
今回のクラウドファンディング企画にご参加頂く作家の先生方の紹介を順次させて頂きます。前回の武富健治先生に続き、今回は押切蓮介先生です。
僕と押切先生の出会いを語るには、まず前史となった出来事から語らねばなりません。そう、それは忘れもしない確か2012年くらいの冬の日、僕が当時連載していた『ビッグガンガン』にお呼ばれしてスクウェア・エニックスの忘年会へと参加した時のことです。
スクウェア・エニックスの忘年会は贅を極めた豪華なもので、タダ酒とタダ飯、様々なアトラクションに興奮冷めやらぬまま、僕は二次会へと突入しました。担当も作画担当の先生も二次会には来ません。しかし、僕は恐れていませんでした。なぜなら僕のコミュ力は、まあ、平均以上はあるはずで、周りが全員知らない人でも、なんとなくそれなりに、誰かしら捕まえて楽しくやれるだろう、そう思っていたのです。
ですが、その時は思いもしなかったのです。まさかそこに地獄が待っていようとは。二次会が始まって五分後、僕の目の前には愕然とする光景が広がっていたのです。
同じテーブルの人たちが全員モンハンをしている……。
「あの、僕、作家の架神恭介と言って……」
「すいません、いまモンハン始めちゃって」
「えっと、僕もビッグガンガンで連載をしていて……」
「ごめんなさい、いまモンハンしてるんで」
「………………」
……便所飯。
生まれて初めて僕の脳裏にその言葉がよぎりました。テーブル上にあるメシと酒を持ってトイレの個室に篭もればこの地獄から解放される……。その誘惑に必死に耐えて、僕はなんとかその場をやり過ごしました(ちなみに寂しそうにしている僕を見かねて七月鏡一先生が助けてくれました。本当にありがとうございます)。
そして、翌年の冬ーー。
「ウウ~~ッ!? ス、ス、スクエニの、忘年会……。クグゥ~、去年は酷い目に遭った……。で、で、でも、頑張って行くぞ。そんで辛かったら一次会で帰るぅ。帰りゅうぅぅぅ……」
すっかり社交界への恐怖が刷り込まれた僕。コミュ強者としてのプライドを打ち砕かれ、ドブ溝に落ちた犬の如き精神性へと成り果てていた僕。負け戦に臨むようなトボトボとした足取りでパーティー会場へと向かった僕。
そんな僕に話しかけてきてくれたのが押切蓮介先生でしたァア!!!! 本当に有難うございましたァアア!!!!!
それから友達付き合いをさせて頂き、今回もお忙しい中、イラストをお受け頂きました! ありがとうございます!!!
押切蓮介先生と言えば、やはり有名なのは『ハイスコアガール』。

なんだかいろいろありましたが、それらも全て過去のことで、既刊もリニューアルして刊行され、ビッグガンガンで連載も再開しています。大事なことなのでもう一度言います。連載再開してますよ!!!
そして他にも同時進行で色々と連載をされており、漫画アクションでは『ぎゃんぷりん』、ヤングチャンピオン烈では『妖怪マッサージ』(原作のみ)、そして、モーニング・ツーでは『狭い世界のアイデンティティ』という凄まじい漫画家漫画を掲載中です。

出版社の件(くだん)社が催す謝恩会にて行われる打ち切り作家の処刑シーン……。この後、磔にされた一人一人が順に打ち切り理由をマイクアナウンスされ、みんなから腐ったパイを投げつけられます。お、恐ろしい……。
『狭い世界のアイデンティティ』はこちらから第一話が無料で読めます。この段階でも十分にカッ飛んでますが、後半からのヒートアップはさらに凄まじいので、皆さんもぜひその目で確かめて下さい。
そんな押切先生にお願いするのは『戦闘破壊学園ダンゲロス』から、イケメン異常者の夢見崎アルパ。

ヤバすぎるこの男を押切先生がどのように描いてくださるのか、とっても楽しみにしています!





