なくできる事はないか?そんなことを考えていたある日、診療所の裏庭に1本のハイビスカスの木が実を付けているのに気づきました。ハイビスカスというと観賞用のお花をイメージされるかもしれませんが、お茶にする食用のハイビスカスは、ローゼルハイビスカスというアオイ科の別の植物です。普段は葉を付けるだけの立ち木で、一年のうちの2か月くらいだけ、花を咲かせ、実を付けます。花が咲くまでは雑草と変わらないくらい地味な立ち木のため、診療所にハイビスカスがある事を私はその時まで知りませんでした。改めて周囲を見渡すと、レモングラスやミント、バジルなど、診療所の周囲はハーブで溢れていました。プノンペン在住のハーブに詳しい友人に相談したところ、乾燥ハーブを作ってハーブティーにすることを提案されました。デメテルハーブティーが誕生した瞬間です。ハーブはすでに診療所の周辺に生えています。土地にあった植物なので、雨季の雨があれば手をかけなくても勝手に成長します。天日乾燥は、診療所の仕事が忙しくない時に、自分のペースで行えます。乾燥させてしまえば日持ちするので、今日明日に売らないとダメになってしまう事はありません。お金の流れをクリアーにし、持続的にするために、ハーブ事業は会社として独立させ、診療所からハーブを買い取る形になりました。診療所の裏で、ハイビスカス収穫の様子診療所で生まれたこのハーブ事業のモデルは、学校の運営費支援にも使えることを、デメテルハーブティーのアドバイザーである高田忠典氏から提案されました。どこの学校にも、すでにたくさんのハーブが生えていたので、診療所から学校へ活動の範囲を広めることになりました。すでに何度か書いたように、学校ハーブ園プログラムには、次の3つの目的があります。1.学校の美化緑化2.伝統文化の継承3.学校運営費の創出さらにもうひとつ、4番目を加えるなら、カンボジアの人たちが「カンボジアってこんな素晴らしいものがある国なんだ」と自信をもって他国へ紹介できる物産を一緒に創り出す過程を通して、自信と誇りを再発見するひとつのプロセスだという事です。イベント時など、デメテルハーブティーのブースに私がいると、カンボジア人の方たちは「日本の製品なんでしょう?」と聞いてきます。「日本は何でも質が高くて、良いものがありますよね」「私は日本製のものが好きです」というようなコメントを頂く事が多いです。(それは日本人の一人として、とても有り難いことです!)ですが、「いえ、デメテルハーブティーは全てカンボジア産の製品です。カンボジアは素晴らしいハーブが至る所にあるので、高品質のハーブティーが作れますね」とお伝えすると、皆さんパッと顔を輝かせ、「カンボジア製ですか!そうなんです。カンボジアは土地が豊かで、作物がなんでも豊かに実るんです!」と喜んで下さいます。そして、ハーブティーをひとつずつ丁寧に味見し、自分の気に入るものを探して買って行かれます。今はまだ、カンボジアの中間層の人たちの嗜好が少しずつ変わり始めている途中なので、デメテルハーブティーの購入者全体に占めるカンボジア人の割合は多くはありません。ですが、カンボジア人のお客さまの数が年を追うごとに増えている事は、毎年のイベント出店時に対峙するお客様の変遷で実感しています。ハーブティーの試飲をするカンボジア人の女性たちと、製品説明中の筆者生産に携わる農家さんや学校関係者の人からは、「今まで使えるとは知らなかった植物の部位がこんな風に活用できるなんて知らなかった!」という声を聞きます。実際、ハイビスカスの木は、酸味のある若葉をスープに使うくらいで、花と実はそのまま放置されることがほとんどでした。どこの家にも、学校にも生えているパパイヤの木も、実は食べるけれど葉がハーブティーに使えることは知られていませんでした。今までは価値がないと思っていたものが、収入を生む資源になると知り、自分の周りを見ると、価値のある資源がいっぱいあった!という体験を通じ、「自分は貧しく、何も持っていない」と思っていた人たちが、少し工夫すれば今よりももう少し家族のために、学校のために収入を作れると知り、行動に移す。こういった経験を重ねることで、自分自身の力で、今日よりも明日をより良い日にできると信じられる事。たとえとても小さな灯のようなものでも、自分の力を信じる事ができれば、その人が住むコミュニティーや国全体が、より良い方向へ発展していく原動力になると思うんです。学校ハーブ園参加校、オーサマキ小学校の校長先生と子どもたち私たちの場合、きっかけはハーブでしたが、他の何かであった可能性もあると思います。小さなきっかけは、きっとそこら中に溢れているのではないでしょうか?自分たちが見つけた一粒を大切に育てていった結果、気づくといつの間にか大樹になっていた。そんな風にデメテルハーブティーと学校ハーブ園プログラムがこれからも続いていけば最高だなと思います。


こんにちは。デメテルハーブティー代表の西口三千恵です。今日は、今回の予約販売のメイン、6種類のブレンドハーブティーのティーバッグタイプが生まれたエピソードについてご紹介します。2015年にデメテルハーブティーを創業して以来、実はつい最近までティーバッグタイプはなく、茶葉タイプのみで販売をしていました。理由はふたつあります。ひとつは、茶葉タイプのほうがお茶の味をより良く出せるという思いから。もうひとつは、カンボジアでティーバッグ素材が手に入らなかった事です。茶葉タイプのハーブティーティーバッグ素材に限らず、カンボジアは製造業がまだまだ未発達で、多くのものが輸入に頼っています。創業当時は、今ほど資材の探し方も分かっておらず、試行錯誤を繰り返していました。首都プノンペンからバスで7時間かけて隣国ベトナムのホーチミン市まで行き、「これがティーバッグにも使える不織布だ」と紹介された巨大な不織布1巻を、バスに乗せて持ち帰ってきたものの、どうやってもお湯に沈まず、プカプカと浮かぶだけのティーバッグしか作れなかった事もありました。いまだにこの不織布1巻、事務所の片隅で鎮座しています。お客さまからは度々、「ティーバッグタイプがあれば、職場でも飲めるのに」といったコメントを頂き、3年目くらいにもう一度ティーバッグの試作にチャレンジしました。この時は別の素材が手に入り、ちゃんとお湯に沈むティーバッグにはなったのですが、お茶の味がまったくいまひとつで、納得できませんでした。ティーバッグに対する需要の声は年を追うごとに高くなり、とりあえずレモングラスやハイビスカスなど、ベーシックなハーブのシングルハーブティーのみ、ティーバッグの形で売り出し始めました。この頃になると私の中で、「ブレンドハーブティーはティーバッグでは味がうまく出ないから無理」という固定観念が出来上がってきました。「ブレンドハーブティーもティーバッグタイプも作ればいいのに」と言われるたびに、「味がうまく出ないんですよ」とお返事していました。そんな時に、新製品の高級ギフト「Blue Butterfly」のプロジェクトが始まり、これまでとは違うタイプのティーバッグ素材が入手可能になりました。それでも私はまだ、「ブレンドハーブティーはティーバッグに向かない」という固定観念が拭い去れず、試してみる事すらしていませんでした。ティーバッグタイプのブレンドハーブティーに再チャレンジするきっかけとなった「Blue Butterfly」そんな時、短い期間に続けて3人の人から「ブレンドハーブティーのティーバッグタイプを作ってほしい」というコメントを頂きました。こんなに短期間に同じ事を言われるという事は、やってみたほうが良いのかな?と考えを改め、もう一度チャレンジすることにしました。そうしたら、できたんです!ティーバッグの素材が違うだけで、こんなに味の出方が違うなんて!!驚ろいたと同時に、意固地なこだわりから柔軟性が無くなっていた私にアドバイスをくれた方々に、本当に感謝しました。試飲を繰り返し、味を調えるそこからは、カップ1杯分のサイズで美味しく安定した味が出せるように、連日試飲の繰り返しです。ハーブの量だけでなく、ハーブの切り方も工夫を凝らしました。同じ素材を2種類の違うサイズにカットし、それを混ぜることで、最初から後のほうまで味が安定して出るように、という工夫もしています。デメテルハーブティーのハーブは、地方の農家さんや学校で天日乾燥されたハーブがプノンペンの工房に届き、ここで一つずつ、全て手作業で検品、クリーニング、裁断、袋詰め作業を行っています。小さな会社なので、機械が導入できないというのもありますが、電力が安定せず停電を繰り返すカンボジアでは、電化製品の寿命がとても短くなります。そんな背景もあり、デメテル工房では全てを手作業で行います。手作業だからこそ、繊細なサイズの変更も対応できる強みもあります。ティーバッグタイプが出来上がったときは、きっかけとなるアドバイスを下さった3人に真っ先に飲んで頂きました。「ティーバッグタイプ、できました!」とご連絡した時、皆さんそれぞれが喜んで下さり、この製品ができて本当に良かったととても幸せな気分になりました。ハーブティーの売り買いだけではなく、そこにある学校ハーブ園プログラムを通じた4,000人の活動というストーリーを応援して下さっている皆さんだからこそ、私たちも「もっと良いもの、美味しいものを、あの方に飲んで欲しい」とお顔を思い浮かべながら日々の製造を行っています。これからカンボジアを飛び出し、日本やそれ以外の国でデメテルハーブティーを販売するときも同じように、買って下さる皆さまとの交流が続くような会社でありたいと思っています。


デメテルハーブティー代表の西口です。今日は、昨年シェムリアップのバイヨン中学校で実施した「学校と地域の薬草について学ぶワークショップ」について紹介します。デメテルハーブティーが実施する「学校ハーブ園プログラム」は、ハーブの買い取りを通じて学校の運営費を支援するだけではなく、以下の3つの目的があります。1.学校の美化緑化2.伝統文化の継承3.学校運営費の創出 伝統薬草医療師のバニーさんワークショップでは、シェムリアップ在住の伝統薬草医療師であるバニーさんを講師として招き、バイヨン中学校の敷地や村で見つけた薬草/薬木について、伝統医療での使い方なども含めて紹介してもらいました。バニーさんに実際に会う前、私の中では「伝統医療師」は高齢で気難しそうな怖い先生をイメージしていたのですが、バニーさんは年齢も若く、とても気さくな人でイメージと違って意外だったことを覚えています。クーレン山の絶壁に立つバニーさん人柄は気さくですが、バニーさんは本格的な伝統薬草医療師。カンボジアで最も聖なる山として崇められるクーレン山に工房を持ち、伝統的な手法で山の薬草を採取したり、養蜂を行っています。彼の工房があるクーレン山は、清涼な水が流れ、雄大な木々が生い茂り、まさに「聖山」の名にふさわしい場所だなと感じます。写真に納まりきらない、大人数が参加したワークショップワークショップを企画し始めた当初は、バイヨン中学校の先生や生徒たちに集まってもらい、校内だけでこじんまりとやろうと思っていたんですが、いろんなご縁が重なり、コッコン州やプレアビヒアなどの校長先生約15人に加え、 日本、香港、台湾などからのオブザーバーを含め総勢50名近くが参加する大ワークショップになりました。  ワークショップように集められた薬草サンプルワークショップの中では、バニーさんから事前に頂いたリストに載っている植物を、バイヨン中学校の校庭と、中学校が所在するアンコールクラウ村から集めてきました。植物の名前は知っていて、どこに生えているかも分かっていても、それが伝統医療で使われる薬草だとは知らなかったケースが多かったです。どんな薬効があるのか、伝統医療ではどんなふうに使っているのかなどをバニーさんが一つずつ丁寧に説明。参加者は先生たちも生徒もとても熱心に聞き入っていました。最後の質疑応答では質問が次から次へと出てきてびっくりです。伝統医療薬に対する興味が皆すごいです。薬草について丁寧に紹介するバニーさんバイヨン中学校の学校ハーブ園プロジェクトは、これまで機会があるごとに成功事例として各地で紹介させてもらってきました。そうやって紹介してきたバイヨン中学校と、各州の学校が今回のワークショップで繋がって、これからますます大きな輪になっていく予感がします。生徒も先生も真剣他校の先生たちに、バイヨン中学校の学校ハーブ園を案内するルー校長休憩時間には、皆でハーブティーを飲みました


デメテルハーブティー代表の西口です。今日は、工房で働くスタッフのインタビューと、彼女たちとの仕事を通じたエピソードを紹介します。今、デメテルハーブティーの工房では2人のカンボジア人女性が仕事をしています。本当は3人なのですが、1人は今休職中です。最古参は、2016年の暮れから働いてくれているソクニム。彼女は最初、大学生のアルバイトとしてやって来ました。実はソクニムが面接に来た2016年当時、雇っていたスタッフが全員辞めてしまい、ハーブのパッケージングから配達まで、私が一人で3か月もやっていました。「誰か紹介してー!」と周りのカンボジア人の知り合いに手あたり次第声をかけるも、なかなか応募はなく、応募があって雇ったとしても、1日、2日で辞めていく、、、の繰り返しでした。初日の昼休みに、ご飯行ってきますと言って出たきり戻ってこなかった子もいたなぁと、これを書きながら当時を思い出しています。そんな時に、知人の紹介で面接に来たのがソクニムでした。当時まだ20歳そこそこ位で、初アルバイトです、と言って現れた彼女は履歴書も持っていない、何を聞いても隣に座った紹介者のほうを見ながら蚊の鳴くような声で何かつぶやく程度で、正直「あ~、またはずれだ・・・」と私は面接5分でがっかりでした。とはいえ、3か月も一人で全部やっていると、とりあえずそんな子でもいないよりはましだろう位に思えてきてしまうものです(笑)。雇ってしまいました。検品クリーニングのイメージ写真朝来ても挨拶しない。何を聞いても返事がない。地方の出身でプノンペンの地理が分からず、事務所から300メートルほどの場所すら配達に行けない ー 不満を挙げ始めたらきりがありません。もう半ば諦めて、とりあえず私が一人では対処しきれず手つかずで置いてあった、地方から届いたハーブの検品クリーニング作業だけをやってもらう事にしました。他のスタッフが1日、2日で辞めたのは、工房で一人ぼっちで同じ単純作業を繰り返すのに飽きたのだと思うのですが、ソクニムは我慢強く、一人でも淡々と作業をこなし、毎日静かに家に帰って行き、翌日もその翌日も静かに工房に現れました。意外にこの子は続くのかも?と思い、雇い始めて一週間経ったところで、「とりあえず、朝来たらハロー、帰る前にはバイバイくらい言おうよ」と提案。翌日から、自分からは言いませんが、こちらが「ハロー」と言うと小さな声で「ハロー」と返してくれるようになりました。一人が定着すると、仲間はすでにいるので2人目を雇うのはそんなに難しくありません。ソクニムが来たことによって、その後何人かのスタッフがある程度の期間来てくれるようになりました。それでも半年くらいで人が辞めて行きます。皆理由は様々ですが、学生がアルバイトとして来ることがほとんどなので、学校の都合というのが多いです。何とか学生以外を探すのですが、なかなか人がいません。プノンペンは都会であるがゆえに華やかな仕事も多く、製造業というと工場労働者的なイメージが強く、「ものづくり」の職人というような位置づけは少ないように感じます。同じ給与でも、作業員は嫌だ。カフェやレストランの仕事がしたい、というような意見もありました。どうしたら人材を確保できるのか。そもそもプノンペンでものづくりをするのが間違っているのか?地方に工房を移したほうが良いのかと私がいろいろ悩んでいた時、二人の人からのアドバイスが私に気づきをくれました。一人はカンボジアのものづくりの大先輩、クラタペッパーの創業者倉田さんです。クラタペッパーさんのプノンペン事務所で検品作業に従事する作業員の方の平均給与は、当時のデメテルハーブティースタッフの給料の3倍以上ありました。「そんなに高いんですか?!」と驚く私に倉田氏がおっしゃったのは、「でもそれくらいないと、プノンペンで一家を支えて生活はできませんよ」という一言でした。ああ、そうか。学校ハーブ園プログラムだ、農家さんに収入だといろいろ言っているけれど、自分のスタッフの事をもっと考えたことが私はあっただろうか?「学生のバイトしか来ない」じゃなくて、「学生のバイトしか来れないお給料」しか出してなかった事に気づき、頭を殴られた気分でした。「ものづくりの仕事ってもっと注目されてもいいのに!」なんて言いながら、一番身近で働く人たちのことを何も考えていなかったんです。木下友宏氏もう一人は、2018年から出資をしてくれている木下友宏氏の「本当に良い環境なら、スタッフが友だちを紹介してくれるはず。それがないという事は、何らかの問題があるんじゃないかな」という言葉です。2018年はちょうど、ソクニムが大学を卒業する年でした。それまでの私は、彼女は就活をしてどこかに就職するのだろう、推薦書なら書くから頑張ってね、という態度でした。倉田氏と木下氏からのコメントをもとに自分なりに考え、ソクニムに正社員にならないかと聞いてみる事にしました。というのも、その頃には彼女は、届いたハーブの検品から最後のパッケージングまで一人で完璧にできる人材になっていたんです。内向的で几帳面な性格の彼女は、作業も丁寧、マニュアル通りを厳守、少しの傷も見逃さない細かさ、全てのパッケージングを型どおりにする几帳面さでまさに理想的な工房スタッフに成長していました。正社員としての給与と福利厚生を伝えたところ、ぜひやってみたいとの返事をもらい、晴れて初のデメテルハーブティー正社員が誕生しました。ほとんど欠勤もなく、正社員になってからは責任感も増して、顔つきまでしっかりして頼もしくなったように思います。事務所へ納品に来た農業グループの関係者へ支払いを渡すソクニム今のソクニムのお給料は、2016年にアルバイトとして来た時の3倍近くになりました。それでも生活にほとんど変化がない様子なので、お給料を一体何に使ってるの?と聞くと、4人いる弟妹の学費を毎月仕送りしているという回答。お給料の6割を仕送りして、プノンペンの家賃や食費を払ったら、手元には少ししか残りません。つましい生活を続ける彼女がもうちょっと自分のために使えるお金を増やしてあげたい気持ちは、毎月お給料を渡す日に私の心に湧いてきます。お金が全てではないですが、これからおそらく結婚もして、家庭を築いていく時、自分の裁量で使えるお金がある事は大きな支えになります。最初は挨拶もできなかった小さな女の子が、いつか堂々と自分の人生の選択ができるように、金銭面だけじゃなく精神面でも応援ができるような会社になりたい。今はそう思っています。ソクニムとの出会いから、彼女を正社員にするまでの過程を通じて、倉田氏や木下氏からのアドバイスやコメントで、私自身が経営者としての在り方を学び、ほんの少しですが成長できたように感じています。


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