
4/27、新たな犬猫の引き取りをするアルマ東京ティアハイム代表竹本氏に同行し、茨城動物指導センターに行きました。ここは、JR笠間駅から4キロ。人里離れた山の奥に位置しています。東京の保健所ではなくここを選んだのは、茨城県の殺処分数が全国でワースト2位だからです。


外には、野犬を捕獲するための檻、慰霊碑、そして地域を啓蒙するために慎重に選ばれた犬猫たちのスペースがありました。


ここにいる子犬たちはまだ無邪気に甘えたい盛りで、近寄ると檻に顔をうずめ、手をなめてくれました。

施設では、毎日の散歩などもちろんない環境で、複数に区切られたスペースに犬たちが収容されていました。収容場所が施設奥にある殺処分機に近づくにつれ、処分される確率が高まります。ここでは、平日4日間以内に飼い主のお迎え、もしくは民間保護施設などからの引き合いがない限り、殺処分の対象となります。迷子でも、首輪やチップから飼い主を特定できず、平日4日以内に飼い主から問い合わせがなければ、殺処分される仕組みです。
病気の子犬は隔離して収容されていました。ひっきりなしに鳴いていても、精神面のサポートまではセンターの手が届きません。

殺処分機がある塔の一番目の部屋(殺処分機から最も遠い部屋)には、民間保護施設からの引き合いがある犬やセンターに収容されたばかりの犬の部屋です。

竹本氏は、引き合いがあるこの部屋の犬の確認を早々に済ませ、次の部屋へと移ります。成犬は、オスとメスで分けられえいたり、病気の程度によっては個室に入れられます。

これらの部屋で、まだ引き取り先が決まっていない犬について、センターの方に質問したり、触れ合って性格を見て、アルマ東京ティアハイムへ引き取る犬を見極めます。

殺処分機の横の部屋には、もうすぐ殺処分される予定の犬たちがいました。今週は4/29(金)が祝日のため、4/28(木)に実施されるとのことでした。明日には命が無くなってしまう犬たちが目の前にいたのです。

この日、この部屋には5匹の犬が収容されていました。部屋の奥で横になっている子、隅に座っている子、入り口の隅に座っている子、自己主張が強く人懐っこい子。そして、私たち人間が来ても全く振り向くことのなかった子。


竹本氏は、この部屋で犬の性格を念入りに確認し、自己主張が強く人懐っこい子と、大人しく隅に座っている子など、計三匹を明日の処分からは除いて欲しいとスタッフの方にお願いしました。スタッフの方は「どんどん次の犬が入ってくるのでね...。」と心苦しい表情です。

茨城動物指導センターには、約30の民間動物保護施設が登録されているとのことですが、実際に足しげく通う団体は数えるほどだそうです。関東のどこかのセンターに毎週通う竹本氏は、「本当なら、みんな引き取りたい。でも、私たちの施設スペースにも限りがあるので選ばなければならない...。」と、一匹一匹の性格、体調、拾われた場所などを確認します。民間保護施設は、犬猫が共同生活する場。飼い主と一対一で生活できそうでも、他の犬を威嚇するような犬は引き取ることが躊躇われます。


この日、竹本氏の引き取り予定は当初犬二匹でしたが、犬三匹を保留にしてほしいというお願いに加え、現場で幼い猫6匹も引き取ることを決断しました。"最期の部屋"に収容されている犬たちの詳細をファイルで確認し、引き取りのための書類に記入を済ませました。そして、その子達を連れて帰ります。
茨城動物指導センターからアルマ東京ティアハイムまでの道のりは車で約2時間。竹本氏はいつも食事をコンビニのサンドイッチで済ませているそうです。そして、車酔いで嘔吐してしまう犬や鳴き続ける犬をなだめながら、帰路につきます。帰ると同時に、スタッフと共にケージを物置場所から選び出し、新しく迎える犬猫のための準備を始めます。
今回のセンター訪問で、私たち人間の"エゴの犠牲"を直視させられました。この日出逢った、部屋の奥で横になっている子、人間が来ても全く振り向くことのなかった子は、今もうこの世にいません。どんな事情でセンターに収容されたのかは分かりません。かわいい!と衝動買いの結果やっぱり無理と飼育放棄されたのか、引越しで飼えなくなったのかー。人間側にどんな事情があるにせよ、飼う覚悟と責任感のない飼主から犠牲の動物が生まれます。そしてその背景には、安易に命を買える生体販売という仕組みの問題もあります。
日本全国のどこかしらで毎日、このようなエゴの犠牲となったペットの殺処分が行われています。動物だからといって、命を粗末に扱っていいのでしょうか?不幸な犬猫を根本的に減らすために、私たちソーシャライトにできることは何かを、今、私たちは考えています。
詳細は改めてご報告する予定です。
引き続き、皆さまからのご支援や応援をよろしくお願い致します。





