はじめまして。美術鍛造ふじたんこと藤田良裕です。
私は装飾鍛冶(ロートアイアンともよばれる洋風の技法です)をはじめて17年になります。埼玉で修業したのち、1年半ヨーロッパ各地の鍛冶屋を訪れ、交流する中で日本の鍛冶屋に対する評価が高いことを目の当たりにしました。刃物ばかりが大きく取りざたされがちですが、帰国して生活に根差していた野鍛冶を知り、いつかは体得してみたいと思っていました。
そして高島に移住し、ある時、野鍛冶の技法で作られたものをレプリカとして作ってほしいと依頼され、近隣の野鍛冶の方を探す機会がありました。
残念なことに、近代化や老齢化の波で、昔の形を維持しお近くでされている方はほとんどおりませんでした。
このような技や場所が失われていってることを強く残念に思ったこと、それが今回のプロジェクトに参加させてもらった核です。
人の手でつくられるものには、気持ちを豊かにする力があるように思います。「村の鍛冶屋」はその一人ひとりに合った必要なものを作り出していたと聞き及びます。
野鍛冶の技術は持ってないけれど、手仕事に携わるはしくれとして、その心の部分を大事に、そして楽しんで参加したいとおもっています。
ある師匠の言葉が大好きです。いつも熟考したあとに一言
Mach mal schmied !! (まぁ、叩こうか!)