10万円コースの返礼品は「岡部隕石レプリカ」と除幕式参加権(前述)でした。
現在、国立科学博物館に展示されている本物の岡部隕石は研究用にスライスされ半分ほどしか残っていないので、昭和34年(1959)に山﨑さんが科博から贈られたレプリカをもとに製作しました。
(※大きさや形状などによりますが、科博に隕石を寄付すると、レプリカが寄贈者に進呈されます。山﨑さんのレプリカは石膏製ですが、米田成一先生によると「今後は3Dプリンタで作ることになるかも」とのこと)
60年記念レプリカの目標は、できる限り本物の質感と重さを再現すること。シリコンで型取りし、レジンキャスト(合成樹脂の流し込み)で成形しました。レジンは比重が軽く、実物の重さ(194g)には及ばないので、鉛の重りを鋳込みます。隕石の体積とレジンの比重、鉛の比重から必要な分量を調整した結果、重量194g±1g(つまり重量誤差約0.5%以内)という高精度なレプリカを作ることに成功しました。
表面の彩色は特殊な塗料と顔料を使って仕上げています。焦げや錆の風合い、隕石特有の光沢を再現するのに苦労しました。
出来上がった60年記念レプリカは、ビロード内装に特注の焼印を施した桐箱に納め、支援者の皆様にお渡ししました(上の写真)。
山﨑さん所有のオリジナルレプリカも、賞状書士さんに箱書きしてもらった桐箱に入れてお返ししました(下の写真)。
11月25日の記念講演会では、来場いただいた方から抽選で1名様に60年記念レプリカをプレゼントしました。その幸運に恵まれた方のお名前が「オカベ」さんだったという偶然に、会場はおおいに盛り上がりました。