
心強い友人の応援
彼女は掛田さん。
私の中学高校の後輩です。
後輩と言っても、同じ時期に通ってはいなくて
ずっと年下の後輩。
子育て支援をしている友人を介して
出逢うべくして出逢った彼女。
今回、こちらのプロジェクトに寄せて
インタビューに答えてくれました。
まずは料理について掛田さん。
「荘司さんの料理は、一言で言うと【ホッコリ家庭の味】なんですよね。
家庭料理なんだけど家では出来ない。
サクッとしたアジフライとか。」
「家庭でも作るけど、家庭ではこういかない。
余所行きじゃないんですね。
家で(掛田さんのお宅)作ってもらったことあるけど
店の厨房だから出来るとかいうことではなかったんです(笑)。」

この時にたまたま一緒に来てくださった
掛田さんのご友人、恵さんにもお話を伺いました。

「今日初めてお料理を食べさせてもらったけど
こうした方が美味しいということが、食べた時に分かりますね。」
彼女自身もまた、友人に料理をふるまうことが多い人。
この日初めて食堂へ来てくださり
どれもこれも美味しい美味しいと喜んでくださいました。
そうか、自分の料理のことって
分かっているようで分からなかったりするもんですね。
掛田さん
「子供の時から、両親をそばでみてきた土台が大きいと思う。
頭で考えているのではなく、ちょっとしたコツとかさ。
一般の家庭ではやらないひと手間とかが
それが基本ベースにある。
荘司さんにとってはいつものこと。
でも人からしたらそんなことやるんだ、っていう感覚。
ベースははりやがあってのこと。」
それはそうなのかもしれないなと思わされました。
芸能人の子が芸能人になる、医者の子が医者になる、ということも含めて。
親に言われたからという事ではなく
産まれた時からのことが蓄積されているんですよね。
さらに掛田さんは私がやりたいと思っていることも理解してくれています。
「荘司さんは場創りがしたいんだよね。
コミュニティとは切っても切れないんだよね。
お父さんとお母さんが築き上げてきたもの
おじいちゃんの代からあって、そこに人が自然と集まる様子を、小さなころから見ている。
飲食とコミュニティは人の集まる場
そこがイコールだと意識しないで沁みついちゃってる。無意識に。
今まで違う仕事で来ているけど
自分の仕事はここだなという感じでもどってきているんだと思う。
原点に戻る、みたいな。
一番やりたいところはそこなんでしょうね。
意識しないでやることが多い。
荘司さんが育った環境は
自家製、手作りが当たり前な環境だったのではないかな。
一方でそうじゃない世の中に対して思うこともあるわけじゃん。
だからこだわるもなにも、出来合いのものを出そうとも思わないけど
ちゃんとした料理を届けたいと思っている。」

この日も一緒に酒を交わし、ご飯を食べて
誰かと美味しいね、と言って食べるのが美味しいねと意見が一致。
酒場は食堂よりもっとその場の影響が美味しさにつながる。
どうやら私は酒場の方が食堂よりも合っているようです。
最後に掛田さんにこう言われました。
「酒場は天職だと思います。
新しく始めるのではなく、そこへ戻るということ。」
戻る。
この日こういわれた言葉が
ずっと心に残っています。
理解してくれる人がいるという心強さを
感じる夜となりました。
撮影:だしフォト(冨樫実和)





